みみずくは黄昏に飛びたつ の商品レビュー
川上未映子さんのことは全く知らなかった。読む前に少しだけ調べた程度。 村上春樹さんの作品は何冊も読んでいて、彼がどのようなプロセスを経て作品を書き上げているのか知ることができた。 おもしろかったのは、村上さんは小説を書くとき、文体が何より大切だと仰っていたこと。その理由は、文体が...
川上未映子さんのことは全く知らなかった。読む前に少しだけ調べた程度。 村上春樹さんの作品は何冊も読んでいて、彼がどのようなプロセスを経て作品を書き上げているのか知ることができた。 おもしろかったのは、村上さんは小説を書くとき、文体が何より大切だと仰っていたこと。その理由は、文体が物語を自由に紡ぎだしていくからだと。その感覚は、スポーツでも同じように言えるのではないだろうか。自由な動きをできる筋肉や関節や神経を持っていると、偶発的にしか発見できないより高いパフォーマンスを見つける可能性が高くなることに似ている。 そして、『小説を書く「技術」は偶然を起こしやすくする』という趣旨の発言もあり、これもスポーツと同じ。 技術や知識をもとに試行錯誤することで、自分に合った動作を獲得する可能性を高めることができる。 小説を書いたことはなくとも、まるで小説家になったような思考を辿ることができる、新鮮で刺激的なインタビューだった。こんな本に出会えること、それは、学校ではなかなか話せない好きな女の子と夜道にバッタリ会えて、おしゃべりできるくらい珍しくて幸せなこと。 もし、あなたが仕事とその責任の重さに忙殺される大統領秘書ではないのなら、ぜひ一読する価値はある。 ↑村上春樹の文章を書くときのポイントを参考にしてみた。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23577697
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「女性が性的な役割を担わされ過ぎてないか」 この問い、まさにずっと聞きたかったことだった。 「村上作品における女性」といっても一人一人違う、というのは確かにそうだけど、たまたまじゃないかと言われてしまうとガクッとくる。 「男って基本的に馬鹿なんです」って言葉は、男性だからこそ...
「女性が性的な役割を担わされ過ぎてないか」 この問い、まさにずっと聞きたかったことだった。 「村上作品における女性」といっても一人一人違う、というのは確かにそうだけど、たまたまじゃないかと言われてしまうとガクッとくる。 「男って基本的に馬鹿なんです」って言葉は、男性だからこそ安心して発せられる言葉だと思う。 もし女性が「女って基本的に馬鹿」なんて言ったら、その瞬間に今まで獲得してきたものが損なわれる。 何だか全然納得できなかった。 川上さんは読み手としてどう折り合いつけてるのか、そちらの方も聞いてみたい。 文学における悪の追求から、政治的なメッセージを物語というパッケージに置き換えることで想定問答集を超えることができるという物語の力については面白く読んだ。
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読むのにだいぶ時間がかかってしまった。 辛いことに遭った人をネタとして使わないために、それらを題材にしたフィクションは作らないって話、 わたしはそういう本も読んでるけど、スタンスとして村上春樹はとてもいいなと感じた。
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「職業としての小説家」「騎士団長殺し」が出たころに行われたインタビュー。川上さんの本は読んだことはないので、どういう方かはよくわからなかったのですが、このインタビューで、村上さんのファンであることがハッキリわかりました。先輩作家と若手作家、むしろ父と娘みたいな雰囲気の会話か。 あ...
「職業としての小説家」「騎士団長殺し」が出たころに行われたインタビュー。川上さんの本は読んだことはないので、どういう方かはよくわからなかったのですが、このインタビューで、村上さんのファンであることがハッキリわかりました。先輩作家と若手作家、むしろ父と娘みたいな雰囲気の会話か。 あらかじめ筋を考えず、エゴのさらに奥、無意識から生まれる物語を描くという村上さん。これは、「職業としての小説家」でも語られていました。本当にそれで、こんな面白い作品が描けるものなのだろうか。村上さんの人となりが浮かんでくる、ファンにはたまらない作品だと思います。
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村上春樹君が素直にしゃべっているのが不思議。話を聞いている川上さんに好感を持って、彼女の小説を読みはじめてしまった。 追記2019・10・14 川上さんたちの小説と村上春樹君の小説の、微妙な「差異」が、明らかにされているのではなかろうか。そんなことを考えた。ブログに書き始めた...
村上春樹君が素直にしゃべっているのが不思議。話を聞いている川上さんに好感を持って、彼女の小説を読みはじめてしまった。 追記2019・10・14 川上さんたちの小説と村上春樹君の小説の、微妙な「差異」が、明らかにされているのではなかろうか。そんなことを考えた。ブログに書き始めたので、よろしければ、どうぞ。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201910140000/
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読了。とても、刺激的なインタビューだった。おもろかった。 川上の斬れ味鋭い質問に、終盤村上春樹がしんどくなってきてるのがヒシヒシと(笑)
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川上未映子が村上春樹に2015年から2017年にかけて、計4回ロングインタビューしたものをまとめたもの。ハルキ作品は最近(殆どと言うべきか)読んでいないのだが、面白い。
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いや、もう圧巻としか言いようがなかった。 芥川賞作家であり、村上春樹さんの熱心なファンでもある川上未映子さんによる、村上春樹さんへのインタビュー。 綿密な事前準備をして、ファンであるからこそ聞きたいこと、そして作家として聞きたいことをみごとに聞く(というか畳みかける!)川上未映...
いや、もう圧巻としか言いようがなかった。 芥川賞作家であり、村上春樹さんの熱心なファンでもある川上未映子さんによる、村上春樹さんへのインタビュー。 綿密な事前準備をして、ファンであるからこそ聞きたいこと、そして作家として聞きたいことをみごとに聞く(というか畳みかける!)川上未映子さんのインタビュアーとしての力と、インタビュアーに触発されたにせよ、こんなにも洗いざらい話していく村上春樹さんのサービスっぷりに驚いた。 そして、村上春樹さんが過去の作品を読み返さず、下手すると登場人物の名前もあやふやだったり(それを川上さんにつっこまれる)、とにかく浮かんだものを物語の中に取り込んでいくので、たとえば「騎士団長殺し」の「イデア」がプラトンのイデアとは関係がないと言い切っていたり(!)、読んでいて「えぇ?それはないでしょう、そうやって読者を煙に巻いているだけなのでは?」と最初は思っていたけれど、読み進むにつれて、それが村上春樹さんのスタイルであり、小説の作り方なんだな、ということが見えてくる。 だから、いろいろ不思議な非現実的な要素がたくさん出てくる小説に関して、これはどういう意味でどういう解釈なんだろうかというのには本当に答えがなく、ただ「地下2階」に降りていくだけなんだという、わかったようなわからないような、でも読んでいるときの心地よさはこれか、と腑に落ちる感覚。文体にも、村上春樹さんのサービス精神が盛り込まれていたんだな。だからこそ惹きつけられた。 このインタビューの熱量が強すぎて、一度にたくさん読むことができず、少しずつ少しずつ読みすすめて、何カ月かかかってようやく読了。作家 vs 作家のやりとりは、時として素人の一読者には消化不良となるので、ゆっくりと。出てくる小説で内容を覚えていないものについては本棚をひっくり返してさらっと読んだりしつつ。 村上インダストリーのガチョウは、これからどんな物語を見せてくれるのだろう、楽しみは尽きない。
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騎士団長殺しのあとのインタビューを主に纏めた本 村上春樹本はほぼ全て読んでいるし、、、なのだがなんでこのインタビュー本にそこまでぐっとこなかったのだろう。 もう少ししてまた読んで考えるしかない。
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