ゲームの王国(下) の商品レビュー
下巻では未来を舞台に、新たな登場人物を加え、大人になった2人の運命が語られます。かたや政治の世界で成り上がり、かたや、脳波の研究者となります。2人の運命は重なっていき、最後には終結を迎えます。下巻の内容の全てを理解できたわけではないと思うのですが、上巻で濃厚であったスーパーナチュ...
下巻では未来を舞台に、新たな登場人物を加え、大人になった2人の運命が語られます。かたや政治の世界で成り上がり、かたや、脳波の研究者となります。2人の運命は重なっていき、最後には終結を迎えます。下巻の内容の全てを理解できたわけではないと思うのですが、上巻で濃厚であったスーパーナチュラルな要素が未来の科学と融合し、なんとも言えない複雑な様相を見せる所が魅力的です。
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2004年から2022年にかけての話。上巻の1974年当時の話が下敷きになっている。前半は色々と面白いが、エンディングに向かって設定の無理がたたって興味が薄れた。 中途半端に登場する日本のNPOのキャラは意味不明だったが、彼らが経験する途上国援助の無力感の話は興味深かった。 ...
2004年から2022年にかけての話。上巻の1974年当時の話が下敷きになっている。前半は色々と面白いが、エンディングに向かって設定の無理がたたって興味が薄れた。 中途半端に登場する日本のNPOのキャラは意味不明だったが、彼らが経験する途上国援助の無力感の話は興味深かった。 ーーーー 「健康 」を解決するためには 「収入 」や 「教育 」を解決しなければならず 、 「収入 」や 「教育 」を解決するためには 「健康 」を解決しなければならない 。もちろんそれだけでなく 、 「保険 」 「投資 」 「貯蓄 」 「定職 」 「生きがい 」 「不動産 」 「衛生 」など 、すべての問題が 、他のすべての問題と複雑に絡みあっていた 。 ーーーー また人々が断片的なフラッシュ記憶の積み重ねで「人生」を記憶しているという話と、たいていの人は9.11に何をしていたかは覚えているが、その前日の記憶は無い、という話も面白かった。 ハワイ島で読み始めてそのまま読了。
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上よりももっと難解な内容だったけど、相変わらずさらさら読めて内容もスッと入ってきた。記憶について色々書かれていたけど、実際読みながら書いてあることを体験できるような不思議な感覚だった。 〜このゲームが人生に似ているという点です。真理を手にするには、敗北を受け入れないといけません...
上よりももっと難解な内容だったけど、相変わらずさらさら読めて内容もスッと入ってきた。記憶について色々書かれていたけど、実際読みながら書いてあることを体験できるような不思議な感覚だった。 〜このゲームが人生に似ているという点です。真理を手にするには、敗北を受け入れないといけません。〜
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下巻は、上巻から約40年後、現在からみても未来の話になりました。上巻に比べ、文体の緊張感、ペースは落ち着きましたが、次のページへと読ませる筆力は変わりません。 作者は、タイトルからして下巻の話を中心に描きたかったんだと思いますが、上巻の重い現実を背景とした展開に比べて、やや浮つい...
下巻は、上巻から約40年後、現在からみても未来の話になりました。上巻に比べ、文体の緊張感、ペースは落ち着きましたが、次のページへと読ませる筆力は変わりません。 作者は、タイトルからして下巻の話を中心に描きたかったんだと思いますが、上巻の重い現実を背景とした展開に比べて、やや浮ついてしまった印象はありますね。二人の主人公の内面をもう少し掘り下げれば、深みが出たように思います。それでも良い作品で、読んで損のない本だと思います。
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後半は少しだけSF要素が含まれる 上巻と下巻は別の話に仕上げても良いくらい隔たりがあるけれど、長い時間軸を舞台に繰り広げられた物語を最後に反芻できる満足感は大きい 人生というゲームでは、真実を手に入れるためには、敗北を受け入れる必要がある話は、正直いまいち 「運命」を宣言するこ...
後半は少しだけSF要素が含まれる 上巻と下巻は別の話に仕上げても良いくらい隔たりがあるけれど、長い時間軸を舞台に繰り広げられた物語を最後に反芻できる満足感は大きい 人生というゲームでは、真実を手に入れるためには、敗北を受け入れる必要がある話は、正直いまいち 「運命」を宣言することで決まるのは分岐であって、その先にも無数のカードがあるはず これはソリヤのカードで「運命」を宣言したムイタックの話でしかなく、全ての内容は分岐の先にある
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190115.上巻に続き。 上巻の人物が一気に50年後になりびっくり。 上巻の最後に気配はあったが、ソリヤを敵側に持っていくとは思わなかった。 貧困とは何かという件はとても勉強になった。借金分の金を用立てしたのにテレビに使ってしまった話なんか、もうなんというか、やり切れなさしかな...
190115.上巻に続き。 上巻の人物が一気に50年後になりびっくり。 上巻の最後に気配はあったが、ソリヤを敵側に持っていくとは思わなかった。 貧困とは何かという件はとても勉強になった。借金分の金を用立てしたのにテレビに使ってしまった話なんか、もうなんというか、やり切れなさしかない。 徐々にSF感も出てくるが、SFという括りでもない感じもした。それだけリアルというか、現実との結びつきが上手いのかもしれない。 人生というカードめくりゲームは非常に興味深い。抵抗を続けないと答えは分からないが、わかった時には全てが遅い。。カッコよすぎる。 ムイタックとソリヤのゲーム戦も面白い。最後まで彼等は相手に負けた認識でいることも。 ラストの締め方は気に入らない。死んで終わりというのは、、もうすこし上手いラストが欲しかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
村人は未だ土着の信仰を科学や医学よりも信奉し、教育や蓄財にも関心が薄く経済援助がうまく機能しないカンボジア。そのカンボジアでソンクローニ族のように倫理と規範を守り汚職や腐敗のない理想の「ゲームの王国」を建設しようと政権を取ろうとするソリヤ。 そのソリヤを食い止めようとムイタック教授は脳波を魔法や技に換算するゲーム「チャンドゥク」を天才少年アルンと共に開発しソニアの物語を埋め込む。 ソリヤは清廉潔白なイメージを作り上げた完璧な政治家で、暗殺未遂事件を自作自演し敏腕ディレクターカンの疑惑もすり抜けるが、ムイタックのゲームとカンによりついに暗殺されるのだった。ムイタックは、教授であったがソリヤこそが彼にとっての信仰の対象、愛する相手であった。 人は信仰に支えられた方が、理不尽な世界の中で幸福に生きられるものもいるし、どのように生きるかは各人に委ねられるべきでそれが悩みであり喜びでもあるというのが、この物語の趣旨の一部でもあるように思う。 パスカルの賭け、1から19までの数字を書き最大だと思うところでベットする「人生ゲーム」、フラッシュバルブ現象など逸話がマトリックスのように散りばめられている。 「嘘つき」という呼び方は嘘の上手い人に対する呼び方でなく嘘の下手な人に対する呼び方だ。 印象的な笑えるエピソード 僕は閃きましたね。発想の転換です。神様の使い方、お祈りの仕方を間違えていたんです。神様にお祈りしても、誰かが消えたりしない。だから僕は、おじさんを殺してから、殺人を許してくれって祈ることにしたんです。 今ではダラ医師の異常さだけが頼りだった。どんな話でもヘモグロビンの問題にすり替えてしまう彼の癖が、幸いにもカンの身を守っていた。「見ろよ!これがヘモグロビンだ!お前のヘモグロビンが流出しているぞ!」殴ったのはダラ医師だった。今では、どちらが危険な人物なのかわからなくなっていた。
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難を言えば「これ誰だっけ?」がけっこうあったものの、それは自分の貧弱な記憶力によるものである。 SFでもなし、純文学でもなし、不思議なテイストの作品で、この著者の他著も読んでみたいと思ほゆ。
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近未来の下巻に入り、物語は一気にスピードアップ。脳波を使ったゲームも荒唐無稽な感じがなく、リアリティーのあるSFとなっている。しかし小説としては上巻の出来が良いだけに下巻は雑さの目立つ小説になってしまった。ソリアとムイタックの結末も、なんだか肩すかしを食ったよう。 上巻と下巻は別...
近未来の下巻に入り、物語は一気にスピードアップ。脳波を使ったゲームも荒唐無稽な感じがなく、リアリティーのあるSFとなっている。しかし小説としては上巻の出来が良いだけに下巻は雑さの目立つ小説になってしまった。ソリアとムイタックの結末も、なんだか肩すかしを食ったよう。 上巻と下巻は別の小説と言っても良いくらいだ。
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これはSF? 様々な意味でのゲームを展開しつつ、ノンフィクションを交えた前半から、国の動乱で命を落とす者、生き延びる者がいて、最後は男女の物語に収束する。 なぜだかわからないが、2人の物語にものすごく惹きつけられた。
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