プロテスタンティズム の商品レビュー
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第1章から第6章まではプロテスタンティズムの歴史について、わかりやすく書いてあります。そのため、世界史やキリスト教についての知識がなくても理解できます。 第7章のリベラリズムとしてのプロテスタンティズムが興味深かった。以下、個人的に関心を持った文章を抜粋(「」内は編集しました)。 ・ピューリタンたちがアメリカに移住し、最終的には国 営の教会によって独占されていた宗教市場を自由化、 あるいは民営化しようとした。 ・ヨーロッパの宗教市場は独占であるのに対し、アメリ カは競争市場である。新プロテスタンティズムは競争 を制し、市場で勝利を収めた。巨大化していく姿はさ ながら、市場を独占する「GAFA(Google、Amazon、 Facebook、Apple)など」の大企業のようだ。 ・…宗教における自由競争がアメリカ社会の深層構造を規 定しているのだろう。 ・この世での成功がアメリカでは宗教的な救済の証明と なった。…アメリカでは与えられた人生で成功した者こ そが神の祝福を受けた者だと諭された。 ・…市場で成功し、勝利した者こそが正義であり、真理で あり、正統になる。これがアメリカ的なイデオロギー に宗教が与えた影響であろう。 現在ある政治や社会、経済の姿に宗教も大きな影響を与えている。宗教や慣習といった観点からも社会を考察できるように、関連図書を読みたい。
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宗教改革の意味合いからその後のプロテスタンティズムの展開を詳述した労作。兎角一括りにされがちなプロテスタントの多様性がよくわかる。著者もあとがきで触れているが、カルヴィニズムへの展開にも詳しければ、さらに良かったかなと思い、今後に期待する。今の欧米の状況を理解するために必読の書で...
宗教改革の意味合いからその後のプロテスタンティズムの展開を詳述した労作。兎角一括りにされがちなプロテスタントの多様性がよくわかる。著者もあとがきで触れているが、カルヴィニズムへの展開にも詳しければ、さらに良かったかなと思い、今後に期待する。今の欧米の状況を理解するために必読の書である。
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現在の西欧中心の世界の成立に大きく関与しているはずなのにプロテスタンティズムについてちゃんとわかっていなかった反省があって…かと言ってマックス・ヴェーバーなんか読んでもちんぷんかんぷんだろうし…と思っていたら図書館にこの本があったので。自分の従来の理解では金儲けに走ったカトリック...
現在の西欧中心の世界の成立に大きく関与しているはずなのにプロテスタンティズムについてちゃんとわかっていなかった反省があって…かと言ってマックス・ヴェーバーなんか読んでもちんぷんかんぷんだろうし…と思っていたら図書館にこの本があったので。自分の従来の理解では金儲けに走ったカトリックに対してルターが立ち上がりプロテスタントという宗派ができてプロテスタントが盛んな国では資本主義も盛んになった、という大雑把なものでこれがかなり間違っていることに気付かされた。つまりルターやスイスのカルヴァンが目指したのはあくまでカトリックの改革であって宗派を作ることではなかった、そしてこれらは言わば古プロテスタンティズムであって更に新プロテスタンティズムがあると。識字率の悪い時代はとにかく教会の言うことに従っていれば天国にいける、という素朴な信仰が殆どであり悪名高い免罪符などの原因になったわけだが識字率の向上と印刷技術の発達によってプロテスタンティズムの聖書に帰れ、という運動の結果、解釈の相違によって様々な流派が誕生した。その中でも「予め救われる人間は神によって定められていて経済的に成功した人間は神に祝福されているのだから成功をめざすべき」という考えの一派が~つまりプロテスタンティズム全部ではない~資本主義の発展に寄与したという説明は特に腑に落ちた。西欧がなぜいまのようになったのか、について非常に分かりやすく説明されていてものすごく面白かった。カトリックの高校とプロテスタントの大学出てるのに今更で恥ずかしいけれども…。
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難しそうと思ったけどそんなことなかった。 サクサク読めて面白かった! 贖宥状に関して、本人たちは大真面目なんだろうけど笑ってしまう。お金を払うと罪が帳消しになり、天国へ行けると信じるなんて。今と比べると寿命も短く、死と隣り合わせなので仕方がないと言えば仕方がないのかもしれないけ...
難しそうと思ったけどそんなことなかった。 サクサク読めて面白かった! 贖宥状に関して、本人たちは大真面目なんだろうけど笑ってしまう。お金を払うと罪が帳消しになり、天国へ行けると信じるなんて。今と比べると寿命も短く、死と隣り合わせなので仕方がないと言えば仕方がないのかもしれないけれど。 良いか悪いかは別として、アメリカの影響を大きく受けている日本で、プロテスタンティズムを受け入れられなかったことは興味深い。 宗教を学ぶのは面白いですね。
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一口にプロテスタントといっても様々あり、保守系にもリベラル系にもつながっているというのが面白い。教義を聖書に求めたが、聖書の解釈には様々あり、取りまとめるような存在がいないと。
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宗教改革から始まったプロテスタンティズムが歴史上どのような役割を果たしてきたのかを扱った本。プロテスタントを古プロテスタントと新プロテスタントに分類し、現代の保守とリベラルの源流として説明したことも新しい視点であった。 現代日本文化に無視できないほど大きな影響を与え、世界を席巻しているアメリカの文化の奔流を読み解くうえで多大な貢献をしてくれる本であろう。 文章自体も読みやすく、歴史的事実をきちんと押さえながら論理的な考察が入っていて常に納得感を抱きながら読み進められた。
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コンパクトにさくさく読める良著。現在のルターイメージはドイツナショナリズムとの協力のなかでつくられたものであり、ルターの等身大の姿が描かれる。また、ルター派などのプロテスタンティズムを古プロテスタンティズム、アメリカにわたったものなど、を新プロテスタンティズムとし、その対比を描く...
コンパクトにさくさく読める良著。現在のルターイメージはドイツナショナリズムとの協力のなかでつくられたものであり、ルターの等身大の姿が描かれる。また、ルター派などのプロテスタンティズムを古プロテスタンティズム、アメリカにわたったものなど、を新プロテスタンティズムとし、その対比を描く。とても勉強になり、カールレーフラーがなければ多くの人にすすめたかもしれない。
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プロテスタントとは何かということを歴史的、思想的に概説した書。とても要点を絞って分かりやすい解説書。プロテスタントが実は、ルターから始まる初期のもの(カルヴィン派もこの中)と、ルターによって提唱された「聖書の解釈はローマ教皇によるものではなく個人個人で行ってよい」という聖書原理主義とも呼ぶべき思想によって後に出てくるいろいろな解釈をもとにしたもの(例えばピューリタンやバプティスト、洗礼主義など)に分かれており、前者はカトリックと対峙しつつもカトリックの秩序には則り体制に組み込まれ、後者はカトリックはおろかルター派からも異端として迫害されることになったそう。その後ルター派はドイツで隆盛となり現在のドイツにおいても初期思想とは多少異なるものの最大勢力としてドイツの国教的な思想の中心となっている。そのことが実はビスマルクによるドイツの統一に思想的な正当性を与えており、ドイツはドイツ語によって統一国家になったのではなく、ルター主義によって統一国家になったらしい。メルケル首相もルター派牧師の子供であり、現在への影響力を表している。一方のルター派以降のプロテスタントは、国家権力と結びつくことがなく信者を自分で集める必要があったため(当時の信者は生まれた場所によってどの宗派になるか自動的に決まっていた)、他の宗派とのサービス競争を行う必要があり、それが資本主義の原点になっていった。その宗派がアメリカに渡り、今のアメリカを形作った。マックスウェバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」はまさにこのことを指摘している。最大の特徴は、人は死ぬときに天国に行くかどうかを決められる(それを決めるのは神でありその代理人のローマ法王)のではなく生まれた時から天国に行くかどうかは決められているという発想の転換。それを二重予定論と言うらしいが、天国に行くと決まっている人はこの世において勤勉であり、その結果、富みや地位を得るのを運命づけられているため、アメリカンドリームが正当化される。知らないことばかりで久しぶりに勉強になった。
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この先生は偉い。なるほどそうなのか!ってのがたくさん。欧米の政治やシステムを考える上でも必読。 → と、なんと捏造とかでえらいことに。すごすぎ。私もだまされてしまった。
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1517年に神聖ローマ帝国での修道士マルティン・ルターによる討論の呼びかけは、キリスト教の権威を大きく揺るがした。カトリックとの長きにわたる戦争などを経たプロテスタンティズムは、新大陸アメリカへと広まっていった。そして、聖書の解釈を最重要視する思想潮流はプロテスタンティズムと呼ばれ、ナショナリズム、保守主義、リベラリズムなど多面的な顔を持つにいたった。世界に広まる中で、政治や文化にも強い影響を及ぼしているプロテスタンティズムについて歴史的背景とともに解説し、その内実を明らかにする。
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