黒書院の六兵衛(下) の商品レビュー
江戸城無血開城が決まっても居座る旗本がいた。彼の正体について様々な説が出る。全てを明らかにしない終わり方もありである。
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不戦開城決した江戸城に、てこでも動かぬ旗本がひとり。旧幕臣の正体があきらかになるにつれ、城中の誰もが遠ざけ、おそれ、追い出せない…。幕末の武士の屈託まで描き出す。
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的矢六兵衛とは、時代が動くときに必然的に登場する、天から降りてきた最後の武士だったのかな。 江戸幕府そのものか。
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これは明治維新に起きたファンタジーなのだな。上下巻とも巻末に西の丸御殿の見取図と、六兵衛の足取りが記されており、彼が詰める部屋の位が上がっていく。そして、彼を取り巻く旧幕、官軍達の態度も変わり、蔑みの的から尊崇の対象へとなるのだ。それは侍の矜持である武士道への共感なればこそと思わ...
これは明治維新に起きたファンタジーなのだな。上下巻とも巻末に西の丸御殿の見取図と、六兵衛の足取りが記されており、彼が詰める部屋の位が上がっていく。そして、彼を取り巻く旧幕、官軍達の態度も変わり、蔑みの的から尊崇の対象へとなるのだ。それは侍の矜持である武士道への共感なればこそと思われる。最後に辿り着いた黒書院の間は、本来将軍が着座する場所である。そこで若き明治天皇と無言の会話を終えた六兵衛が下城する場面で筆が擱かれた。六兵衛の目的は判ったが、正体はついに詳らかにされず。少しモヤモヤした終わり方だった。
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- ネタバレ
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R4.3.12~4.15 イマイチでした…設定は好きなのにキャラクターに感情移入できない。最近の浅田次郎さん作品はこういうのが多い気がします。残念。
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初めて読んだ歴史物 慣れなくて読み進めるのに苦労したー 武士の矜持、良心、わかるようなわからないような…
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後半これでもかと幕末の主要人物が出てきて、ストーリーが進んでいく。少し退屈な前半から一気に読み進めることが出来る。やっぱりこの時代の小説は見方も色々あるし面白いね。
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滅び去る旧社会にあった建前や理想の在り方、それらすべての美質を、まさに滅びんとする瞬間に心に刻み込めというメッセージは、現在にも響いてくるはず。 動かないことが肝の話なので、さすがに最後ら辺は退屈してきた。 あとやっぱ自分、勝と西郷って好きだな〜。自分の思うふたりの像にピッタリで...
滅び去る旧社会にあった建前や理想の在り方、それらすべての美質を、まさに滅びんとする瞬間に心に刻み込めというメッセージは、現在にも響いてくるはず。 動かないことが肝の話なので、さすがに最後ら辺は退屈してきた。 あとやっぱ自分、勝と西郷って好きだな〜。自分の思うふたりの像にピッタリで、さすが浅田次郎でした。
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的矢六兵衛とは何者だったのか? ただただ無言で座り続ける男の正体を推理してゆくうちに、武士の矜持のとてつもない大きさをすこし実感できた。 徳川260年を最後に時代が大きく変わる様がよくわかるし、何より感動し、記憶に残る大好きな浅田先生の中でもとても大好きな二冊です。
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無戦開場が迫る江戸城。 上野のお山へ最後の戦いを迎えに行くわけでもなく、逃亡するわけでもなく、城内に無言で居座る的矢六兵衛。 六兵衛はいったいどこからきて、どこへゆくのか。 江戸時代という身分に縛られた社会の切なさがそれぞれの人物から感じられた。
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