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若冲 の商品レビュー

3.8

48件のお客様レビュー

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2024/10/01

表紙にある「若冲」のタイトルとニワトリの絵、有名な画家とその作品という朧げな記憶から本書を手に取りました。 青物問屋の跡取りが早々に隠居して絵描きに没頭し、描く絵画は奇想天外な発想と細微を極める表現力によって他を圧倒する。芸術家にありがちな気風かと思えば、お家のピンチには絵筆を置...

表紙にある「若冲」のタイトルとニワトリの絵、有名な画家とその作品という朧げな記憶から本書を手に取りました。 青物問屋の跡取りが早々に隠居して絵描きに没頭し、描く絵画は奇想天外な発想と細微を極める表現力によって他を圧倒する。芸術家にありがちな気風かと思えば、お家のピンチには絵筆を置いて奔走するユニークな存在で何処までが事実なのかと思います。その若冲さんに対して怨みと怒りを力に変え見事な贋作を描いて執拗に絡む義弟の源蔵。この構図を中心に若冲さんの世界が広がってゆきます。読み進めるにつけ原画を見てみたくなります。恐らく主人公のこだわりが怒涛のごとく押し寄せてくるに違いありません。とても面白い作品でした。

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2024/09/26

読み進めていくと 登場人物の動きが目に浮かび、セリフが聞こえてくるような作品でした。 史実のとおりではないようですが、 このような生き方から 若冲の絵がうまれたという物語は、小説としておもしろいと思いました。

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2024/09/19

(「BOOK」データベースより) 京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門ー伊藤若冲は、妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁らとの交流、また当時の政治的背景か...

(「BOOK」データベースより) 京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門ー伊藤若冲は、妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁らとの交流、また当時の政治的背景から若冲の画業の秘密に迫る入魂の時代長篇。

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2024/07/30

面白かった あとがきで、若冲に妻がいたことは史実ではなく澤田さんの脚色であることを知った 小説家、おそるべし!

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2024/07/09

名を残す表現者は、洋の東西を問わずどこか「狂気」を湛えている。 若冲の筆から感じられる「狂気」の源を、こんな風にわかりやすく仕立ててしまうことに若干の抵抗は感じるが、まあ、読み物としては面白いし、フィクションとしてはよくできている。 しかし、あの絵画の不気味さ、細部への異常な...

名を残す表現者は、洋の東西を問わずどこか「狂気」を湛えている。 若冲の筆から感じられる「狂気」の源を、こんな風にわかりやすく仕立ててしまうことに若干の抵抗は感じるが、まあ、読み物としては面白いし、フィクションとしてはよくできている。 しかし、あの絵画の不気味さ、細部への異常な偏執は、もっと深淵な「闇」に裏付けされているのはず。 でも、それは小説にはならないね…

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2024/03/17

伊藤若冲。 苦しく哀しい物語でした。 その絵には圧倒され、不思議な感じも、少し怖い感じもすることがあるけれど、この若冲の物語を読んで、その不思議さや怖さに深みを感じるようになりました。 池大雅、円山応挙、与謝蕪村、谷文晁といった絵師たちとの関わりも興味深かったです。 原田マハ...

伊藤若冲。 苦しく哀しい物語でした。 その絵には圧倒され、不思議な感じも、少し怖い感じもすることがあるけれど、この若冲の物語を読んで、その不思議さや怖さに深みを感じるようになりました。 池大雅、円山応挙、与謝蕪村、谷文晁といった絵師たちとの関わりも興味深かったです。 原田マハさんの書かれる西洋アートの世界とはまた違う日本画の世界もおもしろい。

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2024/02/18

若冲。京の青物問屋の長男として生まれるが、40代で店を弟に譲り隠居。生涯に渡って絵を描き続けた。その作風は、まさに奇想天外。数年前に観に行った作品が蘇ってきた。史実に基づきながらも、彼の人生を想像し、絵に秘める思いを書き綴った小説。フィクションでありながら、そうであったに違いない...

若冲。京の青物問屋の長男として生まれるが、40代で店を弟に譲り隠居。生涯に渡って絵を描き続けた。その作風は、まさに奇想天外。数年前に観に行った作品が蘇ってきた。史実に基づきながらも、彼の人生を想像し、絵に秘める思いを書き綴った小説。フィクションでありながら、そうであったに違いないと思わせるストーリーにのめり込んだ。たくさん出てくる絵を検索し、鑑賞しながら楽しめる作品。

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2023/11/10

絵が好きだ。若冲の絵が好きだ。ニワトリが片足でジョジョ立ちでカッコつける絵がカッコいい。ジョジョは厨二のカッコよさ。とわいえ、かの上野の展覧会に5時間並んだ御仁のなかでも絵を「厨二」「ジョジョ」と評して愛でる世代は少ないだろう。何が言いたいかと言うと「絵の愛で方は人ソレゾレ」とい...

絵が好きだ。若冲の絵が好きだ。ニワトリが片足でジョジョ立ちでカッコつける絵がカッコいい。ジョジョは厨二のカッコよさ。とわいえ、かの上野の展覧会に5時間並んだ御仁のなかでも絵を「厨二」「ジョジョ」と評して愛でる世代は少ないだろう。何が言いたいかと言うと「絵の愛で方は人ソレゾレ」ということ。書評なのに何故こんなに絵画愛を語っているかというと、この本に出会うとは、小生では一生思いつかない「絵の愛で方」を発見することになる。まさに若冲大好き大好き溢れ出る想像力の果てに壮大なストーリーが出来ちゃった、って感じ。ここまでくると史実か否かを問うのは野暮。これは伝記ではない。人物評ではない。絵へ愛だけ。ある程度の若冲ファンなら一話一話がどの絵の話かすぐに理解でき、かつ、ちゃんと絵を思い出せなくても、なんとなくで大丈夫。想像を絶する若冲絵画への愛を感じるべし。

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2023/06/04

母親のふじ子さんの各種シリーズで馴染みの京都が舞台。 内容は直木賞受賞の「星落ちて・」と同様に暗く、10年ぐらいの間隔の進め方。ただ対象が若冲ということもあり、先日も美術館に見に行くぐらい関心があるので、興味深く読ませて貰った。 あの作品も、この作品も亡き妻に対する悔恨と恨みに想...

母親のふじ子さんの各種シリーズで馴染みの京都が舞台。 内容は直木賞受賞の「星落ちて・」と同様に暗く、10年ぐらいの間隔の進め方。ただ対象が若冲ということもあり、先日も美術館に見に行くぐらい関心があるので、興味深く読ませて貰った。 あの作品も、この作品も亡き妻に対する悔恨と恨みに想う義弟への対抗で描いたことに深い哀しみを見た。 ということだったが、巻末の上田秀人さんの解説によれば、結婚したという事実は確認されていない。作者の想像で書けるのが歴史小説との事。感動は作者の力量という事なのだが、解説を読んだことが良かったのか悪かったのか?

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2023/01/22

冷たい風が足元から這い上がってくるような寂しさを感じた。特に親交を結んだ数少ない友人の池大雅が亡くなって以降の老齢期の若冲の姿は寂しくて悲しくて。でもまだ自分に向き合う姿が彼の真の強さを物語る。 一気に読ませる大作。いい話だった。

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