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もうひとつのワンダー の商品レビュー

4.5

54件のお客様レビュー

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    28

  2. 4つ

    17

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2017/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

創作物語。 生まれつき顔に異常があるオギーが5年生になって初めて学校に通うことになった一年を描いた前作「ワンダー」の番外編。オギーにひどい態度をとっていたジュリアン、幼なじみで遠くへ引っ越していったクリストファー、先生にオギーの案内役を頼まれて普通に優しく接していたシャーロットの3人のそれぞれの一年を描いたもの。オギーの目から見ただけでは分からなかった三者三様の物語。それぞれの本音が語られ、思春期の友人関係の繊細なバランスや親切にすることの難しさなど、どの普通の子にも起こりうる状況を一人称の形で語っている。

Posted byブクログ

2017/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いじめっ子とされていたジュリアンが、人より恐怖に対して耐性がなくてつい攻撃的になってしまったんだろう。異形なものに対して嫌悪感を抱くのは自然な感情の発露だと思うけど、彼はとるべき行動を誤ってしまっただけ。その行動を戒めてくれたおばあちゃんの過去の話が切なくて切なくて、「アウシュビッツの図書係」を読んだばかりだったこともあるけれど、滂沱たる涙が流れた。

Posted byブクログ

2017/08/16

『ワンダー』を読んだ時はその前向きさに心が奮えました。親切には勇気を伴うことがある。でもその少しの勇気があれば相手も自分も前へと進むことができる。そのことが実に真っ直ぐに書かれていたのです。 オギーは普通の男の子。顔以外は。そんなオギーとオギーを取り巻く人たちの語りで構成されてい...

『ワンダー』を読んだ時はその前向きさに心が奮えました。親切には勇気を伴うことがある。でもその少しの勇気があれば相手も自分も前へと進むことができる。そのことが実に真っ直ぐに書かれていたのです。 オギーは普通の男の子。顔以外は。そんなオギーとオギーを取り巻く人たちの語りで構成されていた『ワンダー』。そこでは語り手とならなかった三人が今作では語り手となります。オギーをいじめたジュリアン、幼なじみのクリストファー、クラスメイトのシャーロット。『ワンダー』ではあくまでオギーの物語として書かれていましたが、ここでは語り手本人の物語として書かれています。だからこそ書ける物語がありました。そしてこの三人もまた普通の少年少女だったのです。 前作ではいじめっ子として登場しそのままフェードアウトしたジュリアン。彼には彼の物語があり、彼の考えがあったのです。しかしその行動や考えは決して良きものではなかったのです。それにとって反省を促されますが彼は納得ができなかったのです。自分こそが被害者であると思っていたのです。異質な存在が自分の世界に紛れ込んだが故に起こった事件に巻き込まれた被害者であるとしか考えられなかったのです。そのことに対して彼の祖母は自分の体験を語ることで諭すのです。そして彼は自分自身で反省することに行き着くのです。そうジュリアンもまた普通の子だった、ただその普通の子が過ちを犯してしまった。その過ちに気付くことは勇気が必要でした。その勇気によってジュリアンは前へと進むことができたのです。 この描き方の巧さに胸が打たれました。これは児童書だからこそ書くことのできることなのかも知れません。問題に対して真っ直ぐ目をそらさず書くことのできるのが児童書の強みでもあるのでしょう。 そしてもちろんクリストファーにもシャーロットにも自分の物語があります。そのことを示すことによって却ってオギーのことが浮き彫りになることもあり、前作に出てきた他の人々にも思いを馳せることができます。そして『ワンダー』の世界が読み手の中で広がっていくのでしょう。

Posted byブクログ

2017/08/16

ワンダーの方の記憶が薄れつつあるのですが、このストーリーで蘇りました。ジュリアン、クリストファー、シャーロット、絶妙なメンバーがえらばれたなあ、と思います。それぞれの心情が感じ取れ、こういうサイドストーリーはいいなあ、と思いました。特にジュリアンの話が染み渡りました。アメリカンな...

ワンダーの方の記憶が薄れつつあるのですが、このストーリーで蘇りました。ジュリアン、クリストファー、シャーロット、絶妙なメンバーがえらばれたなあ、と思います。それぞれの心情が感じ取れ、こういうサイドストーリーはいいなあ、と思いました。特にジュリアンの話が染み渡りました。アメリカンな友人との付き合いや学校生活が描かれて、楽しく読めました。どこの国でも友達関係は難しいんだなあ。ランチの席とか、毎日大変だとしみじみ感じました。

Posted byブクログ