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人生の短さについて 他2篇 の商品レビュー

3.9

77件のお客様レビュー

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2019/04/29

岩波文庫はKindleで読めなかったので、こちらにした。訳や注釈も読みやすく、必ずしも岩波文庫にこだわる必要はない。 人生の短さについて、だけを読んでの感想になるが、内容としては残念ながら星2つレベルである。ストア哲学では理性、自省録を書いたマルクス・アウレリウスは自然(宇宙の...

岩波文庫はKindleで読めなかったので、こちらにした。訳や注釈も読みやすく、必ずしも岩波文庫にこだわる必要はない。 人生の短さについて、だけを読んでの感想になるが、内容としては残念ながら星2つレベルである。ストア哲学では理性、自省録を書いたマルクス・アウレリウスは自然(宇宙の秩序)に則って生きる事を推奨している。 セネカにおいては、その自然は哲学者になることであると言っている。いや、哲学者とは明確に述べてないが、『英知を手にするために時間を使う人』を定義とし、例として哲学者を挙げているので、哲学者という解釈で問題ないと思う。 この哲学者の話が出るまでは、とても吸い込まれるように読んでいた。時間というものが見えないものであるし、当たり前すぎて、お金の浪費は気にするのに、時間の浪費は気にしない人が多い。とか、他人のために時間を費やしすぎている。とか、そういう話は納得がいった。 だからこそ、どのように生きるべきか?が気になっていたのだが、その結論が哲学者とはあまりにも面白くない。 たしかに自然に従って生きることの解釈が人間にとって出来ることの追求だとすれば、『考える』という事なので、哲学者という流れは正しいように見える。 ただ、それはある意味究極論でしかない。考えることだけをすれば、一番理性的というのは理想論で実践的ではない。 もし世界中の誰もが考えることだけをして、生きるとは何か?とか幸福とは何か?だけを考えていたら、誰が国を運営し、誰が食べ物を育てるのか? そういう事をしている人たちの恩恵の上に、哲学者たちが生きられている事を忘れてはならない。哲学者でさえ、他人の時間を奪い、それによって生かされているのだ。 私の思う理想は、自省録で書かれているように、自分の本質や本性を見つけ、それに従って生きていく事なのだと思う。 ただし、自分らしさが自然、つまり宇宙の秩序に反してはいけない。あくまで秩序、理性ある中での自分らしさを発揮する事が大事なのだと思う。 実践的であるはずのスコア哲学が、全く実践的でない点が腑に落ちず、この点数とした。 ==追記== 人生の短さについて、を読んだ後の2つの話、特に心の安定について、はより実践的であり、読み応えがあった。 最も重要な違いは、自分に適した職につくことを勧めている点だ。哲学者こと全てだったはずが、晩年の作品では意見が変化している。 ここにセネカの考え方の変化が見られ、人生を送っていく中でおそらく変化が出たのだと思える。 3つの作品を踏まえれば、星4つくらいなるレベルの話になる。 つまり、2000年前もひとたちの過ごし方も、現代の過ごし方も、文明の差はあれど何も変わってないのだなぁという事だ。 哲学を読み進めるのは確かに大変だ。が、しかし、そこには読むべき意味がしっかりとある。 過去に学び、今を全力で生きるためには、自分の過去だけでなく、2000年以上ある歴史から学べることを学ぶべきである。 その上で何をするのかを考える方が、合理的だと思うから。

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2019/03/21

時間の使い方、悲しみへの対処、自分の弱さとの向き合い方について。セネカの親身な語り口のおかげで、小難しい哲学的考えも抵抗なく受け取れた。古代ローマの人々の暮らしを舞台にしているにもかかわらず、自分の体験とも照らして実感することができ、時代が違っても人の感情は普遍だと思った。

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2019/01/17

ストア派の哲学者の本とは思えない人間味に溢れ平易で愛に満ちた言葉。 人間の姿は文明を超えて変わりないと分かる。

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2019/01/04

いい歳過ぎて古典を読み始めたのだが、面白い! もっと早くに出会いたかった!光文社の新訳古典は読みやすいです。

Posted byブクログ

2018/05/29

なぜ、僕がこの古典を読んだのかというと、 セネカはカリグラ、ネロというローマ帝国二大悪皇帝に仕え、最後はネロ暗殺の嫌疑をかけられ、自殺した、というその人生を知り、読みました。 表題の人生の短さについては、妻の父にあてた手紙形式の「ヒマの勧め」である。 素晴らしいではないか。...

なぜ、僕がこの古典を読んだのかというと、 セネカはカリグラ、ネロというローマ帝国二大悪皇帝に仕え、最後はネロ暗殺の嫌疑をかけられ、自殺した、というその人生を知り、読みました。 表題の人生の短さについては、妻の父にあてた手紙形式の「ヒマの勧め」である。 素晴らしいではないか。 「ヒマ」というと語弊があるので。セネカ流に言えば「閑暇」です。 それは人生を充実させる重要な仕事なのだ。 ローマ帝国時代のストア派・哲学者セネカの味わいある「哲学」が読めます。

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2018/03/30

哲学者セネカの入門書。 人間は理性的に行動するべきであり、その方法を述べている。理想を追求するだけでなく、いかに欠点を和らげるかかかれている点など、実践的な内容である。 2000年前に書かれたにも関わらず、現代人にも多くの示唆があると思う。

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2017/03/17

2017/3/17読了。流石古典新訳、スラスラ読める。もう少しストア派って厳格な印象があったけど、なかなか現実的な内容だった。そもそものストア派に対する認識がズレてたのか、セネカさんが一般化してくれているのかはわからないが。 『心の安定について』の中の蔵書に関する内容が、胸を突...

2017/3/17読了。流石古典新訳、スラスラ読める。もう少しストア派って厳格な印象があったけど、なかなか現実的な内容だった。そもそものストア派に対する認識がズレてたのか、セネカさんが一般化してくれているのかはわからないが。 『心の安定について』の中の蔵書に関する内容が、胸を突いた。 「多数の作家によって道に迷うより、少数の作家に身を任せた方がはるかによい」 わかっちゃいるんですがね〜

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