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プロテスタンティズム の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2017/06/23

タイトルとは違い非常に読み易く書かれている。ルターの宗教改革から今日までのプロテスタントの思想や分類等がわかり易い。 今迄は一括りにプロテスタントと理解していたがこんなにも多様とは。。キリスト教を理解するのにも役立つ一冊。

Posted byブクログ

2017/06/11

某所読書会の課題図書.1517.10.31にルターが贖宥状に対する疑問を投げかけた行為が宗教改革の始めとされるが,多分に脚色された部分もある由.しかしこれによってプロテスタントが派生したことを事実であるが,本書では保守主義としての,あるいはリベラリズムとしての プロテスタンティズ...

某所読書会の課題図書.1517.10.31にルターが贖宥状に対する疑問を投げかけた行為が宗教改革の始めとされるが,多分に脚色された部分もある由.しかしこれによってプロテスタントが派生したことを事実であるが,本書では保守主義としての,あるいはリベラリズムとしての プロテスタンティズムを詳述している.面白かった.本場ドイツの保守的な流れは全く知らなかったが,日本は例によってアメリカ的なプロテスタントとドイツ流のそれをうまくミックスしている感じだ.

Posted byブクログ

2017/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 中世ヨーロッパの人々にとって大きな問題は死であった。食物が絶えず不足し、医療はほとんど成立せぬため、生まれてきた子どもが成長して大人になる確率は低く、平均寿命も短い。キリスト教を伝えにきた修道士に「隣人を愛するとは、隣人を食べないことだ」と教えられ、最終的にはペストの脅威にさらされた中世ヨーロッパの人々にとって、死は圧倒的な力であらわれ、戦う前から負けを宣告されてしまうような相手であった。予測できず、突然、逃れがたくさんやってくる死は、人々の生活の豊かさや充実などよりも、はるかに切迫した問題であった。(p.7)  この提題が「広く読まれていることは、私が望んだことではありません。また私はそのようなことを意図したことはなかったのです。私はただこの町の人々とまたせいぜい近くの学者たちと議論し、その意見によってこれ(つまり提題)を取り下げるか、あるいはみなに認めてもらうかを判断しようと考えたのです。ところがこれが何度も印刷され、翻訳もされているのです。ですから私はこれを公にしたことを今後悔しています。」(ルター。pp.49-50)  ルターは、神が人間を救うという行為を人間はただ受け取るのであり、神がなすことを信頼するのが信仰だと考えたのである。それゆえ救われるためには人間の側の努力ではなく、「信仰のみ」が必要となるのだ。  この「聖書の身」「全信徒の祭司性」、そして「信仰のみ(信仰義認)」を宗教改革三大原理と呼ぶことがある。(p.63)  新プロテスタンティズムの牧師たちの語ることが、強制され、行かねばならない教会の説教よりも宗教的に見て益が多いと感じればこの独占市場に変化が起こる。新プロテスタンティズムの教会と聖職者たちは、いわば自力でこの独占状態を破壊していく。勝負はサービスであった。(礼拝は英語で「サービス」という)  また彼らは政治的な圧力に対しては、中世後期から発展したさまざまな政治的意識であるデモクラシー、人権、抵抗権などを受け入れ、それを味方につけ、その担い手となり、それだけではなく、このような政治的価値を使って既存の教会や政府と戦いはじめた。彼らがそれらの書価値を生み出したとは言えない。しかし、彼らはそれらの政治的思想の担い手であった。(pp.116-117)  プロテスタントとは、カトリシズムとの戦いを続け、その独自性を排他的に主張してきた宗派であるだけではなく、複数化した宗派の中で、共存の可能性を絶えず考え続けてきた宗派であり、むしろ後者が私たちの今後の生き方だと主張するようになった。このような仕方で戦後もドイツのプロテスタンティズムは国家と歩みを共にした。(p.158) ヴァイツゼッカー  若い人たちにお願いしたい。他の人びとに対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。ロシア人やアメリカ人、ユダヤ人やトルコ人、オルタナティヴな考えを持つ人や保守主義者、黒人や白人、これらの人たちに対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。若い人たちは、互いに敵対するのではなく、互いに手を取り合って生きていくことを学んでいただきたい。  民主的に選ばれたわれわれ政治家にもこのことを肝に銘じさせてくれる諸君であってほしい。そして範を示してほしい。  自由を尊重しよう。平和のために尽力しよう。公正をよりどころにしよう。正義については内面の規範に従おう。(p.164) ガウク おそらく将来世代は新しい記念の形を追求することになるでしょう。またホロコーストもすべての市民にとってドイツのアイデンティティの核心的要素とはもうみなされないかもしれません。しかし、これからも言い続けなければならないことは、アウシュヴィッツなしにドイツのアイデンティティは存在しないということです。ホロコーストを記憶することは、ドイツで暮らすすべての市民の責務なのです。(p.165)  確かに宗教改革からはじまったプロテスタンティズムの歴史の意義と特徴は、自由のための戦いも、近代世界の成立への貢献も含まれるが、それ以上に重要なもう一つの特徴は、社会の中で異なった価値や宗教を持つ者たちがどのように共存して行けるのか、という作法を教えてくれることにあるのではないだろうか。(p.206)

Posted byブクログ

2017/05/18

これまた素晴らしい本が現れた! まだ、50頁程しか読み進んでいないが、キリスト教徒のみならず、バッハ愛好者にとっても必読書となる事間違いない。 ****************** 長いことキリスト教徒やっていながら、プロテスタントについて体系的に学ぶ機会が無かったので、この...

これまた素晴らしい本が現れた! まだ、50頁程しか読み進んでいないが、キリスト教徒のみならず、バッハ愛好者にとっても必読書となる事間違いない。 ****************** 長いことキリスト教徒やっていながら、プロテスタントについて体系的に学ぶ機会が無かったので、この本に負うところは大きい。 この本のおかげで、自分のプロテスタント立ち位置(出自)がよく分かった。

Posted byブクログ

2017/04/25

ルター・カルヴァンらは旧プロテスタンティズム(以下P)、そして新プロテスタンティズムに分けての説明は新鮮で分かり易い。ルター主義がヒトラーを支持したわけではないが、共感度が高かったとの解説も分かり易い。そもそも旧Pは領邦国家と結びついていたこの説明はその通り。ワイマール共和国時代...

ルター・カルヴァンらは旧プロテスタンティズム(以下P)、そして新プロテスタンティズムに分けての説明は新鮮で分かり易い。ルター主義がヒトラーを支持したわけではないが、共感度が高かったとの解説も分かり易い。そもそも旧Pは領邦国家と結びついていたこの説明はその通り。ワイマール共和国時代はルター派は居心地が悪く、むしろナチスの台頭に歓迎の気持ちがあったとのこと。政治的な背景の繋がりも面白い。

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2017/03/22

1517年、神聖ローマ帝国での修道士マルティン・ルターによる討論の呼びかけは、キリスト教の権威を大きく揺るがした。その後、聖書の解釈を最重要視する思想潮流はプロテスタンティズムと呼ばれ、ナショナリズム、保守主義、リベラリズムなど多面的な顔を持つにいたった。世界に広まる中で、政治や...

1517年、神聖ローマ帝国での修道士マルティン・ルターによる討論の呼びかけは、キリスト教の権威を大きく揺るがした。その後、聖書の解釈を最重要視する思想潮流はプロテスタンティズムと呼ばれ、ナショナリズム、保守主義、リベラリズムなど多面的な顔を持つにいたった。世界に広まる中で、政治や文化にも強い影響を及ぼしているプロテスタンティズムについて歴史的背景とともに解説し、その内実を明らかにする。

Posted byブクログ