地球幼年期の終わり 新版 の商品レビュー
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『星を継ぐもの』に続くSF2作目でした。 「地球人を優に超越する科学力を持つ宇宙人が地球を統治する理由」という謎が、著者の圧倒的な想像力によって解明される点が面白かった。 人間の進化の到達点は「科学」であることが多いけれど、この本では「心」であった点も自分の想像を超えてきて面白かった。
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人類への愛と、それゆえの憐憫。子供を生み次世代を育てる意味。この二つをこの小説からは読み取れた。 SFは普段あまり読まないけれど、これの前に読んだ三谷さん著の戦略読書という本で、SFがこれでもかというほど勧められていたので読んでみた。 全章を通して緊張感があり、かつ謎解きの楽しさや科学の面白さ、そしてあっと驚かされる設定があり、それこそあっという間に読み終えた。 人類の進化が新たなフェーズに入り、主上心に取り込まれて地球が滅亡するあたりでは寂しさが勝ったが、著者の人類への愛をそこかしこに感じたからか、そこまで絶望感を覚えずにいられた。 また、宇宙という広い視点から人類を見ると、日々の活動のちっぽけさというものを思い知らされて、逆に安心した気持ちになったのも大きいかもしれない。 感想がものすごぐまとまってないが、とりあえず読後感を書き留めて置きたかった。 以下は自分の印象に残った文。 『ときどき、人間などというものは、結局は外界の峻烈な現実から保護され、隔離された運動場で自分たちだけで楽しんでいる子供のようなものではないか』 『あの子は玩具を置いていった、でもわれわれ二人は持っていこう 中略 われわれの宝を珍重してくれる者は、ほかにはもう二度と現れないのだ』 →子供を持つ身としては、とても心に残る場面だった。 『しかし彼らの存在は、けっして完全に無駄に終わったわけではない』 『去っていった子供たちにとって代わる子供はひとりも生まれなかった 中略 ホモ・サピエンスとしての人類は絶滅したのだ』 →子供を産み育てるということがどういうことなのか、いつも考えているが、確かに全人類の子供がいなくなったら、きっと生きていく意味を人類は失うのかもしれない。そう思うだけで、子供を育てることへ意義を見いだせた気がする。 『いつかきっと孤独が彼を圧倒するだろう。音楽はそれへのお守りのようなものだった。』 進化とは断絶である…他の方の抽象化
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個人的にSF小説に求めるものは、論理に裏打ちされたハッタリとか、度肝を抜かれるような発想とかなんだけど、「地球幼年期の終り」は、その意味では少し期待はずれだった。 宇宙人が来襲して人間がやたらと平和になっちゃうとか、宇宙人が人間で言う悪魔の姿をしているとか、その姿を恐れる理由が未来の記憶だったのだ、というところは面白かった。あと、カレレンのスタイングレンとの友情?も。 ただ主題というかオチがうーん。人類の進化というのが、それ進化ですか?という気がするし。人間って群体の多様性が一番の強みのような気がするんだけど(鋼鉄都市とかだとそんな話だし)。 あとカレレン以下上主はとんでもない知性の持ち主とされているけど、作中の描写ではそう感じられない。本がたくさん読めるとか、なめらかに異星語が話せるとか、そういうものではなく、創造性が感じられるエピソードがなかった。これはカレレンたちが主上位に服従してるせいなのかも。 解説にもあったけど、今作での進化は、現在の人間の延長線上にはなく存在そのものの変化に近くて、その意味で人類の未来はどうなる?的な思考実験にもいまいち。とりあえず宇宙人は余計なことしないで自分たちの進化を追い求めててください。
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1979年、高校1年の時、朝の5時まで読み耽った、人生初の徹夜本。 早川版がまだ文庫化されておらず、近所の書店にこれしかなかった。
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★ゼロです。ごめんなさい。テッド・チャンの「息吹」といい、私にはこの手の虚構を理解し楽しむ知力が足りない。
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しばらく前に買ったまま積ん読だった一冊。 積ん読って数年後、何でもないときに「時は満ちた」状態になって、すっと読めてしまうから不思議よな。 買ったからってすぐに読まなくてもええんやで。
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地球の最期と人類の最期が、圧倒的な想像力と筆致で描かれる。 上主・オーバーロードと主上心・オーバーマインドの関係も不思議と納得させられる。オーバーロードには子供が生まれない…。 1人残ったジャンや、最初の新人類の親のジーンとジョージが何だか哀しい…いや、全体的哀しいけどw
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『幼年期の終わり』の放題のもの、創元推理文庫の『地球幼年期の終わり』、そして創元SF文庫のこれ…現在我が家に3冊もあることを確認した。。。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
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さすがSF代表作…一見長い話だが、三部に分けられており、それぞれに終着があるので読みやすい。 まずこれが60年以上も前に書かれていることに驚きだ。この小説があったからこそ、今のSF小説の大半があることを実感している。SFの教科書のようで、それ以上のものだ。主人公は果たして、人類だ...
さすがSF代表作…一見長い話だが、三部に分けられており、それぞれに終着があるので読みやすい。 まずこれが60年以上も前に書かれていることに驚きだ。この小説があったからこそ、今のSF小説の大半があることを実感している。SFの教科書のようで、それ以上のものだ。主人公は果たして、人類だったのか、<上主>だったのか。
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選ぶのがなかったので新版にしたが、実際は旧版を読んだ。大学時代に初読し、ずいぶんあいてから再読して受けた印象が全然違っていた。ずいぶん深い意味がありそうでまた読みたい。
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