満願 の商品レビュー
ミステリ側の米澤穂信は合うか心配してたが、山本周五郎賞に外れなし。大傑作であった。多少は慣れてきて、伏線はこれかな、などと考えるようになったが理想的な読者なのでどんどん騙され驚かされる。楽しい。
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夏はどろどろしたのが読みたくなる!ラスト二篇が特に好き。どうしようもなくて殺すというより、「だって、しょうがないじゃん」な感じが怖いなあ。この小説に出てくる人物は、みんな人情が感じられなくて薄気味悪い!
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別作品の『儚い羊たちの祝宴』が好きな人はこれも気に入るのでは、という評価をよく見かけたので期待してました。 読み終わって、確かに共通する部分も多いとは思いましたが、羊の方がもっと暗い雰囲気だったような気がして、私はそんなあちらの方が好きです。 「関守」が一番好き。一番怖いなと思...
別作品の『儚い羊たちの祝宴』が好きな人はこれも気に入るのでは、という評価をよく見かけたので期待してました。 読み終わって、確かに共通する部分も多いとは思いましたが、羊の方がもっと暗い雰囲気だったような気がして、私はそんなあちらの方が好きです。 「関守」が一番好き。一番怖いなと思ったから。
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読み終わった後、必要以上に余韻を引き摺るわけでもなく、かと言って味気ない内容でもない、その辺のバランスがとても心地よいミステリー小説。ラスト数ページでゾクリとさせたりはっとさせたりして、物語を閉じていく最後一行はとくに好き。米澤さん、満願が初読みだけれどしばらくハマりそう✨
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もともと米澤穂信氏の本は、 「儚い羊たちの祝宴」が一番好きだったりする (古典部は除く) ので、同じく短編集にはとても期待していた。 単行本で出て、 文庫まで待とうと思って、 もうそろそろ耐えきれないから単行本買おうと思ったら ちょうど発売日に書店で文庫本を見かけた。 神に感謝しました。 さて。 『ボトルネック』『インシテミル』『犬はどこだ』 『古典部シリーズ』『儚い羊たちの祝宴』 ※さよなら妖精は途中でリタイア 割と米澤作品は読んでいると思う。 感じるのは、作品によって世界観がガラッと変わるなぁと。 今回は短編の中でも一話一話それが顕著だった。 警察小説か?『夜警』 温泉宿探偵物?『死人宿』 海賊になった男、みたいな、海外でバリバリ出世していくと見せかけて『万灯』 怪談聞かせてくれるの?『関守』 弁護士もの?『満願』 全部が全部テイストが違うし 最後の最後にズバッと裏切ってくれた! 本当に素晴らしいストーリーテラーだと思いました改めて。 あ、書き忘れていたけれど『柘榴』が一番好きだった。 やっぱりこう言う、美しい少女がちょっと狂気じみてるの 好きなんだな。 感謝。
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あ、文庫本出てる、と購入。 暗くて怖いけど面白い。そして後を引かない感じがこの人の作品はいいなぁと思います。あまり感情的だったり粘着気質じゃない感じがする。作中は大概変な人が出てくるのに読後感がそれほど悪くないのはすごいな、と思うのです。 夜警 あ~、その仕事、向いてないよ…と...
あ、文庫本出てる、と購入。 暗くて怖いけど面白い。そして後を引かない感じがこの人の作品はいいなぁと思います。あまり感情的だったり粘着気質じゃない感じがする。作中は大概変な人が出てくるのに読後感がそれほど悪くないのはすごいな、と思うのです。 夜警 あ~、その仕事、向いてないよ…という人居るよな。 巻き込まれ事故みたいな上司はちょっと災難。 死人宿 それでも結局その宿は続いていく、という感じがゾクっとくる怖さがある。彼女は東京には戻らなさそうだな… 柘榴 イヤな話。何をもってして男がそんなにモテるのかが理解できない。母親は理解できる。同年代だし、他の女の子が注目していた彼を手に入れるアタシ…という満足感もあっただろうし。でも10代の少女にしてみたら40代男なんてオッサンだぜ?と思うんだけど… どうなんだろうか。 万灯 回り回ってお天道様が明るみに出す、というような。 村の利益と国の利益かぁ… 確かにそこは難しい問題だなぁと思う。 関守 いや、どう考えてもその人危険でしょ、近寄るな危険。 というある意味地雷なお話。 満願 読んでいてちょっと気になったんですが昭和46年で普段着が矢絣の袷って。年の頃20代後半の女性の普段着ってその頃にはもう洋装だと思うんだけどなぁ…とその辺りは疑問に思いました。それとも彼女は商売柄、和装をしていたんだろうか?謎だ。 それにつけても旦那が稼がないと辛いなぁ… 人殺しとはいうものの…その借金は誰がこさえたんだよ、とは言いたい感じでした。やっぱり女性も手に職を持たないといかんなぁなんて的外れな感想を抱きましたよ。
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