わたしたちは銀のフォークと薬を手にして の商品レビュー
初読み作家さん。 30歳になった知世の気になる人は10以上年上の男性。 彼はHIVキャリアだった。 ゆっくりと育む愛は読んでいて 優しい気持ちになれた。 椎名さんが知世の前ではちゃんと年上の男でいられる、 というのは 私は男じゃないけどわかる気がするな、 と思った。 おそ...
初読み作家さん。 30歳になった知世の気になる人は10以上年上の男性。 彼はHIVキャリアだった。 ゆっくりと育む愛は読んでいて 優しい気持ちになれた。 椎名さんが知世の前ではちゃんと年上の男でいられる、 というのは 私は男じゃないけどわかる気がするな、 と思った。 おそらく病気になる前に二人が出会っていても そうはならなかったのではないかと思うし、 すべてはタイミングだったということだろう。 二人の関係は ただただ優しくあたたかい。 廻りにもその優しさが伝染するようだ。 妹の知夏がほんとに嫌な奴に描かれていて ちょっとかわいそうだった。 知夏にも優しさが伝染しますように。
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主人公の知世を中心にしながら、 妹や女友達それぞれの恋愛事情を描いた作品。 知世と友人二人は、 それぞれがキャリアを持ち 普通に恋愛経験を重ねながら気付けば30代シングルに! 知世の恋愛と結婚には、パートナーとなる男性の重い病気が関わっているのに、 決して暗いお話に終わらなか...
主人公の知世を中心にしながら、 妹や女友達それぞれの恋愛事情を描いた作品。 知世と友人二人は、 それぞれがキャリアを持ち 普通に恋愛経験を重ねながら気付けば30代シングルに! 知世の恋愛と結婚には、パートナーとなる男性の重い病気が関わっているのに、 決して暗いお話に終わらなかったのはどうしてだろう? と考えた。 二人の醸し出す穏やかな空気、 香る湯気まで感じられるくらいの料理の描写、 健康な恋愛や平凡な結婚にも潜む闇、 そこには二人だけを切り離して不幸に感じさせるものが無かったからだろうか。 そしてタイトルをもう一度見た時、 この小説のラストシーンに 知世と椎名さんの前向きな未来への希望が見えていたことを 改めて思い出した。 スプーンではなく尖った危険なフョークである事も 病気である事も 二人の夢と現実を決して切り離しはしないだろう。
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アラサーで仕事に恋に結婚にと、奮闘する女性の心情を描いている。この年代の女性の心情描写、人生は多様な生き方があるのは頭で解っているものの、結婚以外の正解がないのかともがく気持ちも感じられる。仕事と結婚どっちをとるのか揺らぐ心も感じ、一概に正解はないだろうと思う。昔は結婚したら退職...
アラサーで仕事に恋に結婚にと、奮闘する女性の心情を描いている。この年代の女性の心情描写、人生は多様な生き方があるのは頭で解っているものの、結婚以外の正解がないのかともがく気持ちも感じられる。仕事と結婚どっちをとるのか揺らぐ心も感じ、一概に正解はないだろうと思う。昔は結婚したら退職し、家に入る風潮であったが、今の時代は両立とか多様な選択肢もあり、良い事だけど、迷う部分があるのだと物語から受け取れる。不倫の問題なども映し出され、女性側だと不憫に感じる所もある。難病と闘う女性の話は前向きさもあって良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
椎名さんと知世の関係はとても良い感じで、読み始めは心地よく読み進める事が出来ました。 ただ、女友だちの言葉や行動がイライラの元。 椎名さんとの電話をかわってどんなつもりで付き合っているのか聞いたり、顔合わせした後で「セックス上手そう」なんて感想言うか?って。 途中でやめずに最後まで読みましたが、図書館に返す時まで「あんな女友だちいらんわ」と思っていて、返したらスッキリしました。
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どのキャラクターにも共感できるっていうのは 描き方がうまいのだろうなー。 とっても自然で。 私としては知世目線の妹は そうとう嫌なやつかと思ったけど 千夏目線で読むと なんだか一番共感できてしまった、不思議。 親からも、世間の目からも 自由に飛び立つ彼女たちに 憧れのため息が...
どのキャラクターにも共感できるっていうのは 描き方がうまいのだろうなー。 とっても自然で。 私としては知世目線の妹は そうとう嫌なやつかと思ったけど 千夏目線で読むと なんだか一番共感できてしまった、不思議。 親からも、世間の目からも 自由に飛び立つ彼女たちに 憧れのため息がでた。
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最初の方の二人の空気感がよく、それに惹かれてページを進めることができた。共感するところがあったものの、30代にしては、ピュアかなとも思いつつ(こんなもんなのかな)、そして、最後まで最初の空気が続かなかったので残念である、私にはそう感じた。友達の話とか、病気の問題があり(それが物語...
最初の方の二人の空気感がよく、それに惹かれてページを進めることができた。共感するところがあったものの、30代にしては、ピュアかなとも思いつつ(こんなもんなのかな)、そして、最後まで最初の空気が続かなかったので残念である、私にはそう感じた。友達の話とか、病気の問題があり(それが物語でもあるが)、食べ物の時の表現とか、それが続かなかったと。しかし、幸せそうな感じは伝わるし、まあ、素敵な表現がいくつかあり、うまくまとめたなという感じで、読んでよかった。他の作品も読んでみたくなりました。 椎名さんは優しく素敵だな〜。
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結婚適齢期の女性が年上のバツイチ男性と恋に落ちていくという、一見普通の内容に思えましたが、しかし男性は命に係わる難病だった。ただのお付き合いではなく結婚を視野に入れてお付き合する過程でそれぞれの心の揺れや葛藤や覚悟が心にズシンと響きました。最初から困難、と思わず心からこの人と一緒...
結婚適齢期の女性が年上のバツイチ男性と恋に落ちていくという、一見普通の内容に思えましたが、しかし男性は命に係わる難病だった。ただのお付き合いではなく結婚を視野に入れてお付き合する過程でそれぞれの心の揺れや葛藤や覚悟が心にズシンと響きました。最初から困難、と思わず心からこの人と一緒に過ごしたい、と言うお互いの気持ちが純粋で儚くて・・・。色々と考えさせられる内容でしたが、とても良い作品でした。
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ワーカーホリックなどと言われている三十歳の知世と、HIVという難病をかかえたバツイチの椎名さん。背負っているものは重いはずなのに、二人の日常が穏やかで本当に普通。おいしいものを食べ、お酒を飲み、旅行に行き、同じ景色を見て、共に生きていく。いいなあ。元妻の佳織さんも素敵な人だった。...
ワーカーホリックなどと言われている三十歳の知世と、HIVという難病をかかえたバツイチの椎名さん。背負っているものは重いはずなのに、二人の日常が穏やかで本当に普通。おいしいものを食べ、お酒を飲み、旅行に行き、同じ景色を見て、共に生きていく。いいなあ。元妻の佳織さんも素敵な人だった。 静岡大井川鉄道のSL列車が出てきたのがちょっとうれしい。読後感もよかった。
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久しぶりの島本さんの本。 読んでると こんな感じだったなと懐かしく感じた。 知世(ちせ)を含めた 周りにいる女性たちの恋愛 仕事 人生の物語。 知世の芯の強さが 惹きつけられた。 最後に出てくる夢の話が 素敵な終わり方だった。
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よかったー。この本。今まで読んできた島本理生さんの作品のなかで一番好き・・かも。 今までの島本理生さんとはちょっと違う感じがしました。 色々考えさせられるところや、どきっとした言葉もありました。人から見たらうまくいってそうな人でも悩むことや不安を抱えていて、どんな道を選んでもとに...
よかったー。この本。今まで読んできた島本理生さんの作品のなかで一番好き・・かも。 今までの島本理生さんとはちょっと違う感じがしました。 色々考えさせられるところや、どきっとした言葉もありました。人から見たらうまくいってそうな人でも悩むことや不安を抱えていて、どんな道を選んでもとにかく自分の選んだ道で必死にやるしかないんだなと思いました。
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