わたしたちは銀のフォークと薬を手にして の商品レビュー
重いテーマが終始あるけれど、決して悲壮感溢れるお話ではなく、むしろ純粋で心洗われるような恋愛小説。食事のシーンも多くて情景がリアルに浮かぶような描写も良かった。
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ひさびさにストレートな恋愛小説を読んだ気がする。 遠慮という角が少しずつ取れていって、 二人の関係が緩やかに丸くなっていく。 情熱的な愛情表現はなくとも、 しっかり伝わってくる関係性が染みる。
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このタイトルの意味がわかった時の驚きったらよ。アラサー女性たちの恋愛とグルメ、女性受けしそうなドラマのような物語。重いテーマが隠れていても、スルスルとライトで読み易いのは、島本さん風だなあと思う。要所要所でキュンとしたり、美味しそうだな~となりつつも、私が彼(椎名さん)なら、私が...
このタイトルの意味がわかった時の驚きったらよ。アラサー女性たちの恋愛とグルメ、女性受けしそうなドラマのような物語。重いテーマが隠れていても、スルスルとライトで読み易いのは、島本さん風だなあと思う。要所要所でキュンとしたり、美味しそうだな~となりつつも、私が彼(椎名さん)なら、私が彼女(知世)なら....と自分に置き換えて考えると、なかなかに複雑。希望を言うなら、純粋に恋とグルメを楽しめる物語でも良かった。でも、私の中で作者の既読本の中では上位に入る。
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独身の人、結婚してる人、彼がいる人、、 どんな人もそれぞれの悩みを抱えているんだなと。 結婚することが「正解」じゃない、子供がいることが「幸せ」じゃない、はずなのに、どうしてもまわりを気にしたり、世間体を気にしたりして、がんじがらめになってしまう。 自分の今の悩みとも重なって、少...
独身の人、結婚してる人、彼がいる人、、 どんな人もそれぞれの悩みを抱えているんだなと。 結婚することが「正解」じゃない、子供がいることが「幸せ」じゃない、はずなのに、どうしてもまわりを気にしたり、世間体を気にしたりして、がんじがらめになってしまう。 自分の今の悩みとも重なって、少し答えが見つかった気がした。 自分の幸せは、「まわりから見た幸せ」ではない。形にこだわる必要もない。 一緒にいたい人と食べたいものを食べて、幸せと感じられる瞬間があること。 食べ物の描写がとても美味しそう。季節ごとに、美味しいものを求めて食事に行きたいと思った。
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すごく良い本だった。 二人の恋愛を深めていく上でHIVという障害があって、それがあるからこそ、一緒に居られることの尊さが伝わってきて胸がいっぱいになった。 知世がいうように、本当は人と人が近づくのはこんな風に慎重にするべきだな。 人が誰かと関係を深める時に性の問題はかかせなくて、...
すごく良い本だった。 二人の恋愛を深めていく上でHIVという障害があって、それがあるからこそ、一緒に居られることの尊さが伝わってきて胸がいっぱいになった。 知世がいうように、本当は人と人が近づくのはこんな風に慎重にするべきだな。 人が誰かと関係を深める時に性の問題はかかせなくて、それに影をさすHIVという病気は、深刻な病気なんだと実感した。 現在の医療の進歩である程度コントロールできるとはいえ、葛藤はあるだろう。 椎名さんと知世がその葛藤を乗り越える過程がすごく良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「君が好きなんだ、俺にはもったいないと思ってる。一緒にいれば楽しいし、大事で仕方ないし、きちんとしたい。だからこそ、大事にしたい相手を傷付けるかもしれない自分が歯痒いだけで よそになんていかないで、俺とずっといてほしい。できないことばかりで申し訳ないけど、それでも残りのできることで、全力で幸せにするから。」 こんな風に誠実に言われたら、それだけでいい、と思えちゃう ・あんな不毛な恋愛しながら、毎日会社に通って、笑ってお茶汲んで入力作業して。 なに一つ特別じゃないわたしだって一生懸命がんばっていて、世界の本当に隅っこで1ミリくらいは役に立ってる。 そのことを大事に扱っていないのはわたし自身だった。 彼女がいる男と付き合っている「茉奈」 ・気に入られないと興味すら持たれないけど、気に入られてセックスしたら、好きになってしまうか終わってしまうかのどっちかだから、結局いいことない。 仕事バリバリできる編集者の「飯田ちゃん」 ・どこへも行ける孤独だってあるだろう。でも、どこへも行けない孤独だってあるんだ。 八十歳とかまで生活も信頼もセックスもぜんぶ一人に背負わせるとかが大前提になってることがよく考えたら無茶苦茶なんだよ。 幼い子がいながら家を出てしまう「妹」 親だって別々の人間なのに、期待にはすべて応えなくちゃいけないとか思い通りにならなくちゃいけないとか、今まで思ってたのって呪いみたいだった ゆるぎなく、無理もなく、満たされて、だけど私たちは確実にいつか死んでいく。それを自然と想像できるくらいに幸福だと気付き、希望とはなにか足りない時に抱くものなのだと思った。
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幸せな話だけれど、なんだかピリッとした痛みを感じた。 美味しいもの、見たことない景色、穏やかな幸福。 そういったものに触れるのって、 意外とハードルが高いものなのかもしれない。
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美味しそうな食事たちとそれを食す人たちのお話。幸せって気づかないだけで身近にあるものなんだね。美味しいね、って言い合える人がいる幸福。
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「季節の美味しいものを食べながら好きな人と少しずつ距離を縮めてく短編集」とまとめてしまうと読む気失せるんだけど、冬の朝の光みたいに控えめにキラキラしててよかった。 今までの島本理生作品ではヒールだった妹の章が好きだな。妹も好きだ。この章がなかったらつまらなかったかも知れない。
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この作者の作品は初めて読んだけど、とにかく心に沁みた。人を好きになることの切なさと幸福感てこうゆうことだよな、と。手元に置いておきたい一冊。
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