風神雷神 風の章 の商品レビュー
図書館で借りた本。表紙は有名な風神雷神の屏風絵。内容は屏風絵の作者である江戸時代の絵師、俵屋宗達の半生。 風の章は豊臣秀吉の晩年から徳川家康の時代。 アホな子と思われていた幼少時代、でも絵を描く時の集中力が半端なかった。その才能を見出した養父。扇屋を継がせ絵に専念させたら京の町で...
図書館で借りた本。表紙は有名な風神雷神の屏風絵。内容は屏風絵の作者である江戸時代の絵師、俵屋宗達の半生。 風の章は豊臣秀吉の晩年から徳川家康の時代。 アホな子と思われていた幼少時代、でも絵を描く時の集中力が半端なかった。その才能を見出した養父。扇屋を継がせ絵に専念させたら京の町では大人気。売れまくり。そして厳島神社の平安時代の絵の修復作業をきっかけに書の達人の本阿弥光悦、紙製作の達人の紙屋宗二、豪商の角倉与一との共同作業で絵巻を完成させ世間の評価が高まるのだが時代はキリシタン排除、文化人排除の方向に。次は雷章に続く。
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★2017年9月23日読了『風神雷神 風の章』柳広司著 評価B+ 江戸時代の絵師 俵屋宗達の歴史小説。柳広司といえば、ジョーカーゲームに代表される諜報スパイを主人公にした現代小説のイメージだが、今回は全く違う分野への挑戦だ。結論から言えば、期待以上の出来で驚かされた。良い出来で...
★2017年9月23日読了『風神雷神 風の章』柳広司著 評価B+ 江戸時代の絵師 俵屋宗達の歴史小説。柳広司といえば、ジョーカーゲームに代表される諜報スパイを主人公にした現代小説のイメージだが、今回は全く違う分野への挑戦だ。結論から言えば、期待以上の出来で驚かされた。良い出来である。昨年だったか、同じ日本画の伊藤若冲を描いた澤田瞳子氏の「若冲」もなかなかの力作だったが、それとはまた違う描き方で難しい地味な日本画家の小説を堪能させてくれた。 (備忘) 俵屋宗達といえば、風神雷神とか蔦の細道図屏風など、聞いただけでは分からなくとも、絵を見れば誰でも知っている画家である。彼をそこまで引っ張り上げた当時の敏腕ディレクターが、本阿弥光悦であり、烏丸光弘であった。 上巻となる風の章では、まず本阿弥光悦と幼なじみ角倉与一(素庵)、紙屋宗二が協力して、日本で初めての本格的平仮名印刷,出版(いわゆる嵯峨本)をして、京都で大評判となる。そして、宗達は出雲の阿国とつかの間の出会いと別れを経験として一つ成長し、時代は豊臣秀吉の天下泰平の世の中から、徳川家康の武家政治へ移行。かぶき者排除、キリシタン排除、文化人排除と息苦しい時代へ入っていく。そんな時代に、俵屋宗達と本阿弥光悦はのびのびと芸術の世界を切り開いていく。
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結構良いですね。文で、絵を表現できている。最近多い安土桃山、江戸の絵師の話が結構出ていますが、今回は等伯以来のできかと思うが・・・ まだ下巻をこれから読むので最終判定は下巻で。
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