七月に流れる花 の商品レビュー
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非常に恩田さんらしい作りだと思います。装幀もきれいだし魅力的。ただ、段々明かされていく全容は酷く厳しく理不尽で、少女たちのやりきれなさが哀しい。一人だけなにも知らない「ミチル」の不安感に読者は共感できるので、ある意味きれいには終われているなと思いました。 ただし、読めば読むほどミチルの母親にむかつくというか納得できなくて消化不良。
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少女が体験する一夏のファンタジーホラーミステリー。 自分としては恩田陸ワールド全開という感じでした。 ホラー調で始まり、閉鎖空間によるミステリー&サスペンス、お互いに不信を抱かせるような会話劇、意表を突くSF的設定による謎解きなど、満載です。 しかも、最近の恩田さんらしくきっちり完結しているのもありがたいです。 「八月は冷たい城」とセットになっているようで、残った謎はそちらで明らかになると思います。
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久しぶりに恩田陸を読んだ!という感じでした(これはいい意味で)。 人間は誰しもが選ばれたいと思っている、自己顕示欲を調整できない子供なら余計に。 選ばれた子供たちのかなしいおはなしでした。 どこの土地がモチーフになっているかはちょっとわからないけれど、日本の架空の都市。転校生で何...
久しぶりに恩田陸を読んだ!という感じでした(これはいい意味で)。 人間は誰しもが選ばれたいと思っている、自己顕示欲を調整できない子供なら余計に。 選ばれた子供たちのかなしいおはなしでした。 どこの土地がモチーフになっているかはちょっとわからないけれど、日本の架空の都市。転校生で何も知らない、よそ者の主人公。絵に描いたような優等生のクラスメイト。閉鎖的な空間。物語の中では成立しているおまじないのような常識。わ〜恩田陸だ〜とテンションの上がる要素が盛りだくさん!少女たちの世にも奇妙な物語(少し童話寄り)ってかんじ。 現実的じゃないのに現実的という不思議な感覚に陥っていました。登場人物のインパクトがあまりなかったというか、美しさがもう少し欲しかったので、☆4止まり。
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少女たちの切なくて優しい夏のお話。装丁と挿絵がとてもきれい。酒井駒子さんの絵と、物語の雰囲気がよく合っている。結末は思っていたのと違って、びっくりした。ミチルをはじめ、登場する少女たちが皆、健気で優しくていじらしく感じた。「八月は冷たい城」はどんなお話なのか楽しみ。
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ちょっとしばらく恩田陸から離れていたけど、久しぶりに読んでみた一冊。読みやすかった。どうりで。あとでなんかのWebページで見たら、5・6年生向けって書いてあった。 でも、相変わらずな不思議な世界観。ちょっとダークさ、 怪しさ、繊細さが漂う感じ。恩田陸だなーとわくわくしながら読み進...
ちょっとしばらく恩田陸から離れていたけど、久しぶりに読んでみた一冊。読みやすかった。どうりで。あとでなんかのWebページで見たら、5・6年生向けって書いてあった。 でも、相変わらずな不思議な世界観。ちょっとダークさ、 怪しさ、繊細さが漂う感じ。恩田陸だなーとわくわくしながら読み進めた。 女の子たちの関係があるあるって感じで、不思議な建物も「三月シリーズ」にでてきそうでおもしろかった。 ラストのネタバレはいまいち。
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八月で蘇芳が気にしていた女の子が視点人物となっている。六人の少女の描き分けがあっさり。作家の心は既に八月に飛んでいるような。表紙絵の少女、オフィーリアみたい。
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少女たちが集められた、お城での林間学校。ひと夏の不思議な体験が描かれた、幻想的なミステリ。 「みどりおとこ」に、謎の城、鳴り響く鐘の音、水路を流れる花、と魅力的な要素がてんこ盛り。ひんやりとした涼しげな読み心地の中で、徐々に沸き起こる不穏な気配。そして明らかになっていくこの林間学...
少女たちが集められた、お城での林間学校。ひと夏の不思議な体験が描かれた、幻想的なミステリ。 「みどりおとこ」に、謎の城、鳴り響く鐘の音、水路を流れる花、と魅力的な要素がてんこ盛り。ひんやりとした涼しげな読み心地の中で、徐々に沸き起こる不穏な気配。そして明らかになっていくこの林間学校の意味……独特の世界設定があるので、この謎を自力で解くのは難しそうですが。すべてが繋がったときには「そういうことか!」と。そしてなんともいえず哀愁に満ちた読後感が残りました。でも決して悪い後味じゃありません。 「八月は冷たい城」とも繋がっているようなので、そちらも楽しみ。
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前半と後半で印象がガラリと変わる展開でした。少ないページ数でどう回収するのかな?と思ったけど、上手に終わりましたね。
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…というわけで、こっちは後に読んだのですが。 そのせいもあって、こっちのほうが落ち着いて読めたと思っていたけど、登場人物が少女たちというのもあるのかも。いつもどこか少年よりも少女のほうが先に理性的に大人になる。 こちらも同じように夏の物悲しさの中で淡々と進むけれど、自分が落ち着...
…というわけで、こっちは後に読んだのですが。 そのせいもあって、こっちのほうが落ち着いて読めたと思っていたけど、登場人物が少女たちというのもあるのかも。いつもどこか少年よりも少女のほうが先に理性的に大人になる。 こちらも同じように夏の物悲しさの中で淡々と進むけれど、自分が落ち着いたせいなのか、もともとなのか、ドキドキ感よりは、美しい儀式の流れを追っていくような感覚。 こうやって「夏流(かなし)」の人たちが生きていく世界は、音の通りに「かなしみを夏に流して」過ごすのか。 切なく美しい、残酷な世界。
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どうも恩田陸さんとは微妙に響き合わないんだよなぁ…これも相性なんだろうな、読んでいてなんとなく不協和音を感じてしまう。私の感性とはしっくりこないのかな。面白くなくはないんだけれど…
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