ゲームの王国(下) の商品レビュー
都合上、下巻からとなってしまったが、面白く読めた。ゲームの王国のように、なっていく世界観で、この物語は一つ一つがつながっていて、それぞれの物語は独立しているのだけど、最後には綺麗にまとまるという感じである。現実では折り合えないことも少なくないが、国の貧困や政治的な問題、現実は夢想...
都合上、下巻からとなってしまったが、面白く読めた。ゲームの王国のように、なっていく世界観で、この物語は一つ一つがつながっていて、それぞれの物語は独立しているのだけど、最後には綺麗にまとまるという感じである。現実では折り合えないことも少なくないが、国の貧困や政治的な問題、現実は夢想ではなく残酷な現実もあるなど、SFであるが、現実問題も交えているのでヒヤヒヤなところもあり、近い将来起こりえない問題に直面していると感じさせるヒリヒリ感もあるなど面白く読みごたえがあった。
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下巻は上巻とまったく様相が異なる。上巻のあのエピソードがここにつながるのかなど、あれやこれやが伏線になっていることに驚かされる。そして、脳波に関係するゲームが開発され、人々を支配しかねない結果まで想像させられる。下巻は一気にSF作品となった。このスピード感がたまらない。一気に読ん...
下巻は上巻とまったく様相が異なる。上巻のあのエピソードがここにつながるのかなど、あれやこれやが伏線になっていることに驚かされる。そして、脳波に関係するゲームが開発され、人々を支配しかねない結果まで想像させられる。下巻は一気にSF作品となった。このスピード感がたまらない。一気に読んで一気に楽しさが頭の中を駆け抜ける悦び。読者もゲームの王国に誘われる。
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笑った笑った。底なしにアホな側面とアホだけどちょっと何か意味のあることを言ってる気がする側面の2つがあって、でもアホすぎて深く考える気が失せていく、その辺が醍醐味。アホ要素に深刻なシナリオを軽くしてくれてる効果があって、とても上手く働いてる。上巻と下巻の切り替えや良し。
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クメール・ルージュ台頭からポルポト恐怖の独裁までを描いた上巻から時は流れ、ソリアは権力を手にしどこまでもフェアな「ゲームの王国」を築こうと政治の世界を邁進する。しかし、賄賂や謀殺が飛び交う世界で、フェアな世界を築くためにソリア自身がアンフェアな手段へと染まっていく。 一方、ムイタックは脳科学の研究へ打ちこみ、全員が「楽しい」と感じる理想のゲーム「チャンドゥク」を作り出す。 ムイタックは最終的には「チャンドゥク」をソリアへの復讐のツールとするが、結局それは人間の根本へ触りすぎるゲームだったゆえにムイタックのソリアへの愛を掘り出すものとなったのではなかろうか。 お互いに、あまりにも純粋に「ゲームの王国」を目指す男女だったために、今世ではすれ違い、修復不能となった。結局彼らが結ばれるにはどこかの「ゲームの王国」で再会するしかないのだ。
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カンボジアの歴史を知りたくて読むと幻滅する。 「ゲーム」を読む感覚だろう。 上巻の面白さが下巻では半減した。
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脳波を利用したゲーム「チャンドゥク」が面白い。しあわせな記憶が強力な魔法を生み出すというSF的アイデアが、ストーリーの肝になる。 ポル・ポト時代のカンボジアという現実の歴史を題材にしてあるが、読後の印象としては、マジックリアリズムな感じ。呪術と科学が併存している。 上巻のクメール・ルージュ政権時代の話など、不条理すぎてクラクラする。部分的、表面的な理屈は通っているのだが、客観的には狂っている。どれだけ異常なルールでも、それを守らねば排除されるという、リアルデスゲームの世界。 ゲームという概念が、歴史・社会・言語など多くの人の営みに適用できるのだと感じた。 主人公の一人、ムイタックが人生をかけて求め続けたもの。それは公正で純粋なゲームと、好敵手の存在だったのではないか。
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腐敗に勃起する男、土を食べて土と会話する男、輪ゴムがきれることで村人の市を予知する男、周縁の登場人物が多彩で面白い。
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上巻はポルポト時代のカンボジアの話で、なんでこれがSF?って思っていたけれど、下巻は近未来のお話へ。確かにSFだわ。上巻からの伏線がそうつながって来るかと思いながら読み進めた。 脳波を使ったゲームプレイっていうのも、技術的にも近未来には実現しそうだなとは思う。記憶ってビミョーだよ...
上巻はポルポト時代のカンボジアの話で、なんでこれがSF?って思っていたけれど、下巻は近未来のお話へ。確かにSFだわ。上巻からの伏線がそうつながって来るかと思いながら読み進めた。 脳波を使ったゲームプレイっていうのも、技術的にも近未来には実現しそうだなとは思う。記憶ってビミョーだよなとも思った。
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ポルポト政権のその後のカンボジア,ソリヤとムイタックもぐっと歳をとりその子供達の世代が登場.新旧入り混じってのゲームは続く.アルンの力も借りてムイタックの脳波を利用したゲームが完成し,運命というゲームが愛という終着点にたどり着く.取り巻く人々の細部の物語がそれぞれ個性的で(輪ゴム...
ポルポト政権のその後のカンボジア,ソリヤとムイタックもぐっと歳をとりその子供達の世代が登場.新旧入り混じってのゲームは続く.アルンの力も借りてムイタックの脳波を利用したゲームが完成し,運命というゲームが愛という終着点にたどり着く.取り巻く人々の細部の物語がそれぞれ個性的で(輪ゴム,泥食い,俊足ベンなど)彼らが最後まで随所に登場するのが楽しかった.
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おおぉー!! 半分を超えたあたりから、つまり全体の1/4は、もう夢中で一気読み。 最後の祈りの言葉に悲しみとは違う涙が…。 あぁ、つまり、これを正しく味わうために延々、共通の「記憶」を埋め込む作業をしてきた訳だ。 なるほど。物語の中のゲームと、物語とが入れ子構造みたいになってるの...
おおぉー!! 半分を超えたあたりから、つまり全体の1/4は、もう夢中で一気読み。 最後の祈りの言葉に悲しみとは違う涙が…。 あぁ、つまり、これを正しく味わうために延々、共通の「記憶」を埋め込む作業をしてきた訳だ。 なるほど。物語の中のゲームと、物語とが入れ子構造みたいになってるのか。 凄いな。これ。
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