貘の耳たぶ の商品レビュー
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芦沢央9冊目。今回もイヤな汗を出しながら一気に読み終えた。主人公の石田繭、不安が強く子どもを産めるのか、育てていけるのか自信がない。繭と母親との微妙な関係性がさらに自信欠如を助長する。出産後、自分の子どもの出生体重が軽いためママ友の子どもと交換してしまう。子ども交換が4年後に発覚し、2家族を巻き込む問題に。繭の子どもとママ友の子どものやるせない気持ちと、子ども2人の人生を大きく変えてしまった繭の責任はあまりにも大きい。繭の生い立ち、母親との確執から自己を持てない・幼稚な女性を表現し、終始ゾワゾワでした。
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読んでて辛かった…。忘れていた乳児との暮らしがまざまざと蘇る。我が子をわざと取り違えた繭子に誰も救いの手がなかったのが苦しい。いや、手は差し出されてて、でもタイミングや何かでうまく受け取れなかったたけなのかも。 結局人の気持ちは他人には分からず、とばっちり受けるのは子供。 はーつ...
読んでて辛かった…。忘れていた乳児との暮らしがまざまざと蘇る。我が子をわざと取り違えた繭子に誰も救いの手がなかったのが苦しい。いや、手は差し出されてて、でもタイミングや何かでうまく受け取れなかったたけなのかも。 結局人の気持ちは他人には分からず、とばっちり受けるのは子供。 はーつらかった
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自分が産んだ子どもを自ら他人の子どもと取り替える気持ちが全く理解できなくて、こーだろーかあーだろーか想像してみたけれど、これこそが小説を読む醍醐味。想像して、現実にもこういう人がいるかもと思ったら自分の視野が広がる気がする。 取り違えられたほうの親の気持ちになって、自分だったらどうするだろう?と考えたけれど、4年間育てた子どもを手放すことなんてできるわけない!という結論。たとえこの先の人生の方が長くて、最初の四年の記憶が本人にとってはほとんどなくなるとしても。 取り替えたほうの親は、子どもといつか別れる時が来ると考えながら日々を過ごした。死と一緒で、限られた時間であることを意識すると日々の何でもないことが大切なものだと感じるのだと思うと、自分もそう思って毎日を過ごそうと思った。
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繭子と郁恵 置かれている環境も考え方も違う二人 お互いの視点で読めるのがいい 相手が良さそうにみえて、できない自分を責める気持ちが丁寧にかかれていて、まるで自分ごとのように思えた 感情的に駆られて繭子が取り替えたために 璃空、航太、そして両親が祖父母が傷ついて取り返しがつかない事...
繭子と郁恵 置かれている環境も考え方も違う二人 お互いの視点で読めるのがいい 相手が良さそうにみえて、できない自分を責める気持ちが丁寧にかかれていて、まるで自分ごとのように思えた 感情的に駆られて繭子が取り替えたために 璃空、航太、そして両親が祖父母が傷ついて取り返しがつかない事態になってしまった。 でも繭子も育児に対する不安が大きすぎたのか... 闇が深いなぁと思う
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何と切ないストーリー。前半部分は繭子への腹立たしさばかりで嫌な本を読んでしまったと思っていたが、後半部分の実のこと育ての子に対する親の想いにはぐいぐいと引き込まれてしまった。ただ…誰にも幸せが。
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前半は取り替えた側の繭子視点,後半は取り替えられた方の保育士郁絵視点.どちらも子育てという点でとても面白かったが,つい出来心のような取り替えがなぜ起きたのかという闇があまり理解できなかった.どちらかというと繭子の家の方が金持ちのようにみえるし子育ての不安の産後鬱だったとしてもそこ...
前半は取り替えた側の繭子視点,後半は取り替えられた方の保育士郁絵視点.どちらも子育てという点でとても面白かったが,つい出来心のような取り替えがなぜ起きたのかという闇があまり理解できなかった.どちらかというと繭子の家の方が金持ちのようにみえるし子育ての不安の産後鬱だったとしてもそこまでするかな,また,最後の結末にも不満が残った.
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*自ら産んだ子を自らの手で「取り替え」た、繭子。常に発覚に怯え、うまくいかない育児に悩みながらも、息子・航太への愛情が深まる。一方、郁絵は「取り違えられた」子と知らず、保育士として働きながら、息子・璃空を愛情深く育ててきた。それぞれの子が4歳を過ぎたころ、「取り違え」が発覚。元に戻すことを拒む郁絵、沈黙を続ける繭子、そして一心に「母」を慕う幼子たちの行方は…。切なすぎる「事件」の慟哭の結末。渾身の書き下ろし! * こんなことは絶対にあってはならないことです。それが大前提ですが・・・私も、いつも思っていました。恐ろしくはないのか?と。なぜ、みんな当たり前のように、幸せそうな顔をしたまま自然に母親になれるのか、と。 出産や育児そのものへの恐れや不安はもとより、善意と言う名の自分の価値観を押し付けてくる「先輩」方の棘の痛さ。過敏になった神経を逆なでされ、追い詰められていく繭子の焦燥感が痛いほど伝わってきます。たった一人でも、たった一言でも、繭子を救ってくれる何かがあれば良かったのに・・・ ラストは、この物語においては最上の締めくくりかと思いますが、どこにも持っていきようのないやるせなさが身に染みます。子どもを持つ、と言う世界の一端を深く考えさせられた本。
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辛くて読むのをやめようかと何度も手をとめる。 誰も頼る人がいない中での育児の不安、子どもが産まれたからとらいって、突然母親になれるわけではない。でも、自分の子と他人の子を取り替える、その子を育てる、理解ができない。子どもがかわいそうだった。
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1年前に帝王切開を経験した自分としては考えさせられることも多かった。 自分の場合は一人目に普通分娩、二人目で帝王切開とどちらも経験しているからどちらでも大差無いことは知ってるけど、一人目で帝王切開だったら周りの人や子どもに負い目や申し訳ない気持ちを持つこともあったかもしれない。 とはいえ、繭子に共感は出来ないし、衝動的とはいえ子どもを捨てた行動も擁護は出来ない。 前半はイライラする部分が多くてなかなか読み進める事が出来なかった。 初めての授乳のシーン、イヤイヤ期を迎えた子どもとの会話などの描写はとてもリアルで「そうそう、こんな感じだった」と頷いた。 取り違えが発覚した後の後半は読むのがつらくて、でも読まずにはいられない…といった感じ。 対照的な二人の子ども、でもどちらもお母さんが大好きなことは一緒で、そのひたむきさや健気さに泣きそうになった。 ラストは「まぁそうなるよね」という感じ。繭子のしたことが明るみに出ないで交換することは許されないだろうし、バレたらそのまま繭子が育てられる訳もない。 でも自分だったらどういう選択をするんだろうなぁ…。 お母さんと引き離された航太。璃空だってこれまでと同じで居られる訳じゃない。いつか真実を知るときが来るだろうけど、ただそれでも二人が幸せであればと…。 蛇足だが読み終わって自分の耳たぶとおっぱいを触り比べたのは私だけじゃないと思う。
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2020.05.読了 早く文庫にならないかなぁー。とずっと楽しみに待っていた作品。 芦沢央作品、ぞくっとしちゃう内容でいつもさむ〜くさせてもらっているので今回も。。。 と凄い期待で手に取りました。 確かにおそろしい題材です。大問題です! でも、いつものサァーーー〜って感じに欠ける...
2020.05.読了 早く文庫にならないかなぁー。とずっと楽しみに待っていた作品。 芦沢央作品、ぞくっとしちゃう内容でいつもさむ〜くさせてもらっているので今回も。。。 と凄い期待で手に取りました。 確かにおそろしい題材です。大問題です! でも、いつものサァーーー〜って感じに欠けるというかキレがないというか。。。 読み始めは、ぜったい星5ツだもんねーと思っておりましたが結果は3ツ。 まったく面白くないとかつまらないとかいうわけでもなく。 でも、なんか物足りなさを感じてしまいました
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