検察側の罪人(下) の商品レビュー
下巻に入ってからも怒涛のスピードで展開していったが、クライマックスはなんだか拍子抜けのように感じてしまった。もう少し濃い内容を期待してしまった。 これは勝手に期待した私が悪いのです。 総じては面白かったと思う。 疑問は何故上下巻にしたのだろう?
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上巻は最上のした事に共感できなかったけど、下巻を読み終わったところでその気持ちが変化した。最上は今まで理不尽な判決を見てきただろう。確固たる証拠がないためやむなく釈放やら、弁護士次第で無罪や刑が軽くなるなど。正義がはっきりあるからこその自らの決断だったんだと。咆哮する沖野の気持ち...
上巻は最上のした事に共感できなかったけど、下巻を読み終わったところでその気持ちが変化した。最上は今まで理不尽な判決を見てきただろう。確固たる証拠がないためやむなく釈放やら、弁護士次第で無罪や刑が軽くなるなど。正義がはっきりあるからこその自らの決断だったんだと。咆哮する沖野の気持ちがすごくわかる。無罪を勝ち取った松倉のあの言葉、白川の価値を上げる為だけの弁護。最後は気持ちが晴れずに読了。実際にあった、アメリがで逮捕された三浦容疑者や、ゴーン被告を弁護した弘中弁護士を思い出したよ。
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最上検事の最後はそうなると思っていたけど、それはそれでモヤモヤします。 松倉の最低最悪な性格が本当にムカつく! 最後はもっと叩かれれば良いのに! 白川弁護士も最低だと感じました。 これから沖野はどんな弁護士になるのか楽しみです。 読了後は全然スッキリしないで色々考えさせられる作品です。
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社会の構造を描写し、読者は物語の続きが気になる。それは良いんやけど、その「社会」が誰もが気付いている当たり前のところに焦点当てるのがもったいないと思った。もっと斬新な角度だともっとおもしろかった。 善と悪のグレーゾーン。これは近年子供向け作品でも取り上げられている話題だと思う。「...
社会の構造を描写し、読者は物語の続きが気になる。それは良いんやけど、その「社会」が誰もが気付いている当たり前のところに焦点当てるのがもったいないと思った。もっと斬新な角度だともっとおもしろかった。 善と悪のグレーゾーン。これは近年子供向け作品でも取り上げられている話題だと思う。「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」でも、悪役はそれぞれの背景があってそうなってしまう。 ただ、登場人物「松倉」は最後までクズで、モヤっと。
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最上さん、流石にそれはやり過ぎだろう! と、呆れて終わった上巻から続けて読んだが、雫井さんの素晴らしい文章にどんどん引き込まれて、最後は寝不足になるくらい一気読みでした!
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下巻の方が面白かった。最上の覚悟と家族の思い、沖野の考える正義が心に響く。最後の慟哭が余計に辛くなる。
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前半に比べて後半の方が面白かった。 尊敬する先輩検事の最上に付き、がむしゃらにやって来た沖野だったが、ある時から最上に対しての不信感が止められなくなる。 結局、沖野は検事を辞めることになる。 そこから、最上に対抗する道を選ぶ。 正義を信じてのことだったが、その先にあったラストは本...
前半に比べて後半の方が面白かった。 尊敬する先輩検事の最上に付き、がむしゃらにやって来た沖野だったが、ある時から最上に対しての不信感が止められなくなる。 結局、沖野は検事を辞めることになる。 そこから、最上に対抗する道を選ぶ。 正義を信じてのことだったが、その先にあったラストは本当に求めていたものだったのか… 2024.4.9
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加害者に更生の機会が与えられるのは、性善説がベースになっているから。さらに、育った環境や社会が悪いと甘やかし執行猶予を付けるのも量刑の相場となっている。 そうした反省なき犯罪者の多くが、安易に再犯を重ね新たな被害者を生み出す。 しかし、なぜこれ程加害者に優しい社会を維持する必要性...
加害者に更生の機会が与えられるのは、性善説がベースになっているから。さらに、育った環境や社会が悪いと甘やかし執行猶予を付けるのも量刑の相場となっている。 そうした反省なき犯罪者の多くが、安易に再犯を重ね新たな被害者を生み出す。 しかし、なぜこれ程加害者に優しい社会を維持する必要性があるのか、真剣に考えて欲しい。この仕組みで得をするのは、加害者と弁護士くらい。彼らは雇主と顧客の関係なので、再犯すればするほど、仕事が増えていく。そして、損をするのが被害者家族。死人に口なしとばかり、裁判でありえない抗弁をされたり、例え勝訴しても故人が生き返るわけでもなく、賠償金すら払われないケースさえある。このように被害者ではなく加害者側にとって有利な社会のまま放置するのにはわけがある。(人権を錦の御旗にする)弁護士にとっての人権という名の金づるは加害者であって被害者ではないから。もちろん彼らは、犯罪者の減刑のために雇われているので、被害者側の悲しみや苦しみを無視し、姑息な法廷戦術を平気で行う。仕事とはいえ、そこでは一般社会にあるべき良心や正義など期待できない。 ってことで、このまま加害者優先社会でいいのだろうか?少年法や心神喪失による減刑などのあり方を含めて改めて問うべき。もちろん冤罪を防ぐための努力は必要です。 さて、「正義とは何か」をテーマにした本書。下巻では、証拠捏造と殺人というワイルド7顔負けの私刑を行った検事の「正義」が問われる。結末は想定内だが、最終章が読ませる。とはいえ、沖野の最上弁護申し入れはやりすぎでしょう。 おまけで星3つ。
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やはり、予想通りの結末。 淡々と進んでいった印象。 最上に忍び寄る捜査網がもう少し見たかったなぁ。 松倉の最後はちょっとやりすぎか。
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前半は沖野頑張れ立ち上がれという思いで読み進めた。それはこの国においては法によって全ての人間は従いそして、裁かれるべきだと。それは当然の事だと。信じて疑わなかったからだ。 が、読了後にその思いはグラグラに揺らいだ。 最上が捕まって、ざまぁ!とはならない複雑な気持ちを抱いた。 陽の当たるところに居てそこで守られ、その中で問われる正義と、そうでない極限のところで問われる正義。そこにはどれだけ大きな解釈の差が有るのだろうか? 陽の当たらない方の道を選んだ最上のその先は本当に人間の踏み込む領域では無かったのか? 最上の行為こそ最も本来の人間臭い行いでは無かったのか?……犯した罪は消えない。それを知ってる者が居る限り。例え、法がそれを無かった事にしてしまったとしても……。(語弊が有るが。) 結論は出ない。強いて言うなら……、どの立場に立たされているか。で、正義の概念も変わるのか。と。 (に、しても松倉ーっ!ちと同情してたけど、最後の最後でムカっ!!あいつ、またやるよ!怒) 悪者が捕まってめでたしめでたしで終わらない結末を用意したこの作品の奥行に拍手を送りたい。
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