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JR上野駅公園口 の商品レビュー

3.4

254件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    28

  5. 1つ

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2024/03/20

ホームレスの男が歩んだ人生、上野公園を行き交う人たちの交わらない人生。描き方はとても自然で引き込まれるけど、内容はかなり重い。疲れた。

Posted byブクログ

2024/03/16

かつて、司馬遼太郎さんは柳美里さんの作品を「研ぎ澄まされた文章」と評価されていらっしゃったそうだ。 著者の柳美里さんは2002年にこの小説を構想し始めたとのこと。2006年にホームレスの方々の間で「山狩り」と呼ばれる行幸啓直前の「特別清掃」の取材などを経て、2014年3月に出版さ...

かつて、司馬遼太郎さんは柳美里さんの作品を「研ぎ澄まされた文章」と評価されていらっしゃったそうだ。 著者の柳美里さんは2002年にこの小説を構想し始めたとのこと。2006年にホームレスの方々の間で「山狩り」と呼ばれる行幸啓直前の「特別清掃」の取材などを経て、2014年3月に出版された。 この「研ぎ澄まされた文章」は12年も磨き続けられてきた結果なのだ。 柳美里さんが一貫して取り組んできたテーマは「居場所のない人に寄り添う物語」だそうだ。このことも評価されたのか、2020年11月にモーガン・ジャイルズさん訳の『TOKYO UENO STATION』)が、2020年の全米図書賞(National Book Award 翻訳文学部門)を受賞。 全米図書賞は次のようなコメントを出している。 Tokyo Ueno Station is a book for our times and a look into a marginalized existence in a shiny global megapolis.

Posted byブクログ

2024/03/11

上野駅で暮らす一人のホームレス男性の人生。 上野駅で感じる光と影の対比がとてもよく描かれていて、心が苦しくなりました。 生き方、物事の捉え方、感じ方、受け止め方、対処の仕方。 人それぞれが、受け止めてひとつひとつ選択していって、人生の道をゴールに向かって進んでいっていることを感じ...

上野駅で暮らす一人のホームレス男性の人生。 上野駅で感じる光と影の対比がとてもよく描かれていて、心が苦しくなりました。 生き方、物事の捉え方、感じ方、受け止め方、対処の仕方。 人それぞれが、受け止めてひとつひとつ選択していって、人生の道をゴールに向かって進んでいっていることを感じさせる小説でした。

Posted byブクログ

2024/01/23

怖い。 私は、浅い人生を歩んでいるのかもしれない。 まだまだ未熟者だからなのかもしれない。 生きる、死ぬ……。 死は、私が考えているよりもはるかに 近くにいるのかもしれない。 生きるのは、暮らすのは、 同じ年に生まれ、同じ日に生まれたのにも かかわらず、こんなにも生き様が違う...

怖い。 私は、浅い人生を歩んでいるのかもしれない。 まだまだ未熟者だからなのかもしれない。 生きる、死ぬ……。 死は、私が考えているよりもはるかに 近くにいるのかもしれない。 生きるのは、暮らすのは、 同じ年に生まれ、同じ日に生まれたのにも かかわらず、こんなにも生き様が違う。 人の数だけ、生き方、道はあるんだ。 羨んだり、蔑んだり、荒んだりする必要はない。 わかってはいるのに、優劣を感じてしまう。 人と比べてしまう、自分の浅はかさがむかつくし、怖いと感じた。

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2024/01/20

「諦念」という言葉が先ず浮かんだ。読んでいて愉しい類いの作品ではないが、貴重な読書体験になった。感謝。

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2024/01/19

最初から最後までずっと暗くて、主人公の悲惨な人生が読んでいて辛かった。ちょっと、気分が滅入ってしまった。

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2024/01/29

全米図書賞受賞作。しかし、何の気なしに手にする本ではなかった。 上野公園でホームレスをしている昭和8年生まれの72歳の男性。 彼の人生の記憶が波のように押しては返す。 上野の雑踏で 目に入る(見るではなく)もの、耳にする(聞くではなく)音が、蓋...

全米図書賞受賞作。しかし、何の気なしに手にする本ではなかった。 上野公園でホームレスをしている昭和8年生まれの72歳の男性。 彼の人生の記憶が波のように押しては返す。 上野の雑踏で 目に入る(見るではなく)もの、耳にする(聞くではなく)音が、蓋をしたはずの彼の記憶を否応なく刺激する。 彼は後悔の海を漂い、他の感情をほぼ失っているのだが、こう述懐する。 「自分は悪いことはしていない。他人様に後ろ指を差されるようなことはしていない。 ただ、慣れることができなかったのだ。人生にだけは慣れることができなかった。人生の苦しみにも、悲しみにも・・・喜びにも・・・」 これに私は衝撃を受けた。この人は私なのかもしれないと感じた。 作者はあとがきで、ホームレスと、震災で家を失った人たちの痛苦が相対したと書いている。

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2023/12/16

難しい本でした。 そして苦しくなるような本でした。 作品を通して、人間とは何か、社会とは何かを深く考えざるを得ない状況に追い込まれました。 「生きる」ことを深く考える機会を与えてもらえました。

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2023/12/08

ゴメンナサイ。 私には難しかったです。 でもこの方の本は好きなので、寝かせておいて忘れた頃にチャレンジします。

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2023/11/10

福島出身の男は、東京オリンピックの前年に出稼ぎのために上野駅に降り立つ。 この頃は、出稼ぎに出ることは普通であったのかもしれない。 男は、盆正月以外家に帰ることなく仕事をし続ける。 21歳だった長男を亡くし、そして父、母…と。 家に戻り年金で夫婦で暮らしていたが、妻をも亡くし、ふ...

福島出身の男は、東京オリンピックの前年に出稼ぎのために上野駅に降り立つ。 この頃は、出稼ぎに出ることは普通であったのかもしれない。 男は、盆正月以外家に帰ることなく仕事をし続ける。 21歳だった長男を亡くし、そして父、母…と。 家に戻り年金で夫婦で暮らしていたが、妻をも亡くし、ふたたび足を向けたところは上野だった。 上野でホームレスとなる。 何故に上野に…なのか? 生き続けるのも辛いのか…? なんとも息苦しい、暗い、と感じてしまう。

Posted byブクログ