ようこそ授賞式の夕べに の商品レビュー
2021年一冊目。書店大賞授賞式の日、実行委員会に届いた脅迫めいたFAXの謎を解くミステリー。授賞式の時刻に近付くにつれて増していく緊張感がとても良い。書店大賞(モデルは本屋大賞)に対する書店員達の期待や、それに寄せる小説家の葛藤、大賞そのものの是非を考え、関わる人々の熱い気持ち...
2021年一冊目。書店大賞授賞式の日、実行委員会に届いた脅迫めいたFAXの謎を解くミステリー。授賞式の時刻に近付くにつれて増していく緊張感がとても良い。書店大賞(モデルは本屋大賞)に対する書店員達の期待や、それに寄せる小説家の葛藤、大賞そのものの是非を考え、関わる人々の熱い気持ちが読んでいてとても感動した。その分、黒幕の小悪党振りにちょっとがっかりしたんだけど。他作品とのオーバークロス作品でもあり、初めて見るキャラが多くて少し覚えるのが大変だった。(12/30-1/5)【2021-1】
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佐々木花乃 はちまん書店福岡店のアルバイト。経済学部二年生。書店大賞の授賞式に参加する。杏子たちに事件解決を依頼する。 中林玲子 はちまん書店の社員。三十に手が届く。文芸書担当だったが雑誌担当となり、書店大賞の授賞式の参加を断念。 木下杏子 駅ビルの六階にある本屋、成風堂の店員。バイト歴を含め六年ほど書店の仕事に携わる。 西巻多絵 成風堂のバイト店員。杏子の三つ年下。法学部に通う女子大生。 藤村 成風堂のパート。 内藤 成風堂の男性社員。杏子の三つ年上。 市松晃 書店大賞ノミネート作『窓辺のドレミ』作者。覆面作家。 井辻智紀 明林書房の新人営業マン。真柴から「ひつじ」と呼ばれる。 真柴 佐伯書店の営業。 竹ノ内 書店大賞実行委員。シマ屋書店池袋店店長。真柴を介して智紀へ飛梅書店に関する依頼を持ち込む。 秋沢 智紀の上司。女性。 成風堂の店長 三笠正樹 はちまん書店神田店。内藤の伝手で紹介された相手。杏子たちに飛梅書店の経緯を説明する。契約社員。 本のヨシキ堂の店主 初老の男性。 細川 大手出版社の営業。マドンナの笑顔を守る会のメンバー。 望月みなみ ハセジマ書店の文芸書を担当。マドンナの笑顔を守る会におけるマドンナ。 岸田恵美 ハセジマ書店の児童書を担当。過去に書店大賞のスタッフをしていた。 飛石 飛梅書店店主。書店大賞一番の中心人物だった。書店大賞の当日の朝、突然倒れ急死してしまった。 深町晶史 はちまん書店神田店の文芸担当。書店大賞のスタッフを。飛梅書店の件で三笠を疑っている。契約社員。 岩淵 大手出版社の営業。マドンナの笑顔を守る会のメンバー。 海道 大手出版社の営業。マドンナの笑顔を守る会のメンバー。スキンヘッド。 小平 みつば堂。三笠から紹介された相手。元飛梅書店の従業員。 鹿島田 小平の口から出た飛梅書店の元従業員。 上原 小平の口から出た飛梅書店の元従業員。店主が倒れているのを最初に発見した。 谷沢堂 川口のファッションビルの七階に入っている書店。 渡部 浦和のオフィスビル一階に入っているよしむら書店の文庫担当。 緒方 ブックス・カナリアの実用書担当。 伊東 上戸から覚えやすい顔つきで知られる。 上戸啓司 日々テレビ。ディレクター。ニュース番組のローカルネタを担当。本好きから順位が振られる書店大賞は反吐が出るほど嫌い。 丘 チーフディレクター。平日十時台のワイドショーで特集コーナーを持つ。 湯沢 クルー。 新倉 クルー。 江口賢 見てくれの良い金沢出身のレンタルビデオコーナーの店員。 香川保奈美 書店大賞実行委員。杏子たちに書店大賞の説明を行う。 松本 松書店店主。従業員が他にもいたが消息不明。 瀬川啓司 飛石雅臣 飛梅書店創業者。先代の店主。 影平紀真 野田雅美
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明らかに本屋大賞を意識していることが分かる文学賞にまつわる事件を書店員チームと出版社の営業チームが協力して解決する話。 本屋大賞に対する心無い批判も恐れることなく取り上げつつ、本を愛する人たちの想いを評価した良い作品でした。 若者もYouTubeばかり見ていないで、もっと本を読ん...
明らかに本屋大賞を意識していることが分かる文学賞にまつわる事件を書店員チームと出版社の営業チームが協力して解決する話。 本屋大賞に対する心無い批判も恐れることなく取り上げつつ、本を愛する人たちの想いを評価した良い作品でした。 若者もYouTubeばかり見ていないで、もっと本を読んで欲しいです。
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もうすぐそこに授賞式が控えているというのに、なかなか話がつながらなくてハラハラドキドキした。でも多恵ちゃんの自信ありげな態度はなかなか堂に入ってる感じで名探偵の面目躍如というべきなんだろう。 「背表紙は歌う」で直接対面はないようなことを書いていたけど、うまいこと引き合わせたものだ...
もうすぐそこに授賞式が控えているというのに、なかなか話がつながらなくてハラハラドキドキした。でも多恵ちゃんの自信ありげな態度はなかなか堂に入ってる感じで名探偵の面目躍如というべきなんだろう。 「背表紙は歌う」で直接対面はないようなことを書いていたけど、うまいこと引き合わせたものだと思うし、新たなる展開も今後期待できるように思えてきた。
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「成風堂書店事件メモ」の4冊目。 今回は、本屋、じゃなくて、書店大賞の授賞式の1日を描いた長編。 なんと〈井辻智紀の業務日誌〉シリーズの面々も大挙登場。 書店大賞事務局に届いた不穏なFAXを巡って、福岡の書店員・花乃ちゃんに頼られる杏子さん多絵ちゃんに、真柴を介して事務局長直々...
「成風堂書店事件メモ」の4冊目。 今回は、本屋、じゃなくて、書店大賞の授賞式の1日を描いた長編。 なんと〈井辻智紀の業務日誌〉シリーズの面々も大挙登場。 書店大賞事務局に届いた不穏なFAXを巡って、福岡の書店員・花乃ちゃんに頼られる杏子さん多絵ちゃんに、真柴を介して事務局長直々に相談が持ち込まれた井辻くんや「マドンナの笑顔を守る会」の面々が右往左往。 二つのグループがそれぞれ始めた捜査は、途中からは互いに入り乱れ、やがて一つに収斂する。 不穏なFAXやブックカバーの謎に、授賞式における覆面作家の存在や順位の改ざん疑惑など、犯人いわく『クモの糸みたいに張りめぐらせた』策謀はややこしくて、やはりこのシリーズは短編集のほうが良いかななどと思っていたら、最後になって飛梅ならぬ飛松伝説が姿を成しこの一日が過去の出来事を洗い流して、本を愛し売る人たちに対する温かい眼差しの佳い話になった。 真相に辿り着いた多絵ちゃんは凛々しくて、彼女を護ろうとした井辻くんも格好良かった。「守る会」の面々はいつもの通り暑苦しかったが、それぞれに持ち味全開ではあった。 話の中では、書店、じゃなくて、実際は本屋大賞か、の功罪が丁寧に語られており、私は本屋さんて泣ける話が好きなのねくらいしか思っていなかったので、なるほど色んな人がいて様々な視点があるのだと興味深かった。
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「書店大賞」事務局に届いた不穏な内容のファックス。 その謎を、福岡から授賞式のために上京した書店員の佐々木花乃の依頼で、成風堂書店の杏子と多絵が解き明かす。 今回は、出版社の営業、井辻智紀、真柴たちも関わり、同じ謎が立体的に解き明かされていく。 大がかりな仕掛けが楽しい。 ただ...
「書店大賞」事務局に届いた不穏な内容のファックス。 その謎を、福岡から授賞式のために上京した書店員の佐々木花乃の依頼で、成風堂書店の杏子と多絵が解き明かす。 今回は、出版社の営業、井辻智紀、真柴たちも関わり、同じ謎が立体的に解き明かされていく。 大がかりな仕掛けが楽しい。 ただ、福岡、金沢、北関東、都内各所と駆け回り、人も書店員、書店大賞事務局関係者、マスコミ、出版社関係とたくさん出てくるので、読むほうも結構大変かも。 「書店大賞」は、あの有名な賞が思われてならない。 フィクションだから、と思いつつ、やはりいろんな意見、特に批判とかも受けるんだな、と興味深い。
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実在する賞をモデルにした、ミステリー。 今回は2つのシリーズを混在させ両方から謎解きがはじまる。 書店大賞の説明では実際にそうなのかもと思わされる節も。 書店員さんのこの賞への思入れもわかるけれど、覆面作家さんの思いもわかる。 現実の本屋大賞に関心のある方や携わる方は特に楽し...
実在する賞をモデルにした、ミステリー。 今回は2つのシリーズを混在させ両方から謎解きがはじまる。 書店大賞の説明では実際にそうなのかもと思わされる節も。 書店員さんのこの賞への思入れもわかるけれど、覆面作家さんの思いもわかる。 現実の本屋大賞に関心のある方や携わる方は特に楽しめる1冊。 短篇のほうが読みやすいかもと改めて思った。
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書店ミステリ第四弾! 三弾を読んだのは何年前か。ひつじ君シリーズも読んでるけど、いつの事だったか。 読み始めた途端に、あの頃の記憶が蘇り、物語の、中に入り込んでいった。 今回は、本書内では「書店大賞」と銘打たれている「本屋大賞」でのお話。 謎が謎を呼び、本屋の名探偵は相変わ...
書店ミステリ第四弾! 三弾を読んだのは何年前か。ひつじ君シリーズも読んでるけど、いつの事だったか。 読み始めた途端に、あの頃の記憶が蘇り、物語の、中に入り込んでいった。 今回は、本書内では「書店大賞」と銘打たれている「本屋大賞」でのお話。 謎が謎を呼び、本屋の名探偵は相変わらずの活躍で、一気に読んでしまった。 これ以降の続刊が出ていないのが残念。 気長に待とう。
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書店大賞の授賞式の1日を時間単位で本屋大賞ではなく書店大賞としているのは、書店ミステリの誇張、或いはリンクなのだろうか。(と、細かいことが気になる) 書店大賞授賞式の朝、成風堂の「書店の杏子と多絵の元に福岡の「はちまん書店」の佐々木花乃が訪ねてきた。飛梅書店から書店大賞実行委員...
書店大賞の授賞式の1日を時間単位で本屋大賞ではなく書店大賞としているのは、書店ミステリの誇張、或いはリンクなのだろうか。(と、細かいことが気になる) 書店大賞授賞式の朝、成風堂の「書店の杏子と多絵の元に福岡の「はちまん書店」の佐々木花乃が訪ねてきた。飛梅書店から書店大賞実行委員会に送付されてくるFAX。 『だれが「本」を殺すのか』犯人は君たちの中にいる 飛梅書店 金沢にある飛梅書店は八年前に店長が書店大賞の当日に亡くなり、閉店をしている。なぜ、このタイミングでこの奇怪なFAXを誰が何の目的で送付されてきたのかを明らかにして解決をしたいと言う。 今回も長編。本当は長編の方が好みではあるのだが、前回の「晩夏に捧ぐ」よりどちらかと言うとその前の短編集「配達赤ずきん」、「サイン会はいかが」が印象的だったので、どんなもだろうと思いながら、また、まだ読んでいない「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」とのコラボだったこともあり、テンション低めに読み始める。(だったら、井辻智紀のシリーズが届くのを待てばいいのに、なんて言われながら…) テンション低めからでも、本作は短編のほんわか感は、残しながらもちゃんとミステリ小説になっていたこともあり、楽しくは読めたものの、覆面作家の謎、奇怪FAXの謎、深町の謎の繋がり感が少し細く感じ、やっぱり短編の展開の方が好みであると考察する。 でも、井辻智紀を読んでいたらもっとテンション高めから開始できたかもしれないので、もしかしたら、もっとハマったかもしれないとも思う。 事件解決までが1日と言うのが映画なら面白いのだが、小説となると間延び感がある。井辻智紀との関係が本当にこんなものなのだろうかとか、犯人の江口があまり頭が良さそうに感じないこととか、犯人が江口であること自体にも、また深町の悩みや多絵が花乃に飛梅書店の元バイトかを小平に聞いて欲しいと言ったことなど、ところどころ『あれ?』とか『ふぅぅん…』と、気になるところはある。 毎回書店に関する描写があるが、本作は本屋大賞のことであったので先月の本屋大賞を回想しタイミング的にその裏舞台に新たな関心、知識を持てたと思うことができた。
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書店大賞事務局に不審なFAXが届く。 8年前に閉店した、金沢の飛梅書店からの告発状のような脅迫状のような文。 一体だれが何の目的でこんなものを送り付けたのか。 福岡の書店バイトの子とともに杏子と多絵が、謎を解くために奔走すればするほど謎は増し、それとは別ルートで同じ謎を追っていた、別シリーズの出版社営業員たちの調べた事実を突き合わせた時、初めて謎は真実の姿を現わしたのだ。 本筋の謎よりも、その背景である書店大賞(もちろん本屋大賞のこと)の内幕が興味深かった。 本が売れない今、どうやって本を売るかという気持ちから、本屋さんたちが立ち上げたこの賞は、回を重ねるごとに注目を浴び、規模が大きくなり、反面アンチの意見も大きくなってきた。 私ももちろん、「え?これが?」と思う本がなかったわけではないけれど、要は推薦する人が対象とする範囲に私が入っていなかったということなのだと割り切ることにしている。 若い人にぜひ読んで欲しい本、がメインなのだろう。 だってある程度年を経た読書好きは、特に勧められなくても読みたい本があれば読むからね。 もちろん作家と私の相性が悪くて面白く読めないこともあるけれど。 それよりも気になったのは、なぜ金沢の本屋が飛梅書店を名乗るのか。 少なくとも作者ともあろう人が飛梅伝説を知らないはずはない。 だとしたら、金沢に飛梅って…と思ったら、その理由はあっさり明かされる。 しかし、最後まで隠れていた飛松伝説。 こっちは知らなかったなあ。 いくつもの謎が次々と明かされる終盤。 犯人のゲスさはさておき、幾重にも重なる本への、書店への、そして飛梅書店主への想いに涙が出た。 よし、もっともっと本を読もう。
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