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パリ行ったことないの の商品レビュー

3.5

99件のお客様レビュー

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2023/04/16

その只中は目の前のことしか見えず、深く考える間もなく通り過ぎて行くけれど、あとあと記憶に残り思い出として刻まれる、特別な時間というのがある。日々起こるたいていのことは忘れていく。でも人生の中にぽつりぽつりとそういう特別な時はあって、ふとした瞬間に思い出し、しばし心を奪われた。毎日...

その只中は目の前のことしか見えず、深く考える間もなく通り過ぎて行くけれど、あとあと記憶に残り思い出として刻まれる、特別な時間というのがある。日々起こるたいていのことは忘れていく。でも人生の中にぽつりぽつりとそういう特別な時はあって、ふとした瞬間に思い出し、しばし心を奪われた。毎日は駆け足で明日へ明日へと進むけれど、そういう記憶に残った思い出たちが、飛び石みたいに自分の来し方をしっかりとマークしてくれているのだ。これがあなたなんだよ、と。 山内マリコ好きだ。この本は個人的にとても好きだ。パリに行きたい、またはパリに行こうかしらと思う女性たちの話。それぞれ理由をつけて行ってなかったり興味なかったり。でもみんな、最後はパリに行こうかなって思う。これを大学時代に読んでたら、私の学生生活はちょっと違っていたかもしれない。まず卒業旅行はパリにしただろうな。あと海外旅行にもっと行ってたかも。なんだろうな、「一歩」踏み出すきっかけをくれる。 一部では「一人でも行くわ」と「わたしはアナ」がめっちゃ好きで、謎に泣いて、二部の「わたしはエトランゼ」読んで、もうこの本の中の作品すべて好きになった。最後めっちゃいいわ…。みんなちゃんと来てた…すごい泣けた…。幸せすぎて泣けた。なんて素敵な瞬間。こんな瞬間が人生で一度あればいい。必ず自分の中の何かになる。山内マリコすごい好きだわ。映画とか音楽とかの固有名詞めっちゃ出てくるのすごい。どんだけ作品を楽しんできた人なんだろう。どんな人なんだろう。すごく女性の味方だなと。すぐに読めちゃうし、なんか本当に好きだ、この作品。

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2023/03/05

パリはおしゃれな街で女性の憧れというイメージが強い。私が初めてパリに行ったのは18歳の頃。今となっては記憶も薄くなっているけど、飛行機から見るパリの煌びやかな夜景は今でも覚えてる。そろそろもう一度行って特別な時間を過ごしたいな。

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2023/02/27

パリに憧れたり、行くことになった人たちのお話。各話の主人公の名前がみんなひらがなか、カタカナ。なんでだろう?1話が10ページほどで読みやすい。 旅行に行く前のワクワクを思い出して、旅行に行きたくなる。でも、行きたいと思ったときからもう旅は始まっていて、また、ガイドブックを読んだり...

パリに憧れたり、行くことになった人たちのお話。各話の主人公の名前がみんなひらがなか、カタカナ。なんでだろう?1話が10ページほどで読みやすい。 旅行に行く前のワクワクを思い出して、旅行に行きたくなる。でも、行きたいと思ったときからもう旅は始まっていて、また、ガイドブックを読んだりするだけでも十分旅なんだなと思った。 パリには私も憧れがあるけど、理想化しすぎない現実的なパリも描かれている(「風呂嫌いの聖地パリ」という一面まで!)。 パリに着いた途端、これまで心の中にあったパリはなくなってしまった、というようなセリフがあって、その感じ、よくわかるような気がする。 本や映画などでも、あらすじや人の感想だけを読んで頭の中でイメージした物語があって、実際読んだり観たりすると、ちょっと思ってたのと違ったり…それはそれでいいんだけど、でも、脳内にあった妄想作品はやはりなくなってしまって、ちょっともったいない、というような。 私の好きなすーちゃんシリーズの『すーちゃんの明日』がちらっと出てきて嬉しい。

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2023/02/23

軽やかにテンポ良く、良い感じの話をいい感じの長さで摂取できて、心地よい。 短編集で、次の人の話になってもすぐに没入できる不思議な感覚。 皆それぞれ悩んだり、モヤモヤすることもあるけれど『パリ』を通してそれぞれの未来を向いていて、スッキリする。 ワコちゃんの最後は思わず笑った。ちょ...

軽やかにテンポ良く、良い感じの話をいい感じの長さで摂取できて、心地よい。 短編集で、次の人の話になってもすぐに没入できる不思議な感覚。 皆それぞれ悩んだり、モヤモヤすることもあるけれど『パリ』を通してそれぞれの未来を向いていて、スッキリする。 ワコちゃんの最後は思わず笑った。ちょうど良い笑いだった。 一貫して消極的だったあゆこさんが、突然 『三十五歳にもなって、まだ十代みたいなことを言っている自分。五年後は四十歳なのに。そのうち死ぬのに。わたし、パリにすら行かずに、死んでもいいと思ってたの?』 と、はたと気がつくシーンは、なんだか無性に『これは、、良い!』と感じた。

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2023/02/06

結構好きな感じだった。  私自身、フランス文化が好きで大学ではフランス語専攻であるが故、冒頭であゆこが「アンスティチュ・フランセ」に足を運ぶシーンは思わず自分を重ねてしまった。  この本では様々な女性の視点からフランス・パリへの憧憬が描かれているが、どの章も「決して綺麗なだけでは...

結構好きな感じだった。  私自身、フランス文化が好きで大学ではフランス語専攻であるが故、冒頭であゆこが「アンスティチュ・フランセ」に足を運ぶシーンは思わず自分を重ねてしまった。  この本では様々な女性の視点からフランス・パリへの憧憬が描かれているが、どの章も「決して綺麗なだけではない現実のパリ」が描かれているのが良いと思った。それと同時に、「実際のパリが思い描く場所ではなかったとしても、なんやかやで愛着が湧いてしまう」という節があったのも良かった。現実のパリがどれだけ汚くて臭かろうが、私達の「心の中のパリ」で美しく豪華絢爛なエッフェル塔、美術館、美味しいクロワッサン、お洒落なパリジェンヌを思い描いても良いじゃないか。それが幻想であったとしても。そう思わせてくれる作品だった。 私も今後パリに行くことになり、タバコのポイ捨てやスリに幻滅するのだろうが、それでも私のパリの美しい景観やルーヴルにある美術品やヴェルサイユ宮殿への想いは変わらないであろう。

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2024/08/25

憧れの街に来て、そして運良く住めることになったとしても、それで慣れ親しんだ私自身が変わってくれるなんて、幻想かもしれない。でも、そんな停滞期の処方箋の一つは恋人と別れたり、新しい恋人を作ってみること。それは昔からなんとなく言われてきて、ある程度の破壊力と効果を持ち合わせてると思う...

憧れの街に来て、そして運良く住めることになったとしても、それで慣れ親しんだ私自身が変わってくれるなんて、幻想かもしれない。でも、そんな停滞期の処方箋の一つは恋人と別れたり、新しい恋人を作ってみること。それは昔からなんとなく言われてきて、ある程度の破壊力と効果を持ち合わせてると思う。 街に人格があるとしたら、パリはお洒落で茶目っ気があって、でもいつも行き当たりばったりなひと。小説に出てくる女性たちは長い間時間をやり過ごしてきたような、映画「わたしは最悪」でいうところの「ずっと観客席にいた」、少なくともそんな気持ちが拭えないまま日常を重ねてきた人たち。パリにいかなくたっていい、ずっと憧れているだけでもいい。でも、運命的なふたりが偶然出会ってしまった、そして通じ合ってしまったときの科学反応みたいなものが街と人にもあるとして、それを生身の自分で確かめにいくことってきっと無駄じゃないと思う。

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2023/01/07

 様々な年齢、性格の人が様々なきっかけからパリに興味を持ち、パリにて出会うまでの短編小説。思い立ったが吉日。実際に行動に移すことができた人たちだから、あの空間を過ごせたのだなと思うと少しうらやましかった。  セ・ラ・ヴィ(これが人生さ) p127「なんにもないから、どこにでも行...

 様々な年齢、性格の人が様々なきっかけからパリに興味を持ち、パリにて出会うまでの短編小説。思い立ったが吉日。実際に行動に移すことができた人たちだから、あの空間を過ごせたのだなと思うと少しうらやましかった。  セ・ラ・ヴィ(これが人生さ) p127「なんにもないから、どこにでも行けるんだよ」

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2023/01/07

山内マリコさん初読み。 コロナ禍で海外旅行なんて行けるとしてもまだ先だろうなって思ってるからか、あんまり海外の事とか最近見てなかった。 この本を読んで、一気に海外行きたくなった。いや、まだ行けなくても行きたい国のこと調べておきたいってなった。 わたしはアナの2人が微笑ましくて好...

山内マリコさん初読み。 コロナ禍で海外旅行なんて行けるとしてもまだ先だろうなって思ってるからか、あんまり海外の事とか最近見てなかった。 この本を読んで、一気に海外行きたくなった。いや、まだ行けなくても行きたい国のこと調べておきたいってなった。 わたしはアナの2人が微笑ましくて好き。

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2022/11/10

色々な背景をもつ年齢も様々な女性がパリのツアーに参加する話。 登場するどの女性も自分と重なる部分があるだけに、気付けば感情移入していた。 それを狙った人物像に設定しているのだろう。

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2022/11/07

なんでか分からないけどアラサーくらいの女の人ってパリとか京都とか好きよね。私はフランス人(男性)のあのノリが苦手なので小説や映画で楽しむくらいでちょうどいいかな。 解説でPagodeという映画館が実際にあることを知りました。

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