スペードの3 の商品レビュー
読後、「もう読み返すことはないだろうな」と思った。この物語たちを100%フィクションとして楽しめる、愛季や円側の人もいるのだろう。けれど、わたしにはできなかった。とっくに割り切ったと思っていた「あのこには勝てない」という気持ちが、劣等感が、胸のなかでどこまでも膨らんでいく。 そ...
読後、「もう読み返すことはないだろうな」と思った。この物語たちを100%フィクションとして楽しめる、愛季や円側の人もいるのだろう。けれど、わたしにはできなかった。とっくに割り切ったと思っていた「あのこには勝てない」という気持ちが、劣等感が、胸のなかでどこまでも膨らんでいく。 それでも、いま自分が持っている手札で戦って生きていくしかないのだと、覚悟を決めようと思える作品だった。
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頑張る女性3人のそれぞれのお話。 自分を他人と比較して、自分をダメだと思いつつも、どこか他人よりは優っている、それでいて、自分はどうしてもっとこうなれないんだという苦悩を描いているように感じた。 ちょっと周りより特別な存在でいたい女性、変わることへの勇気を持ち、見事に返信を遂げた...
頑張る女性3人のそれぞれのお話。 自分を他人と比較して、自分をダメだと思いつつも、どこか他人よりは優っている、それでいて、自分はどうしてもっとこうなれないんだという苦悩を描いているように感じた。 ちょっと周りより特別な存在でいたい女性、変わることへの勇気を持ち、見事に返信を遂げた女性、真面目で優等生ゆえに周りの期待もありつつ、けどどこか自信を持てず、隣の芝は青く見えてしまうスターの女性。 自分を認識するには、他人と比較するしかないと思う。その感覚を繊細に表現しているのが朝井リョウの特徴な気がする。 みんな自分に自信を持っていい。完璧でなくていい。生きているだけで素晴らしい。 なんか、ふとそう思えた小説だった。
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宝塚だ。数回しか見たことのないにわかだから分からないけどイメージ的にこんな感じする。 3人の女性を主人公にした話だけど(繋がった世界)めんどくさい性格だなと思った。特に小中学生の時の自意識過剰な所とかいるなこんな子。と思った。めんどくさくて粘着質でざわざわした雰囲気がこの小説を纏...
宝塚だ。数回しか見たことのないにわかだから分からないけどイメージ的にこんな感じする。 3人の女性を主人公にした話だけど(繋がった世界)めんどくさい性格だなと思った。特に小中学生の時の自意識過剰な所とかいるなこんな子。と思った。めんどくさくて粘着質でざわざわした雰囲気がこの小説を纏ってた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
世界観繋がってる系短編集 一つ目のお話は、うわあそういう女いるよね〜と思った。 自分がトップでいられる場所は気持ちが良くて、なくなってほしくないんだなあ、私は自分がトップだと不安になってしまうタイプなので、そんな人もいるんだと思った。 三つ目のお話の主人公のライバル(?)の人が好きだった。 注目されるってわかっててあえて不思議な行動してみたり、不幸な身の上を話してみたりして、自分の勝ち方を自分で模索したのかな?と思った。 そんな子と常にまっすぐ向き合っているように見えた、つかさ様も私はわりと好きだった。
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この本で朝井リョウさんを知りました。 すぐ名前を検索して男の人なのにびっくりしたなあ。 人の覗いてはいけないところを覗いてしまって、そのまま見続けていいの?大丈夫?と思いながら見てしまうお話。特に最初のお話。
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正確に書くと星3.8。 連作短編集なので繋がりがあり、その視点で書くんだ!というのもあった。 一つ目の話は伏線が途中で完全に分かったのでその驚きはなかったが、それでも面白く読めた。 だんだん朝井さんの書き方というものが見えてきた。
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つかさファン「ファミリア」を束ねる立場の美千代。 美千代の小学生時代の同級生で、新規にファミリアに加入したむつみ。 劇団退団後、舞台で活動するつかさ。 この3人の女性を主人公にした連作小説。 美千代が主人公の「スペードの3」が力作で、朝井リョウの小説だなぁ!っていう感じだった。...
つかさファン「ファミリア」を束ねる立場の美千代。 美千代の小学生時代の同級生で、新規にファミリアに加入したむつみ。 劇団退団後、舞台で活動するつかさ。 この3人の女性を主人公にした連作小説。 美千代が主人公の「スペードの3」が力作で、朝井リョウの小説だなぁ!っていう感じだった。 人間のいやらしさ、優越感と劣等感。大人になってからも、子どもくさいそれらを引きずっている美千代。 小学生時代のエピソードも秀逸だけど、こういう感情(好きな男子を独り占めしたいとか、自分より可愛い子と可愛くない子で区別する)って、表に出さないだけで結構多くの人が持っていると思う。 問題は、それを大人になってもふるえる場があったということか。美千代にとってのその場所が「ファミリア」だった。 スペードの3が読みごたえのある力作だったからか、あとの2作はちょっと失速した感じがした。 特に最後のつかさのお話。多くのファンがいて、華々しく舞台に立っている彼女も、虚しさや劣等感を引きずっている。 しかし、大劇団の準トップまで登りつめ、退団後も舞台活動を続けている人にしては、どうも中身が薄っぺらいというか「若いな」という感じがした。 いつまでも「15歳で舞踊学校を受験したとき」の動機やエピソードをひきずっているのが、どうにも若すぎるというか、共感ができなかった。 舞台人に限らず、働いていると「なぜこの仕事に就こうと思ったのですか?」という質問をされることは多い。 けど、私には、人が欲するようなエピソードや立派な動機は全くない。 職業に就きたての頃は、それが自分の薄っぺらさにつながる気がして、人に語れるようなエピソードがほしいと思ったこともある。 ただ、10年以上同じ仕事していると、最初の「動機」なんてどう~でも良くなるんだよね。それよりも、自分がどんな仕事をしてきたのか、実績がすべてになる。 目指した動機?ドラマ見てて楽しそうだと思ったから、で良くない?と、本気で思うようになる。 10年も経てば、同業者がテンプレみたいに「私が◯歳のとき、〜という出来事があり(〜という人に出会い)、理不尽な思いをしている人を助けたいと思ったからです」とか語ってるのを見ても、劣等感を抱くことはなくなった。 つかさ様が生きている世界も、そうなのではないか。「舞台がかっこよかったから、憧れました」で良いのでは。 オーディションに受からないのは、残念ながらつかさ様の人生経験の問題ではなく、演出家の好みに合わないことや、実績不十分、実力不十分ということなのだろうと思うよ…。つかさ様、虚構の自分に囚われすぎて、地に足がついてない感じがしてしまった。 もっとも、このあたりは私がヅカファンなので辛口なのかも。ヅカOGをモチーフに書くなら、もっとステキに書いてほしかった!という欲なのかなぁ。 だから、大劇団の準トップまで登りつめたのに、自分のこれまでの歩みを信じられず、人生経験のせいにして正当な努力をしないつかさが、ひどく悲しい人に思えた。 一般人であるむつみですら、好きになれなかった過去の自分を変えるために努力して、「つかさ様に似てる!」と言われて、人が寄ってくるまでになったのに。 過去や虚構に囚われているところは、つかさと美知代は似ていると思った。 私は宝塚歌劇団が好きなので、宝塚をモチーフにした作品ということで手にとってみた。 ところどころ、宝塚のシステムだぁ~と思える描写もあり、本筋だけでなく楽しく読むことができました。 朝井氏も、宝塚好きなのかな?
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女性特有の嫉妬心やドロドロとした感情が描かれているのに、不思議と読み終わった後に嫌な気持ちにならない。むしろ前向きな気持ちになる。 舞台(おそらく宝塚?)のオタクと女優が主人公になっていて、オタクの私にとっては馴染みやすいテーマ。 宝塚のファンコミュニティのあり方はよく知らなかっ...
女性特有の嫉妬心やドロドロとした感情が描かれているのに、不思議と読み終わった後に嫌な気持ちにならない。むしろ前向きな気持ちになる。 舞台(おそらく宝塚?)のオタクと女優が主人公になっていて、オタクの私にとっては馴染みやすいテーマ。 宝塚のファンコミュニティのあり方はよく知らなかったから、こんな感じなのか〜と思いながら読み進めていた(この小説が実際の宝塚オタクの在り方をどこまで描写してるかわからんけど)
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大人になっても学級委員でいたい美千代 小学校時代クラスから孤立していたむつ美 引退を考えているミュージカル女優つかさ 立場が違う3人の葛藤や隠してきた気持ちが手に取るように分かる。 簡潔な文章で読み手にここまで分からせるってすごいです。
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宝塚ファンの世界を垣間見れるかと思い読んでみたら、小学生の頃の生々しい女子の気持ちに期せずして触れ、心がゾワゾワする羽目に。自分の性格的に確実に沼にハマるので敢えて避けてきた宝塚の世界がどんなものか楽しみにしていたが、メインテーマではなかった。 何らかの形で目立てなくても親友...
宝塚ファンの世界を垣間見れるかと思い読んでみたら、小学生の頃の生々しい女子の気持ちに期せずして触れ、心がゾワゾワする羽目に。自分の性格的に確実に沼にハマるので敢えて避けてきた宝塚の世界がどんなものか楽しみにしていたが、メインテーマではなかった。 何らかの形で目立てなくても親友と呼べる存在を必死に探す様や、友達の1番になろうとする様はどれも覚えのある黒い気持ちだった。私はこの中ではアキの中学時代に1番共感した。 朝井さん男性で、しかも執筆当時若かったのになぜ女子のこの気持ちわかるのか…。友人や恋人だったらすごく心読まれそうで恐い。
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