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彼女の色に届くまで の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2018/03/31

4つの事件とも、トリック部分は、そんなことわざわざする?って事が続いて、苦手な部類のミステリかなと思って流し読んでたけど、最後の大オチでなるほど!と感心しました。 語り手の緑くんが、天才ではない自覚はあるけど、それでも決して腐らずに、状況を的確に踏まえて、するべき事をする強さが...

4つの事件とも、トリック部分は、そんなことわざわざする?って事が続いて、苦手な部類のミステリかなと思って流し読んでたけど、最後の大オチでなるほど!と感心しました。 語り手の緑くんが、天才ではない自覚はあるけど、それでも決して腐らずに、状況を的確に踏まえて、するべき事をする強さが好感度が高かった。 時々友人に悪魔のようだと言われるほど、冷静に怖い事を言うのもいい。それが最後に、千坂と自分の今後の話をいい感じにまとめる所がすごく楽しかったです。 悲壮な感じにも出来たテーマで、終始楽しく、明るい希望の中で終われたのすごく良かった。 話題になる絵画の写真や説明があるのはとても親切だし、勉強になりました。

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2018/02/06

1月20日読了 画廊の息子で美術部員(部員は一人のみ)の緑川礼、緑川が才能を見いだした千坂桜、美術部に無関係なのにやたら顔を出す風戸翔馬。緑川が巻き込まれる密室不可能犯罪を千坂桜が解決するミステリー連作短編集。何より、犯罪が起こるのが絵にまつわる場所で、いろいろな実在の作品が時に...

1月20日読了 画廊の息子で美術部員(部員は一人のみ)の緑川礼、緑川が才能を見いだした千坂桜、美術部に無関係なのにやたら顔を出す風戸翔馬。緑川が巻き込まれる密室不可能犯罪を千坂桜が解決するミステリー連作短編集。何より、犯罪が起こるのが絵にまつわる場所で、いろいろな実在の作品が時に解決するヒントとなってくるのがとても興味深く面白かった。もう一つ、一貫しているのが才能を持たない者の持っている者に対する嫉妬、羨望。悩める主人公を書きたかったそうだ。しかし、そのテーマは重くドロドロすることなく、しかし共感できる描き方でとても良かった。

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2018/01/10

好きなものを、好きなように書いていいと言われたあの瞬間、彼女の世界は一瞬にして変わったのだろう。 誰かに定められた世界から、自分自身で自由に飛び回れる世界へ。 そして、その扉を開けた彼は、彼女にとってとても輝いて見えたのだろう。

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2017/12/24

注釈が専門的な事柄の説明をしっかりしてくれるうえで、笑いもあって楽しい。一枚の絵画をヒントに謎を解明するスタイルも良かった。主人公の葛藤が物語に仄かな苦みと最後に温かみを添えてくれる。

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2017/12/22

絵画をテーマにした連作ミステリ。 画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)、筋肉マニアの風戸、天才的な美術センスをもつ美少女 千坂桜とともに事件の真相を解き明かしていく。 高校、大学、社会人までの7年間。最後に明らかになる千坂桜の謎が面白かった。 (図書館)

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2017/11/06

画家ミステリ。主人子は画家を目指す画廊の息子。そんな主人子がある女の子に出会い絵画に関係するトラブルに巻き込まれる。 登場人物が一緒のミステリだが時代は高校時代、藝大時代と年を重ねていく。 キャラクターが面白く油断してたら最後にヤラレた。絵画の小ネタも面白かった。

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2017/10/19

トリックひとつひとつというよりも全体の構成が最後にまとまる作品。美術に興味がある人にも無い人にも読みやすくて面白いと思う!

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2017/10/18

根拠のない万能感、からの挫折と無力感。 予想の範疇でおさまってしまう平凡な進路。 分かりすぎるくらい分かる。分かってしまう。 似鳥先生のキャラはたまにそのテンションについていけず読むと妙に疲れる事もあるけれど、今作は主人公とヒロインが落ち着いていて、癖がなく読み易かった。 ただ...

根拠のない万能感、からの挫折と無力感。 予想の範疇でおさまってしまう平凡な進路。 分かりすぎるくらい分かる。分かってしまう。 似鳥先生のキャラはたまにそのテンションについていけず読むと妙に疲れる事もあるけれど、今作は主人公とヒロインが落ち着いていて、癖がなく読み易かった。 ただの絵画に関する事件の連作短編集と思いきや、色々な伏線が繋がって終盤にもう一つの絵が浮かび上がってくる。 胸の奥が引っかかれて少しひりつくけれど読後感は爽やかで、これまでに読んだ似鳥作品の中で一番好き。

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2017/10/07

何で登場人物が高校生から大学生へそして社会人。 一話完結の連作だからかと思ってました。 最後まで読んでみると違うんですね。 自分には意外な展開でした。 これを読んで少し絵画に興味を持つたかな。

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2017/10/07

画家を夢見る画商の息子の主人公が高校生のときに風変わりな形で出会った少女。彼女はたぐいまれな絵の才能と、相当に変わった性格であったけれど、主人公は彼女に惹かれてゆく。そんな彼らは、時折謎めいた絵にまつわる謎に直面していく… ボーイミーツガールな爽やかさと甘酸っぱさを味わわせつつ...

画家を夢見る画商の息子の主人公が高校生のときに風変わりな形で出会った少女。彼女はたぐいまれな絵の才能と、相当に変わった性格であったけれど、主人公は彼女に惹かれてゆく。そんな彼らは、時折謎めいた絵にまつわる謎に直面していく… ボーイミーツガールな爽やかさと甘酸っぱさを味わわせつつ、名画の知識も絡めて展開する日常系ミステリ。軽やかな展開と憎めないイイキャラクタのおかげでさくさくと楽しめます。 終盤にかけては少女の謎が明らかにされていくのですが、そのあたりは単純な恋愛模様とは一線を画していて、こういう関係の男女も素敵だな、見守りたいな、と思わせてくれました。 秀才・天才と凡才のあいだには深くて底知れない溝があり、わかりあえない部分があるけれど、けして絆を保てないわけではない。それがひとそれぞれが持つ個性であり、魅力であるのだろうとも思う。彼ら彼女らがそれぞれの「ポジション」を踏みしめながら生きていこうとする姿がとても眩しくも思えたのでした。

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