テミスの剣 の商品レビュー
再読。『ネメシスの使者』を読み終えたので、こちらを再読したくなり文庫で。渡瀬刑事の若かりし頃。一生を掛けて背負う十字架。冤罪を巡り時を経て結末を迎える終盤は心臓がぎゅっと痛くなるような読書時間でした。中山さんの作品をたくさん読み込んで来られている今、再読するとあの人も、この人も!...
再読。『ネメシスの使者』を読み終えたので、こちらを再読したくなり文庫で。渡瀬刑事の若かりし頃。一生を掛けて背負う十字架。冤罪を巡り時を経て結末を迎える終盤は心臓がぎゅっと痛くなるような読書時間でした。中山さんの作品をたくさん読み込んで来られている今、再読するとあの人も、この人も!と知っている名前を見ては、勝手に知り合いに会えた気がしてそれも楽しく読めました。でも、『楽しい』では終えられない読書時間。『考える』をいつも与えてくれる中山さんの作品が好きです。
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いろいろな権力がある。 いろいろな権利がある。 常に、正義と表裏をなす。 公共の福祉とも表裏をなす。
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重いテーマですね、冤罪。渡瀬警部のアウトローな部分に目の行きがちな作品が多い中で背負う宿命の厳しさが感じられる一冊です。彼も様々な物を失っていますがエピローグの爽やかな締めくくりでパンドラの匣の最後の希望に触れられたのならいいなと思います。
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冤罪をめぐる立場の数々が描き分けられており、密度の濃い小説だと思う。ミステリーとしては、目新しいものではないだろう。
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2017年37冊目。 今まで読んだ中山七里作品は16作品。その中で間違いなくいちばん面白い作品でした。 これまで読んできて渡瀬の人とナリをそれなりに理解しているつもりだったけど、こんな背景があってこそのあのキャラクターだったのか・・と。 冤罪を扱う話はやっぱりツライ。でもこの作品はそれだけではないところも魅力。 そして読んだばかりの静おばあちゃんの現役時代の苦悩もリンクして、これまで出てきたキャラクターも登場して、中山七里ワールドがさらに広がりました。 ますます全作制覇欲が加熱。 この作品単独でももちろん面白いけど、その他渡瀬が出てくる作品を読んでから読む方が断然面白いと思う。少なくとも「静おばあちゃんにおまかせ」だけは先に読んでおくべきかと。
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何とも「壮大」で「重厚」なストーリー。 作者の筆力でたいへん読みやすい文章ではあるが、 取り上げているテーマはとても重い。 法とは? 正義とは? 責任とは? とあるえん罪事件をメインのテーマに据えながら、 それに関わる全ての人(組織も含む)に 正面切って「永遠の命題」を問うてくる。 「青臭い正論」を振りかざす主人公の、 苦悩と成長の記録...がメインの「背骨」と言えるか。 舞台となる時代も何十年にもわたり、その間に 世の中も人も変わり、世代交代もあり.... 「正直者が馬鹿を見る」世の中を描きつつも、 最後は一応「勧善懲悪」で終わるのでスッキリ(^ ^ 書かれた順番はどちらが先か存じませんが、 同じ作者の「静おばあちゃんにおまかせ」の 高圓寺 静さんが重要な役どころで出てくる。 円ちゃんの登場は、「お遊び」であると同時に、 正義が「引き継がれていく」希望の光として 描かれている...と思う(^ ^ かなりなボリュームではあるが、ぐいぐい引き込まれ、 後半「読み終わるのが惜しい」と思える佳作(^ ^
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渡瀬刑事の若かりしときから現在までの時間を埋める話になるのかな 今回も良いね 正義と悪と偽善と偽悪 混在した中でも自分の信念を大事にしたい
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最後まで明らかにならなかった真実があり,何度もどんでん返しがあっておもしろかった。死刑制度や冤罪など,社会的にも大きな問題提起がされていると思う。
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人は間違いを犯す。 間違えて、それからどうするか。 渡瀬さんのそれからはめっちゃかっこいいです。 自分の罪を理解してずっと忘れない。 罪なんて贖えるものじゃないと思いますが、これ以上ない誠意が見えます。 法務大臣が死刑執行にサインしない理由はそういうのもあるのかと得心がいきました。 ただ、あの人が最後に持ってこられたのでちょっと贖罪の気持ちが薄まる気が・・・ミステリーとしてはどんでん返しが必要ではありますが。
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冤罪事件を焦点にした社会派ミステリ。 冤罪事件に関わってしまった刑事の一生をかけての贖罪が書かれている。 死刑制度や冤罪に対しての問題提起を行いつつ、本書はミステリとしても一級品だった。
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