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宇喜多の捨て嫁 の商品レビュー

4.3

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/11/23

岡山市に約2年単身赴任していました。 宇喜多直家に興味があり、ゆかりの地を巡った記憶があります。 直家の悪虐ぶりは有名であるが、彼の境遇が、乱世の中、このような生き方をさせたのだろうと推測できる。宇喜多の捨て嫁は、作者の視点で直家像を作り、生き残った母らしい人物、もう一方の主人公...

岡山市に約2年単身赴任していました。 宇喜多直家に興味があり、ゆかりの地を巡った記憶があります。 直家の悪虐ぶりは有名であるが、彼の境遇が、乱世の中、このような生き方をさせたのだろうと推測できる。宇喜多の捨て嫁は、作者の視点で直家像を作り、生き残った母らしい人物、もう一方の主人公の四女、主君浦上宗景の性癖など、小説ならではの脚色を入れて物語に幅を持たせ、面白くさせている。 岡山にゆかりのある人は読んで頂きたい一冊である。

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2021/11/11

戦国の梟雄、宇喜多直家を様々な視点から描く短編小説。人には多面性があり視点が変わるとその人への印象も異なるということを話の中でよく表しており、直家へ最初抱いていた印象も最後の方では変わっていた人も多かったのではと思う。最初に登場した人物が後の章でより説明が加えられた状態で登場する...

戦国の梟雄、宇喜多直家を様々な視点から描く短編小説。人には多面性があり視点が変わるとその人への印象も異なるということを話の中でよく表しており、直家へ最初抱いていた印象も最後の方では変わっていた人も多かったのではと思う。最初に登場した人物が後の章でより説明が加えられた状態で登場することでスムーズに伏線回収ができていたので読みやすく、「会津執権の栄誉」と構成が似てる。

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2021/11/04

戦国時代の梟雄、宇喜多直家を描いた作品。 一般に梟雄と評価される直家を題材とし、梟雄と生きざるを得なかった直家の苛烈な生き様、悲哀が描かれる。 一冊が六篇で構成されており、それぞれ異なる人物の視点から直家が描かれるため、読みすすめるほど直家の新たな面が見えてくる。 視点人物を含...

戦国時代の梟雄、宇喜多直家を描いた作品。 一般に梟雄と評価される直家を題材とし、梟雄と生きざるを得なかった直家の苛烈な生き様、悲哀が描かれる。 一冊が六篇で構成されており、それぞれ異なる人物の視点から直家が描かれるため、読みすすめるほど直家の新たな面が見えてくる。 視点人物を含む、直家に関わる人物たちの存在感も大きく、一つの群像劇としても楽しめた。 文章は明快ながらおどろおどろしい、独特の空気感があって個人的には好み。 読んでいて情景が浮かんでくるというのもあるが、場面場面で感じられる「臭い」が印象的。 直家を取り巻く不穏な腐臭や血生臭さ、戦場の泥臭さ、人々の汗の臭い、それから梅の花の香り。 各小篇で紡がれた物語が最終篇で集約され、きれいに終着するのは秀逸。

Posted byブクログ

2022/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常に良くできた作品だと思います。 意外にも5編からなる短編集でした。 一般的な短編集とは違い、全てが宇喜多直家を中心とした宇喜多家に纒わる物語。 表題である「宇喜多の捨て嫁」とは直家の四女・於葉の事であり、巻頭に収められていますが、本作は直家を中心にその周りの人にフォーカスを当てていきます。 「人」を描いた作品だと強く感じました。 正直、時代物って得意でもないし、好きでもありませんでしたが、冲方丁氏の「天地明察」で時代物の面白さ、楽しさを知りました。 とは言え、まだまだ読解力が未熟な私には本作の構成は時間軸が一方通行ではない事もあり、軽く混乱しながら読み終えましたが、私の地元や学生時代を過ごした地域の歴史に触れる事が出来、個人的には大満足の一冊でした。 本作は高校生直木賞の受賞作でもありますが、正直、高校生達が本作を受賞作に選べる程に読み込んだ事にただただ拍手を贈りたいと思います。 説明 内容紹介 表題作は、権謀術数によって勢力拡大を図った戦国大名・宇喜多直家によって、捨て駒として後藤勝基に嫁がされた四女・於葉の物語。 乱世の梟雄を独自の視点から切り取った鮮やかな短編は時代作家として、高い評価を集めている。本書ではその他に五編の短編を収録。 いずれも戦国時代の備前・備中を舞台に、昨日の敵は味方であり明日の敵、親兄弟でさえ信じられないという過酷な状況でのし上がった、梟雄・宇喜多直家をとりまく物語を、視点とスタイルに工夫をこらしながら描いた力作揃いだ。 直家の幼少時の苦難と、彼でしか持ちえない不幸な才能ゆえの大罪(「無想の抜刀術」)、若く才能あふれる城主として美しい妻を迎え子宝にも恵まれた直家に持ちかけられた試練(「貝あわせ」)、直家の主・浦上宗景の陰謀深慮と直家の対決の行方(「ぐひんの鼻」)、直家の三女の小梅との婚姻が決まった宋景の長男の浦上松之丞の捨て身の一撃(「松之丞の一太刀」)、芸の道に溺れるあまり母親をも見捨てて直家の家臣となった男(「五逆の鼓」)と、いずれも直家のほの暗い輪郭を照らしながら、周囲の人々の様々な情念を浮かび上がらせていく――。 第152回直木賞候補作にして第2回高校生直木賞受賞。 内容(「BOOK」データベースより) 娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体…。ピカレスク歴史小説の新旗手ここに誕生!!第92回オール讀物新人賞をはじめ、高校生直木賞など五冠を達成した衝撃のデビュー作。特別収録・高校生直木賞ルポ。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 木下/昌輝 1974年奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。ハウスメーカーに勤務後、フリーライターとして関西を中心に活動。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞し、14年『宇喜多の捨て嫁』で単行本デビュー。同作は直木賞候補となり、15年高校生直木賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞を受賞。同年咲くやこの花賞も受賞した。2作目の『人魚ノ肉』は山田風太郎賞の候補、3作目『天下一の軽口男』が吉川英治文学新人賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2021/06/26

高校生直木賞他受賞との事で読んでみたが、裏切りと策謀で名を馳せた宇喜多家の内容であり凄まじい残虐な話しが多い。構成も年代が行ったり来たりで分かりづらいのに、女子高生が多い中での受賞は不思議な気がした。解説で受賞理由を見ると何度か読み直すことで内容の深みが分かるそう。非道・残虐すぎ...

高校生直木賞他受賞との事で読んでみたが、裏切りと策謀で名を馳せた宇喜多家の内容であり凄まじい残虐な話しが多い。構成も年代が行ったり来たりで分かりづらいのに、女子高生が多い中での受賞は不思議な気がした。解説で受賞理由を見ると何度か読み直すことで内容の深みが分かるそう。非道・残虐すぎて再読は暫く先になりそう。

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2021/03/24

この地方だと、毛利元就、長宗我部元親、黒田官兵衛とかは読んだことがありましたが、宇喜多直家!驚きました。でも、面白い。これを高校生直木賞に選んだ高校生たちは偉い。。

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2022/07/28

宇喜多直家という人物が数名の視点から語られており、大変面白く読めました。 信用し裏切りまた信用する、の繰り返しで 何かを守る為には何かを犠牲しなければならない、 戦国の世の慣わしの厳しさを実感しました。 素敵な本に出会えてとてもよかったです。

Posted byブクログ

2021/01/11

宇喜多直家という誰もが悪い意味で知っている人物を取り上げて、時系列的に異なる短編を組み合わせで練り上げていて、素晴らしい。 もともと浦上家まわりの事情にも疎かったが、興味深く読めた。直家の知名度を上手く生かしてる作品なんだろうな。

Posted byブクログ

2020/11/07

戦国時代の話はどうも取っ付きにくい。 幼少の頃からの名前が変わったり、諱という本名以外に呼び名があったり、寝返ったり裏で手を結んだり。歴史に疎いわたしは、目まぐるしく変化する状況についていけない。 でもこの本は巻頭に『主な登場人物』というページがあり、宇喜多家の家系図も城の地図も...

戦国時代の話はどうも取っ付きにくい。 幼少の頃からの名前が変わったり、諱という本名以外に呼び名があったり、寝返ったり裏で手を結んだり。歴史に疎いわたしは、目まぐるしく変化する状況についていけない。 でもこの本は巻頭に『主な登場人物』というページがあり、宇喜多家の家系図も城の地図も載っている。とても親切だと思う。とはいえ、昔の言い回しや嫡男なんていう古い言葉のせいで、小難しい印象は消えたわけではない。それでも何かに惹かれて読み進める。 6つの短編からなるこの本は、主人公は違うがすべてひとりの人物で繋がっている。本のタイトルにもなっている一番最初の『宇喜多の捨て嫁』は、この物語の主役である宇喜多直家の四女の話だ。 この本は最後の『五逆の鼓』まで読んでこそ、本当の良さが分かる。 五逆とは5種の重罪のことで、 1 父親を殺すこと 2 母親を殺すこと 3 聖者を殺すこと 4 仏の身体を傷つけて、出血させること 5 教団の和合一致を破壊し、分裂を図ること であり、それを犯すと無限地獄に落ちるらしい。 鼓の名人の息子、江見河原源五郎の鼓は直家に梅の花の香りをもたらす。小鼓の名人は極めると、その音に梅の薫りが匂うそうだ。常識的に考えて楽器をどんなに素晴らしく演奏したとて、実際に香りが漂うことはありえない。でも分かる。頭では否定しても、わたしの心がそれを受け入れている。 この作者の本は以前『人魚ノ肉』というのを読んだ。そのときも感じたのだが、五感の表現がとても巧いのだ。目で文字を追いながら、わたしの意識はその世界の中にいて、その出来事を目の当たりにしているような、そんな気持ちになってしまう。 戦国時代に生まれた男も女もみんな不幸だなと、今の時代に生きるわたしは思う。一番偉い人以外の命は何かのために容易く使われ、大切な人も宝物もすべて奪われてしまう。 戦に勝ったとしてもそこに約束された平和があるわけではない。いったい何のために戦い続けたのだろう。そんな時代を誰が喜び、どんな得をしたのか。 まさかと思って天を仰ぐが、空が答えてくれるわけはない。

Posted byブクログ

2020/10/08

戦国武将宇喜多直家の人生を、彼自身と、彼に関係した人々の目を通して描いた、立体パズルのような短編集。

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