僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう の商品レビュー
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著名な方々(山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一、永田和宏)の講演・対談集。この著名人の中に興味がある人がいれば楽しめる。何者でもなかった頃、いわゆる若手時代が語られている。自分に響いた箇所は以下。 「どうしたってインターネットで得られないものがある。それは、考え方です。知識をどう使うか。どうやっておもしろいことを見つけ出すか。」 「人間の一番重要な能力は、諦めないということです。動物はできなかったら諦めちゃう。人間はしつこいんです。」「失敗しても失敗しても諦めない。だから人間は空を飛べるようになったし、海中深く潜れるようになったし、様々な道具を発明して、人間の身体以上のことができるようになった」
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立花隆「二十歳の頃」の現代版ぽいと思って手に取ったが、人選なのか、構成なのか、東大と京大の差なのか、自分が20年歳をとったせいか分からないがインパクト少なめ。
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続編と合わせて読んで、9人それぞれで考え方が通底している部分があるなあと思った。たとえば、こうだろうと思ってやってみたら全然違う結果が出てきたというような、先入観が崩壊した際に、全員わくわく感や快感を覚える人たちだった。 また、世界を知ることにより、日本を知らないことに気づかされた・なんだ、自分と同じじゃないか、と共通点を見るけるなど、その場その場を楽しんで自分を見つめ直すことはよいと思う。 コミュニケーションや伝え方の観点では、自分の研究を専門でもない人に面白く思ってもらえるように話す彬子女王や、ハッタリ含めてビジョンを語って説得していく山中教授のような伝え方もあれば、1人だけに伝えるように作品をつくる是枝監督や、受けての想像力にゆだねる演劇や短歌について語る平田オリザさんのような伝え方もあって、色々な伝わり方があるのも面白い。 最後の大隅さんの若者へのメッセージでおおよそ集約されるのかと思うが、それを様々な切り口で各人が話していくところがよかった。 1.長い人類の歴史の中で自分の生きている時代を考えよう 2.自然と親しみ、小さな発見を大切にしよう 3.権威や常識に囚われず、自分の興味、抱いた疑問を大切にしよう 4.情報にながされず自分の眼で確かめよう 5.最初の疑問に繰り返し立ち返ろう 6.人と違うことを恐れずに、自分の道を見極めよう 7.はやりを追うことはやめよう 8.役に立つこととはなにか、長い目線で考えよう 9.自分の理解者をつくろう 人物描写で好きなのは、池田さんの考えだった。とても共感。 よく、自分の作品の中でどの登場人物が好きですかと尋ねられますが、これはとても困る質問です。私は、一回しか登場しない脇役、たとえば酒場のおやじのような人も、みんな大好きです。登場した人物は誰もがそれぞれの人生を背負っているので、その人を主人公にしてどんなふうにもお話が書けます。(p.47)
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是枝監督のファンなので読みました。 天才5人がみんなと同じ人間だということを実感してもらうための書籍とのことでしたが、やはり5人とも若くから頭角を現しているように思う。 以下、備忘録。 山中伸弥 ・iPS細胞のiはiPhoneをパクって小文字にした ・アメリカではみんな「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれた。 日本では「こういうやり方ではダメだ」と忠告の方が多い。ディスカッションで大事なのは、身分の上下があっては絶対にいけない。 ・学生時代に海外に行って欲しい。 ・20代の失敗は宝物。財産。失敗してでも夢中になれることを見つけて欲しい 羽生善治 ・様々な物差しを身につける。3年かかって英語を身につけたら3年の物差し、1週間で竹馬をマスターしたら1週間の物差し。 ・棋士になって、コマを動かす楽しさは捨てなければいけなかった。 是枝裕和 ・講演が苦手。1人で喋るのが苦手。 ・1960年代のテレビドキュメンタリーに権力の抑圧を受けて歪められた姿がみえる ・英語が苦手 ・小説家になりたい ・学生時代、サークルは入らなかった ・大学在学中から映画を撮りたいと思っていた。映画を見まくっていた。 ・協調性がなかった。大人を信用していなかった。 ・クイズ番組、旅番組、情報番組を1年目にやらされてくだらないとしか思えなかった。 ・自分は全く役に立たないと悩んでいた。初めてディレクターとして「地球ZIGZAG」という体験型ドキュメンタリーを作った。 ・1本目でやらせをした。演出というものに自覚的になった。 ・先入観が崩れることが面白い。面白いことが起きてると感じる反射神経が最も求められること。 ・映画は自己表現じゃない。 何かをじっと見ている表情を、見ている先を映さずに撮ると、何を見ているのかを含めて観客はフレームの外を想像し、人物の内面に寄り添う。 ・映画を観てる人が、分かってくれるだろうという信頼感がないと説明に走ってしまう。テレビはながら見でも分かるように作るが、地球ZIG ZAGのプロデューサーからは「誰か一人に向けて作れ」と言われた。彼女でも母親でも。それが今も役に立ってる。 ・自分の映画で取り上げたものが日常に戻った時にちょっと違って見えるようになるよう意識している ・普段自分たちは全然物事をみていない。カメラは世界を発見する道具と子供たちにも教えている。 ・巡るというのが好き。楕円時間。1年経って桜が咲いているが去年のものとは違う。少し成長、進んでいる。 登場する人物にも変化が生まれる。 ・悪を排除して解決出来ることなんて大して問題じゃない。 神もいないと思ってるので、グレーゾーンの中で物語を作り続けたい。
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二十代。何をやったら正解というものはない。でも何もしないのだけはやめてほしい。どんなことでもいいから、何かに夢中になっていたら、自分の成長につながっていく。なんでもいいんだ。 一つでもいいけど、もう一つ何か力を尽くしてるものがあると、one of them で楽になれるかも...
二十代。何をやったら正解というものはない。でも何もしないのだけはやめてほしい。どんなことでもいいから、何かに夢中になっていたら、自分の成長につながっていく。なんでもいいんだ。 一つでもいいけど、もう一つ何か力を尽くしてるものがあると、one of them で楽になれるかも。 自分にしかできないことは何だ。
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大学生の時の自分に読ませたかったな。とはいえ、今だからこそ響く内容なのかも… 今の若い人たちを見ていると、できないことに対する不安が強すぎるかなという気がします。 まさにこれ、自分だ。 英語、全然できないし挫折 転職、自分に何か長けてることないし挫折 もう少し頑張ろうと考えさせ...
大学生の時の自分に読ませたかったな。とはいえ、今だからこそ響く内容なのかも… 今の若い人たちを見ていると、できないことに対する不安が強すぎるかなという気がします。 まさにこれ、自分だ。 英語、全然できないし挫折 転職、自分に何か長けてることないし挫折 もう少し頑張ろうと考えさせられたかな。 ゴリラの話が面白かった。
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山中教授の話は、あの山中先生でも⁉️と勇気付けられる思い出話 羽生さんの話は、もっと具体的な、こうした方が良いが書かれていて参考になった 是枝監督の話は、自分は絶対に監督になると思っていたのがすごいなと思った 感想を読んでいると山極先生の話が良かったという方が多かったが私にはあま...
山中教授の話は、あの山中先生でも⁉️と勇気付けられる思い出話 羽生さんの話は、もっと具体的な、こうした方が良いが書かれていて参考になった 是枝監督の話は、自分は絶対に監督になると思っていたのがすごいなと思った 感想を読んでいると山極先生の話が良かったという方が多かったが私にはあまりピンとこなかった。愛は霧の彼方にを観てみたいと思った。
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(備忘録なので大したことは書いていません) 18冊しかない寂しい本棚に、今回はいい本が追加できそうだ。いつ買ったのか、どこで見つけたのか分からないが、最後の人以外を読んでいて放置していたのを思い出して、最後の人を読んだあと、もう1回始めから読み見返す気になった。何かしら教訓もあっ...
(備忘録なので大したことは書いていません) 18冊しかない寂しい本棚に、今回はいい本が追加できそうだ。いつ買ったのか、どこで見つけたのか分からないが、最後の人以外を読んでいて放置していたのを思い出して、最後の人を読んだあと、もう1回始めから読み見返す気になった。何かしら教訓もあったかと思うが、基本的には興味深いという方向で最高レベルだったため高評価。 ・・・ 山中先生 超有名人だが、ほとんどパーソナリティについて知らない。カッコ笑い付きで饒舌に語られる様子が文字から伝わる。ただの文字起こしだが、空気感まで十分に伝わってきた。気になった一節はアメリカでは一生研究者でいられるというもの。飛躍するが人生を楽しむためのツールとして、子供心や遊び心はいつまでも忘れたくないものだ。それらを持ってる人で、かつ何かしらで成功を収めている人に憧れる。 ・・・ 山極先生 全然知らない人だが、進化論で社会学を解き明かそうとする研究者の経験が興味深い。具体的には餌づけならぬ、人づけという手法の内容自体が興味深かった。人間になつくゴリラ、想像するとなんて微笑ましいのだろう。ゴリラの衝撃の事実┌(┌^o^)┐ホモォ
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先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。 もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開い...
先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。 もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。 そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指したり尊敬する対象がいないんじゃないかみたいなことを述べていて、ふと思ったことがあった。最近……でなくてもここ20年くらい、「尊敬するのは親」なんてのたまう若者が増えてきた気がする。これが以前だったら、歴史上の偉人とか身近でも恩師のような立場の人が挙がっていた気がするんだけど……。こういう傾向も永田さんの懸念とシンクロしていると思う。 4人ともすごいんだけど、確かに身近に思えてくる。すごく頑張るのではなく、目の前の状況を受け入れ、その場その場でちゃんとやってきたということなのかなあ。 講演の後に永田さんとの対談があるんだけど、これがすごくいい。ゴリラの研究をしてきた山極さんのところで、コミュニケーションの何たるかに触れているんだけど、まさに一人でしゃべるのと会話のやり取りをするのとの違い……というか、意味ある会話の魅力が詰まっている。
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立花隆『青春漂流』『二十歳のころ』にしろ、仮に美化されたものだとしても、誰かが己の青年期を回顧し、そこから人生訓を抽象化してくれるなら耳を傾けない手はない。そもそも正解がなく、比べられない人生。与えられるのではなく、掴み取ること。
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