その手をにぎりたい の商品レビュー
恋愛小説かと思いきや、人生の物語でした。 濃く深い内容に手が止まらず一気読み。 目まぐるしく変わる時代の背景とともに青子さんの印象も変わっていき、年齢を経るごとに逞しく強い女性に。 小さな期待をかき集め自分に都合よく解釈して舞い上がり、地べたに叩きつけられるのを繰り返すことに疲...
恋愛小説かと思いきや、人生の物語でした。 濃く深い内容に手が止まらず一気読み。 目まぐるしく変わる時代の背景とともに青子さんの印象も変わっていき、年齢を経るごとに逞しく強い女性に。 小さな期待をかき集め自分に都合よく解釈して舞い上がり、地べたに叩きつけられるのを繰り返すことに疲れた。 ずしんときました。
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アッコちゃんシリーズ、『BUTTER』に続き5作品目だが、著者が描く美食と女性の成長物語にハマりそう。女性の成長をよく書かれている飛鳥井さんも好きだが、飛鳥井さんはさっぱり、柚木さんはねっとりという感じ。 バブルで日本中が浮かれていた頃、高級鮨店の味と板前の手に魅了された青子...
アッコちゃんシリーズ、『BUTTER』に続き5作品目だが、著者が描く美食と女性の成長物語にハマりそう。女性の成長をよく書かれている飛鳥井さんも好きだが、飛鳥井さんはさっぱり、柚木さんはねっとりという感じ。 バブルで日本中が浮かれていた頃、高級鮨店の味と板前の手に魅了された青子が不動産の会社で活躍し、鮨店に通い詰める。確かに男性の、特に職人さんの手に惚れるという気持ちはよくわかるが、ここまで手にフォーカスした小説は珍しいのでは?恋愛感情は抱くものの発展することはなく、手で心を通わせる2人に少し憧れる。
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バブル期について大学で学んでいたからこんな感じなのかと思った。バブル期すごい。 どの時代でも自分のお金で贅沢をしたいと思う女性は強い。私も行ってみたいお寿司屋さんがあるけれど、まだ座れないなと思ってる。早く座れるように近づきたい。
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私もいつか自分の力で稼いだお金で、職人さんの手からお寿司を食べたいと強く思った。就職のモチベーションになった一冊。あと、あの終わり方が切なくて艶やかで切なくて好き。ご馳走様でした!
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失礼ながら予想外に面白く一気に読んでしまいました。バブル期の東京は経験ありませんが、平成の後半ごろに高級なグルメのお店によく行きました。残念ながらここまで常連になるような通い方は出来ませんでしたが、あの頃が一つの人生のピークだったかも知れないと思うくらい良い時間を過ごさせてもらい...
失礼ながら予想外に面白く一気に読んでしまいました。バブル期の東京は経験ありませんが、平成の後半ごろに高級なグルメのお店によく行きました。残念ながらここまで常連になるような通い方は出来ませんでしたが、あの頃が一つの人生のピークだったかも知れないと思うくらい良い時間を過ごさせてもらいました。記憶が蘇り、懐かしい読書となりました。
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個人的に、自分が何物でもないと、悟っている人の強さは計り知れないと、思う。 そこに自分がいる理由とプライドを持って生きる人のたくましさも好きだけれど、自分の互換は常にあって、絶対的存在ではなく、何物でもないと理解している人の方が、好き。 その手を握れて、よかったね。
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環境の変化にふわふわしながらも、自分の納得いくまでやり切るためには、 厳しく目を光らせてくれる重石みたいな存在が必要なのかもしれない。 お店だったら常連客やスタッフ。 では、わたしにとっての重石は…?
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お鮨食べたくなった。 パートナーがいる、いないとか、家庭がある、ないとか、そんな枠じゃなくて、1人の人間もして、何を大切にしたいかを考えて生きていきたいと思った。
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今まで読んだ柚木さんの作品とは、少し目指すものが違った印象。 とても読み応えがあった。 もしかしたらその時代を知っているから面白かったのかもしれないので、星4つ。
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昭和~バブル期を駆け抜けた女性の物語でしたが、主人公の青子さんの駆け抜ける速度と東京の目まぐるしい変化、そして美味しそうなお寿司を食べる時の描写、何もかもを体感しつつ読みました。 痛いぐらい強く踏ん張っている青子さんにハラハラドキドキして、青子さんと一緒に寿司職人である一ノ瀬さ...
昭和~バブル期を駆け抜けた女性の物語でしたが、主人公の青子さんの駆け抜ける速度と東京の目まぐるしい変化、そして美味しそうなお寿司を食べる時の描写、何もかもを体感しつつ読みました。 痛いぐらい強く踏ん張っている青子さんにハラハラドキドキして、青子さんと一緒に寿司職人である一ノ瀬さんにドキドキして、とにかく感情が忙しく、でもそれが人の時間の経過を見ることなんだと感じれば、より楽しめました。 生きていればきっかけ一つで変わってしまうことばかりで、それは良いことも悪いこともある。何かに固執して傷ついて、でも前に進まないと自分の価値や存在が無になる気がして。そんな焦りにも意地にも似たものを、柚木先生らしく重たくなりすぎることなく、どこか軽さと明るさを持ち合わせた文体で読ませてくれて、読了後の余韻が「はぁ~~」という深いため息と共に出ました。 単なる飯テロ小説かな?と思って読み始めたので、最高の裏切りをされてよかったです!!笑
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