彼女の色に届くまで の商品レビュー
天才少女と天才になれなかった画商の息子が絵画にまつわる謎を解き明かすお話。 主人公が腐らずに生きてゆくのが良かった。絶対腐っちゃう…この状況…。でも相手が圧倒的だとその感覚も中々難しいのか。
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似鳥は三冊目。『名探偵誕生』と構成は似ていた(ワトソン「僕」とホームズ美少女の話ごと年代ジャンプ)が、話の話の間の挿話、それに共通して登場する友人のおかげか、『名探偵誕生』ほど時間が飛び飛びには思われず、こちらの方が楽しく読めた。おなじみの傍注は専門的な部分を雑学的に説明してくれ...
似鳥は三冊目。『名探偵誕生』と構成は似ていた(ワトソン「僕」とホームズ美少女の話ごと年代ジャンプ)が、話の話の間の挿話、それに共通して登場する友人のおかげか、『名探偵誕生』ほど時間が飛び飛びには思われず、こちらの方が楽しく読めた。おなじみの傍注は専門的な部分を雑学的に説明してくれて相変わらず面白い。惜しむらくは最終話が急ぎ足に感じられた点。改めて見ると改行が少なめな作家なのかとも思われ、それで余計に詰め込まれた感が出たのかもしれない。ともあれ終わってしまうのがもったいない気がして即座にもう一周し始めてしまったくらいには好き。
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爽やかで微笑ましくってちょっと苦々しい青春ミステリ。さまざまな絵画に絡む謎の解明がミステリとしての読みどころなのはもちろんですが。画家を志す主人公が、圧倒的な才能を持つ彼女に抱く恋心と羨望と尊敬、そして嫉妬の念にどのような決着をつけるのか。その物語の部分も気になってぐいぐい読めま...
爽やかで微笑ましくってちょっと苦々しい青春ミステリ。さまざまな絵画に絡む謎の解明がミステリとしての読みどころなのはもちろんですが。画家を志す主人公が、圧倒的な才能を持つ彼女に抱く恋心と羨望と尊敬、そして嫉妬の念にどのような決着をつけるのか。その物語の部分も気になってぐいぐい読めました。 夢を持つ者にとって、才能って残酷だなあとは思いますが。それよりもまず、自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、が大事なのでしょうね。それを見失うと残念なことになりそうなので。彼らのこの選択は素晴らしいこと。千坂の申し出はたしかに魅力的だけれど、それに乗っかってたら二人とも幸せにはなれないよね。 ミステリとしての部分も各話の謎がそれぞれで解かれて終わりかと思ったら。まだまだこんな仕掛けが! やられたなあ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
とても良かった。 絵画をヒントに読み解く事件も面白かったし、緑くんと桜の関係性もよい。緑くんが、桜との才能の差に悶々としながらも成長していく姿が生々しいというか、ああーわかるわかる、と思いながら読む。 自分が努力しても届かないものを最初から持っているひと。反発しながらも惹かれる。悔しいけど離れがたい。 でも緑くんも「悪魔」らしいので、桜か風戸視点のはなしも読んでみたい。 そして最後の最後に全部つながるのが爽快。
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面白かったー!ちょっと変な人物が出てきて、変な事件が起こって、色々と煙に巻かれていくこの感じ、この方の作品は独特な雰囲気があってすごく好きです。結論で言えば「そんなバカな。」って感じだけど、それがまた好き。
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見事に美術には、縁のない私だけど、お話は、とてもおもしろかったです。 主人公は、市高シリーズと同じ様なタイプ。考えすぎて、後一歩を踏みとどまってしまってますが。
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自分を特別と思い画家志望だった緑川が高校、芸大、勤める画廊で遭遇する絵画絡みの謎たち。平凡な現実との差異が辛すぎず自然体で、片想い相手である天才の千坂桜の話し方や行動に現れた変わり者描写は淡い鮮烈さ。筋肉を見て貰いたがる風戸もユニークで可愛い。悪魔を抱えたふたりや、ペンキによる極...
自分を特別と思い画家志望だった緑川が高校、芸大、勤める画廊で遭遇する絵画絡みの謎たち。平凡な現実との差異が辛すぎず自然体で、片想い相手である天才の千坂桜の話し方や行動に現れた変わり者描写は淡い鮮烈さ。筋肉を見て貰いたがる風戸もユニークで可愛い。悪魔を抱えたふたりや、ペンキによる極彩色の床が印象的。
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読み進めていく途中、何か変だなぁ…と覚える違和感。 もちろん文章が稚拙で説明が不足していたり条件が詰められていなかったりする場合もあるのですが、そうでなかった場合。意図的に違和感を覚えさせるよう仕組んでいる場合。そういうオープンな、読者に攻撃的(挑戦的?)な伏線。 「そうか! あ...
読み進めていく途中、何か変だなぁ…と覚える違和感。 もちろん文章が稚拙で説明が不足していたり条件が詰められていなかったりする場合もあるのですが、そうでなかった場合。意図的に違和感を覚えさせるよう仕組んでいる場合。そういうオープンな、読者に攻撃的(挑戦的?)な伏線。 「そうか! あの時の違和感は!!」って気付かされるときの瞬間が大好き。 これって作者の、それはもう強気なオモテナシだと思うのですよ。 今作も、そんな攻撃的オモテナシが待ってました。 ガジェット周りだとそんな次第で秀逸だと感嘆するのですが(名画を引き合いにしたミステリという舞台設計も含め)、人物周りのドラマの部分ではいたく残酷な話でしたね。 強烈な光に照らされ、また影も濃くなる…みたいな。 主人公は彼女の色に届いたんだろうか。 届かない、あるいは届いてはいけない、そんな関係に思うのです。 不幸せでは無い。でも倖せにはなれない。 そういうのが、私にはつらかったなあ。
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絵画を中心に、作者や携わっている人の思いを浮かび上がらせる連作短編集。さらに本作は主人公と天才芸術家の二人の物語で、才能の残酷さを描いており、傑作だと思いました。 物語が進むにつれて真作と贋作という主題が描かれ始めますが、その二つが天才芸術家と主人公に重なり、なんとも情緒ある物語...
絵画を中心に、作者や携わっている人の思いを浮かび上がらせる連作短編集。さらに本作は主人公と天才芸術家の二人の物語で、才能の残酷さを描いており、傑作だと思いました。 物語が進むにつれて真作と贋作という主題が描かれ始めますが、その二つが天才芸術家と主人公に重なり、なんとも情緒ある物語に仕上がっています。 ラストも安易な着地を見せず、その理性的というか偏屈なオチは作者さんの他の作品でもあり好みが分かれそうですが、本作は不思議と受け入れられました。
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05/20/2018 読了。 図書館から。 気になっていたので、手に取りました。 一時期、ブランチで特集してなかったっけ? ダヴィンチかな。 似鳥さん、作品によってはまったりそうでなかったり…なんですが、今回は好みだった!! 千坂さんあまり動かないけど、 緑君とのやりとり...
05/20/2018 読了。 図書館から。 気になっていたので、手に取りました。 一時期、ブランチで特集してなかったっけ? ダヴィンチかな。 似鳥さん、作品によってはまったりそうでなかったり…なんですが、今回は好みだった!! 千坂さんあまり動かないけど、 緑君とのやりとりがいじましくて…‼
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