未来のだるまちゃんへ の商品レビュー
5、6年ほど前に読んだのかな 読了後、かこさとしさんの生き様や思いが、ひとつの指針となった。 読んで良かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「子どもっていうのは白紙なんだから、大人がきちんと教育してやれば、好きな色に染められる」みたいなことを言ったりするけれど、僕に言わせれば、冗談じゃない。 子どもには子どもの世界があって、ひとりひとり、自分でちゃんと考えているし、自分の好みや判断を持っているのです。 昨年富山にひとり旅行をした時、ガラス美術館に併設されている図書館で、ハードカバーのこの作品が表に飾られていた。冒頭を読んで泣きながら、いつか買うぞ、と思っていた。 そして先日の静岡旅行で文庫版を見つけ!即購入。買ってよかった読んでよかった。 かこさとしさんのことはもちろん存じていて、特に『からすのパンやさん』は大好き。小さい頃から何度も読んでいるし、パンが並ぶページは今もすぐに思い浮かぶ。読み直す時にもウキウキする。 絵本作家として、子どもに対する大人として(かこさとしさん自身は自分を確固たる大人とは思っていないと推察するが、子どもを慈しむ対象として最上であるかこさとしさんを称するものとして大人という文言を添えさせていただく)、こんなに素敵な方だったのだ、と感動。このような人が子どもに届くように絵本を書いてくださっているの本当に嬉しいなあ。 戦争の「死に残り」と表現されていたの、心に重いものが残った。でもこのように残って、表現してくださったから、『からすのパンやさん』や『だるまちゃんとてんぐちゃん』を楽しんでいた子どもだった私も、今ここでこの本に涙して救われている大人の私も存在できているのだ。 好きな文章を挙げると本1冊になってしまうので、抜粋していくつか。 「子どもは、生きるエネルギーを日々、空費したり、乱費したり、浪費したりしながら、成長していく。あまりにもとりとめなく、行き当たりばったりで、まったく非効率的に見えるかも知れない。 ですが、その野放図で、自由で、とりとめがないことこそが実は肝心で、自分で間違えたり、失敗したりして、行きつ戻りつしながら、ぐんぐん伸びていく時にしかわからないことがある」 「はじめは考えなしにやったっていい。しくじることも、あるだろう。 だけど、しまったと思ったら、次は考えろ。自分でよく考えて、自分をちょっとずつ変えていけばいい。そうして、失敗を乗り越えてゆけるのが人間で、君もその一員なんだよ。 僕はそう伝えたいのです」
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「だるまちゃんシリーズ」「どろぼうがっこう」から「ピラミッド」などのかがく絵本まで、幅広く描かれたかこさとしさんの生涯、そしてこどもたちへの思いががよく分かる。 セツルメントで出会った子達に、真摯に向き合いすぎて、我が子と遊ばなかったのは意外だったし 絵本を書きながら昭和電工...
「だるまちゃんシリーズ」「どろぼうがっこう」から「ピラミッド」などのかがく絵本まで、幅広く描かれたかこさとしさんの生涯、そしてこどもたちへの思いががよく分かる。 セツルメントで出会った子達に、真摯に向き合いすぎて、我が子と遊ばなかったのは意外だったし 絵本を書きながら昭和電工に25年も勤めていたこともびっくりだった。 その中で、印象的だったのは、そこで原子力発電の重水を作っていて、そこに研究室もあったので、勉強もしていたとのことだった。 かこさんが、かがく絵本の1つとして、原子力発電所をずっと描きたかったと言っていた。でも描くことのなく終わってしまった。理由は……。 大人になってから改めて「ピラミッド」の絵本を娘と見た時、あまりにもよくできていて驚いた。マクロからミクロ至る面白さが本当に素晴らしかった。 かこさとしさんが亡くなった今、かこさんに顔向けできるような、おとなになれただろうか。こどもに、ちゃんと大事なことを伝えられるおとなになれているだろうか。 核の脅威、戦争の脅威から未だ逃れられず、恥ずかしくもある。 だるまちゃんを読んで育っていった大人なのに。
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カラスのパン屋さんやだるまちゃんとてんぐちゃんの絵本を描いた作家の自叙伝である。自分が戦時の軍国主義の子どものときからどのように育ち配線を迎え、さらにセツルメントで子どもとどのように関わり、45歳になって会社と絵本作家の二本の草鞋を脱いで絵本作家になったいきさつまで、丁寧にかいて...
カラスのパン屋さんやだるまちゃんとてんぐちゃんの絵本を描いた作家の自叙伝である。自分が戦時の軍国主義の子どものときからどのように育ち配線を迎え、さらにセツルメントで子どもとどのように関わり、45歳になって会社と絵本作家の二本の草鞋を脱いで絵本作家になったいきさつまで、丁寧にかいてある。さらに原発事故についての説明をしない大人についても戦時と同じである、という指摘は新鮮であった。教員養成大学の学生にもぜひ読んでもらいたい本である。
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こんなにひとつのことに邁進できるのか。こんなにも人間の可能性と意味を信じられるのか。ここまで長く情熱を持ち続けられるのか。そしてここまで利他に徹することができるのか。 ページを繰るほどに感動。 作者のメッセージが胸に迫るのは、こんな人生を歩まれてきた方だからなのだと腑に落ちた。
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「終戦から80年経った今だからこそ、読んでほしい1作だと感じた。 多種多様な生き物たちが互いに様々な問題を抱えながら生きているこの時代だからこそ、読んでほしい。 私たちは一体、何のために歴史を学ぶのか? もし、まだ何も知らない小さな子どもにそんな問いをかけられたら、私は間違い...
「終戦から80年経った今だからこそ、読んでほしい1作だと感じた。 多種多様な生き物たちが互いに様々な問題を抱えながら生きているこの時代だからこそ、読んでほしい。 私たちは一体、何のために歴史を学ぶのか? もし、まだ何も知らない小さな子どもにそんな問いをかけられたら、私は間違いなくこの本の話をする。 "かこさとし"という有名な日本人絵本作家のことを話す。彼が生まれ落ちてから亡くなるまでに見てきたもの、感じてきたもの、伝えたかったことを私は、後世にも繋げたい。」
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2025/06/21読了 「子どもは一人の個人。だから大人と子どもは人間対人間」分かっているけど、わが子相手だとこれが本当に難しい。成人してしまったわが子を思い、反省。この本は子育て期に読みたかった。 子どもたちの明日はいつまでも自由で明るくて夢がいっぱい。大人は見守ることこ...
2025/06/21読了 「子どもは一人の個人。だから大人と子どもは人間対人間」分かっているけど、わが子相手だとこれが本当に難しい。成人してしまったわが子を思い、反省。この本は子育て期に読みたかった。 子どもたちの明日はいつまでも自由で明るくて夢がいっぱい。大人は見守ることこそ大事、手助けはほんのちょこっとでいい。見守りながら子どもから教わることは多い。
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工学博士で昭和電工の技師も勤めた絵本作家による、「こども」をテーマに書かれた半生記のような絵本論のようなメッセージ ご自身の感覚に合わせながらこども達を物凄く観察していて、こどもに対する感覚を改めさせてくれる 終戦で価値観が変わったことやその後の日本の様子がうかがえて興味深い ...
工学博士で昭和電工の技師も勤めた絵本作家による、「こども」をテーマに書かれた半生記のような絵本論のようなメッセージ ご自身の感覚に合わせながらこども達を物凄く観察していて、こどもに対する感覚を改めさせてくれる 終戦で価値観が変わったことやその後の日本の様子がうかがえて興味深い 私自身子供の頃この方の絵本が大好きであった。その後も色々書かれていることを知れた。是非読んでみようと思う
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絵本作家かこさとしさんの自伝のような本。軍人を目指したが叶わず、終戦とともに失望したかこさんは、同じ失敗を子供達が繰り返さないように、川崎のセツルメントで活動を始める。子供たちと触れ合う中で、多くのことを子供たちから教わる…。 会社員として仕事には全く手を抜かず、絵本作りにも本...
絵本作家かこさとしさんの自伝のような本。軍人を目指したが叶わず、終戦とともに失望したかこさんは、同じ失敗を子供達が繰り返さないように、川崎のセツルメントで活動を始める。子供たちと触れ合う中で、多くのことを子供たちから教わる…。 会社員として仕事には全く手を抜かず、絵本作りにも本気で取り組むキャパシティの大きさ、決意の強さに感銘を受ける。
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かとさとし先生の絵本にはもちろんお世話になっていたし、だるまちゃんも大好きだったけど、こどもの頃は作者という概念もなかった。長じてから、あれもこれも同じ人が描いていたのかとやっと気づかれるのが絵本作家というものだろう。 大人になったあとも、絵本作家の大御所くらいにしか認識して...
かとさとし先生の絵本にはもちろんお世話になっていたし、だるまちゃんも大好きだったけど、こどもの頃は作者という概念もなかった。長じてから、あれもこれも同じ人が描いていたのかとやっと気づかれるのが絵本作家というものだろう。 大人になったあとも、絵本作家の大御所くらいにしか認識していなかったし、特別ファンというわけでもなかったが、表紙のだるまちゃんが懐かしくて手にとった。初めて訪れた駅でたまたま立ち寄った小さな本屋の品ぞろえが気に入って、応援したい気持ちもあって購入した。 かこさとしは、終戦を19歳で迎える。軍国主義から手のひらを返したように態度を変えた大人に絶望し、未来を子どもたちにみた。東大を出て、会社員として働きながら、セツルメント活動、絵本や劇の創作、研究や論文執筆(博士号取得)に取組んでいたという。こんな人だとは全く知らなかった、専業の絵本作家だと思っていたし、科学的な絵本も手掛けているのはなんとなく知っていたけど、依頼を受けて何でも描いていたのだろうくらいに思っていた。 本書ではどんな意志をもって、仕事に子どもに人生に向き合っていたかが本人の言葉で語られている。セツルメント活動への情熱、子どもの文化や人格に対する敬意が印象的だった。また、自身の家族のことはほぼ放っておいたらしく、家庭人としては落第だったと素直に吐露されている。ご家族以外は知る由もないが、昭和の男性の働き方や家庭との関わりを考えると、それを自伝に書けるのが正直なお人柄を語っていると思うが、そもそも「こどもは自分で遊ぶものだ」「自分にはやらねばならぬことがあるのだから、たとえ暇があっても遊ばない」という主義だったそう。 最近の子どもを見ると、学校や学童保育、習い事で常に大人に管理されると感じる。少子化や生活時間の違いのせいかもしれないけど、街をぶらぶら歩いている子どもとか自転車で群れをなしている子どもを全然見かけない。私が子どもの頃は学校が終わったら友だちと公園で遊んで、チャイムが鳴れば家に帰って親の帰宅を待っていた。かぎっ子だって珍しくなくて、寂しいと思ったことすらなかった。心細く感じることもあったけど、そういう子どもの心理をあらわした児童文学もたくさんあった気がする。大人なのに、子どものそういう気持ちを描ける作家さんたちは本当にすごいと思うし、時代が変わってもちゃんと子どもに支持されていて感慨深い。
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