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デーミアン の商品レビュー

4.3

32件のお客様レビュー

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2024/09/21

主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。 子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。 ラストのデミア...

主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。 子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。 ラストのデミアンの言葉には号泣した。 自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。 この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、 読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。 またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。 (知らなくても十分楽しめるが)

Posted byブクログ

2024/08/30

「自分を解き明かすことができるのは、他人ではなくあくまで自分だけだ。」 ヘルマン・ヘッセの代表作のひとつ『デーミアン』です うーん、これまた「聖書の壁」 しかも完全に四方を囲んでいて、蟻の這い出る隙間もない 当然のことながら、全く意味もわからん  けど面白かった たまにある...

「自分を解き明かすことができるのは、他人ではなくあくまで自分だけだ。」 ヘルマン・ヘッセの代表作のひとつ『デーミアン』です うーん、これまた「聖書の壁」 しかも完全に四方を囲んでいて、蟻の這い出る隙間もない 当然のことながら、全く意味もわからん  けど面白かった たまにあるのよ 全く意味分からんけど面白い 全く意味分からんときって大抵は面白くないのよ だってそうでしょ、意味分からんのだから でも、本作は面白かった ぜんぜん分からんのに、全部分かったような気もする 独断的で独りよがりな心中が延々と語られるのに、普遍的で共感できるような気にもなる なんだこれは! こういう時、いつも実践しているのは「解説」は読まないってことだ 「解説」に惑わされるな!(そんな詐欺師みたいに言わんでも)

Posted byブクログ

2024/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シンクレアは日々の生活、それらが積み重なった結果としての人生に起こるさまざまな出来事に対して感受性が豊かなのだなと感じた。だからこその彼の苦悩が胸に痛かった。そして、彼の傍から見れば単に無頼な転落も、彼のような人間だからこそのものだと思えた。 人生や物語に何かしらの解決がなければならないという訳ではないが、ストーリー上の「解決」を用意することが非常に難しい物語(趣旨)だと思った。そのうえで、あのラストがすごく味わい深かった。

Posted byブクログ

2023/09/08

真の自分になるために己の道を歩く 試行錯誤して己の道を行くことが人生 でも真の自分になれた人はいない 人類皆兄弟だから分かち合うことはできる、でも自分を解き明かせるのは自分しかいない 序章のこの考えが面白くて何度も読み返したくなる アブラクサスやカインとアベルの話で宗教を学ぶこと...

真の自分になるために己の道を歩く 試行錯誤して己の道を行くことが人生 でも真の自分になれた人はいない 人類皆兄弟だから分かち合うことはできる、でも自分を解き明かせるのは自分しかいない 序章のこの考えが面白くて何度も読み返したくなる アブラクサスやカインとアベルの話で宗教を学ぶことの面白さを見出した うまく言語化できないけど、この本で苦境を乗り越えるヒントのようなものを掴んだ気がした ニーチェやユングの心理学も併せて読んでみようと思う 世界を卵に例えて雛が殻を突き破ると言う表現が少女革命ウテナにもあったような気がしてこのアニメももう一回見直したいなと思いました

Posted byブクログ

2023/07/22

ある少年の幼少期から青年期までの魂の軌跡、遍歴を綴った本…ということになるんだろうが、あまり自分にはヒットしなかった。ユングやニーチェの影響が多く見られる。ある悩みや激動の最中にいる人には刺さるだろう。

Posted byブクログ

2023/06/16

これは自己実現の過程を赤裸々に語った貴重な物語。ユングの心理学について知っていればかなり面白いと思う。 全て物語としても読めるけど、無意識の領域やアニマ、グレートマザー、影とかそういうものと登場人物を読み替えていく楽しさ…村上春樹も凄いと思ったけど、こんな風に無意識そのものをテー...

これは自己実現の過程を赤裸々に語った貴重な物語。ユングの心理学について知っていればかなり面白いと思う。 全て物語としても読めるけど、無意識の領域やアニマ、グレートマザー、影とかそういうものと登場人物を読み替えていく楽しさ…村上春樹も凄いと思ったけど、こんな風に無意識そのものをテーマに自己との対決から逃れず書き切ったのはすごすぎる。 ヘッセ自身の名前で最初は出さなかったのも頷ける、相当恥ずかしかったと思う…内容がどうあれ、自分の内面世界をここまでさらけ出すのは身を削ってると思う。ほんとにすごい。

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2023/05/05

これ!といった、この本から読み取るべきものを理解しきれなかった。移動中にわりと急ぎ目に読んだからだろうか。何度も読み返し、その時々で感じることを大事にするのがいい本なのかもしれない。

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2023/01/20

元々燻っていたシンクレアの内面がデミアンと出会うことで触発されて成長し、変化していく。 級友に陶酔していた(今もしているかもしれない)自分とシンクレアが重なった。 そして大衆に流されず、孤独になることが多くても自分の運命を探す強さは心に留めるべきものかもしれない。 あと聖書や哲学...

元々燻っていたシンクレアの内面がデミアンと出会うことで触発されて成長し、変化していく。 級友に陶酔していた(今もしているかもしれない)自分とシンクレアが重なった。 そして大衆に流されず、孤独になることが多くても自分の運命を探す強さは心に留めるべきものかもしれない。 あと聖書や哲学にに精通しているとさらに面白く感じるのかなと思った。 ただ、率直に難しい。理解出来なかった部分が多数ある。それが悔しいなと思った。

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2022/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の内面描写が細かい分、モヤっと感じることが多い作品でした。特に最初がそう感じられ、主人公幼少期の裕福で温かい世界と級友の貧乏で必死に生きている世界との対比は、互いの世界のルールは通じない。一歩足を踏み入れてしまえば、もう前と同じように戻ることはできない、という苦難と憂鬱さが描かれていました。にも関わらず、青年期に再度踏み入れていく、というジレンマは人間の複雑さを伝えてくれます。やがてデーミアンを通じて知る“自分の意思に従い生きていけるか”ということは、現代の私たちに共感できる場面が多いと思いました。

Posted byブクログ

2022/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感受性の高いシンクレア少年と大人びたデーミアンとの奇妙な出会いと別れまでのお話。内気で孤独なシンクレアの唯一といってもいい心の支えだったデーミアンが、最期の最期に語りかけた言葉が切なく、優しく、それでいてちょっと残酷だなと思ってしまった。

Posted byブクログ