西の魔女が死んだ の商品レビュー
すごくうつくしい装丁で、西の魔女がまたよみがえったね。 その後のモノローグも、まいの視点ですすむ短いお話も、最後の、 魔女のお話も、自分にとってとても大事なもの。 すごくたいせつな一冊ができた。
Posted by
中学生時、からくりからくさやりかさんの後に読んでいたため、あまりそこまで自分に響かなかった作品なのですが。 今読むと...おばあさんの素敵加減に感服です。生活力...大事。とりあえず皿拭き専用のふきんがほしくなりました。 なんであまり響かなかったのかといえば、当時は素敵な英国生...
中学生時、からくりからくさやりかさんの後に読んでいたため、あまりそこまで自分に響かなかった作品なのですが。 今読むと...おばあさんの素敵加減に感服です。生活力...大事。とりあえず皿拭き専用のふきんがほしくなりました。 なんであまり響かなかったのかといえば、当時は素敵な英国生活がまーったく想像できなかったためで、あ、ちょっとは成長したのかな、と思わせてくれました。 以前の短編集と同じく、とても素敵な、単行本でもほしくなる装丁。もしかしてからくり~やりかさんも出てるのか!と思ったら、この二冊だけのよう。残念。
Posted by
梨木香歩を読む人ならば、おそらく最初のうちに読んだであろう作品を今読む。 むずかしい時期の女の子にとって、母親よりも理解してくれそうな、あるいは余計な詮索をせずに愛情だけを注いでくれる存在…それが祖母だろう。 一世代置くことによって、「育児の直接的な責任」を問われないからお互い...
梨木香歩を読む人ならば、おそらく最初のうちに読んだであろう作品を今読む。 むずかしい時期の女の子にとって、母親よりも理解してくれそうな、あるいは余計な詮索をせずに愛情だけを注いでくれる存在…それが祖母だろう。 一世代置くことによって、「育児の直接的な責任」を問われないからお互いに気が楽な面があるのだ。 学校が苦痛を生み出す場所でしかなくなってしまった「まい」は、祖母のもとで過ごすこととなる。 祖母は英国人で、ナチュラリスト。 日本人独特の慣習にとらわれない考え方と、自然に寄り添う暮らしを教えてくれる。 この流れは、それほど珍しいものではないかもしれないが、舞台が外国のファンタジー世界であるかのような描写が美しい。 そこに一点のシミのような下世話な存在「ゲンジさん」が、これがおとぎ話の世界ではないことを思い起こさせる。 まいとおばあちゃんのお話ではあるが、「ママ」の存在も、考える余地がある。 まいの年齢では何かコメントできることもなく、ただ、「あったこと」「聞いた会話」として書かれているが、ママは、おばあちゃんの娘として、母親に対する生の感情があるのだ。 まいには見せない、「娘としての」母親への反発や生き方への方向性の違い。 特に、ママは日本人と英国人のハーフだ。 まい以上に生き辛い少女時代を送ったのではないか。 おばあちゃんも、国を捨てるようにして、日本人のお祖父ちゃんと結婚した。 親に反対されたわけではないけれど、新婚旅行と、両親が亡くなった時しか帰国しなかったというのは相当な覚悟があったに違いない。 おばあちゃんにとっては、異国の地で頼りになるのはお祖父ちゃんだけだったのだろう。 単なる愛情以上の、哀惜の念を見るにつけ、そう思う。 まだまだ読みどころのある作品なのだと思う。 『西の魔女が死んだ』 『ブラッキーの話』 まいやママを守ってくれた、おばあちゃんのところで飼っていた大きな黒い犬。 ブラッキーを穏やかに死なせてあげられなかったママの後悔と、解放。 『冬の午後』 まい、小学校六年生のとき。 「眠れる森の美女」の二人の魔女。 呪いを掛ける魔女と、それを解かないけれど希望を与える魔女。 『かまどに小枝を』 まいが去ったあとの、おばあちゃんの静かな日々。
Posted by
自分で本を買うことができるようになり、自宅の本棚に人生にとって大切だった本をさしておきたいと思うようになった。文庫は持っているのだけれど、できればハードカバーも、と思っているうちにこの本が発売された。私はたぶん梨木さんとは違う資質の女だけれど、それでもこういう本が必要になるときが...
自分で本を買うことができるようになり、自宅の本棚に人生にとって大切だった本をさしておきたいと思うようになった。文庫は持っているのだけれど、できればハードカバーも、と思っているうちにこの本が発売された。私はたぶん梨木さんとは違う資質の女だけれど、それでもこういう本が必要になるときがありますよ、と伝えたい。知床で銀龍草を見つけて、おじいちゃんの花だ!と気づいたときの喜びを思い出す。
Posted by
何度も読んだけど、また手に取ってしまった。大好きな作品。 書下ろしの「かまどに小枝を」は、まいのおばあちゃんのお話しです。 読んだことがない作品が2本も入っていたので大満足の1冊。なかでも、まいのママがこどものころに飼っていた犬の「ブラッキーの話」は泣けた。小学六年生の教科書に収...
何度も読んだけど、また手に取ってしまった。大好きな作品。 書下ろしの「かまどに小枝を」は、まいのおばあちゃんのお話しです。 読んだことがない作品が2本も入っていたので大満足の1冊。なかでも、まいのママがこどものころに飼っていた犬の「ブラッキーの話」は泣けた。小学六年生の教科書に収録されているんですね、泣いちゃうな。。。 西の魔女が死んだほど、こどもも大人も泣ける愛される本をいまだにわたしは知りません。
Posted by
西の魔女の言葉は最後まで「狎れ」は発生しなかった。 そして彼女の言葉には言霊が宿っていると思う。 一度口から出た言葉を戻す事は出来ない。 言葉も、生活も、周りの人も大切に丁寧にしていきたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
装丁がシンプルでとても素敵。 西の魔女が死んだは以前も読んだことありましたが、未読の短編がのっててうれしかった。どの話もじゆわり沁みる。 文庫版に乗ってる分も、あわせてはいっててほしかったなぁ。 アイ・ノウ、て言ってほしい。
Posted by
生きていきにくい質、ということを言われたことがある。普通の人が普通にできることができない。大多数の人が感じるのと同じようには、感じない。まいよりは遥かにおばあちゃんに近い年齢なのに、自分の生きづらさにばかり目が行ってしまった。
Posted by
愛蔵版。 今の私に必要な物語。まいとおばあちゃん、それぞれの短編も織り込まれている。 まいのおばあちゃんのように、大きな愛情をかけられるような大人になりたい。 じわじわと心の中に温かいものがしみこんでくる。 ゆっくりじっくり何度でも読み返そう。 この生きずらい社会で生き抜...
愛蔵版。 今の私に必要な物語。まいとおばあちゃん、それぞれの短編も織り込まれている。 まいのおばあちゃんのように、大きな愛情をかけられるような大人になりたい。 じわじわと心の中に温かいものがしみこんでくる。 ゆっくりじっくり何度でも読み返そう。 この生きずらい社会で生き抜いていかなくてはいけない小さな人たちのエールになったらいい。 そして!装丁と帯がとても素敵!ずっと手元に置いておきたい1冊。
Posted by
初読みの「西の魔女が死んだ」だった。 評価が高かったのは知ってたし、いつか読みたいと思っていた本作。 シンプルな装丁なのに、なぜか心惹かれ、愛蔵版ということで購入。 とても良かった。 忘れていた気持ちが蘇り、読んで本当に良かったと思える一冊だった。
Posted by