あのこは貴族 の商品レビュー
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幸一郎は、きっと変わらないよ。 幸一郎に限らず、他人は都合よく変わったりしない。でも、榛原さんは自分を自分の意志で、変えることができる。 (本文より) 上手くいかないことがあると、自分のせいにしたくなくて、何かに責任を押し付けたくて、 何かのせいにしたくて逃げ出したくなることが 私にはよくあります。他の人のせいにしたところで何の解決にもならないことはわかっているのだけど、とにかくその場から逃げ出したくなるのです。でも、自分自身と向き合わないといけないなと改めて感じさせられました。 向き合って、挑戦したいことを模索したいです。
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上流階級、特権階級の人も田舎で暮らす人もとっちも同じ狭い世界で生きている。なんだかハッとさせられる。
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自分の居心地のいい世界から出ようなんて誰も思わない。日本は特に特に出自を気にする文化だと思うから、自分の世界を飛び出したところで行ける世界は限られているのかなあと思ってしまった。残念ではあるけれど、飛び出す人が少ないからこそ私はそちら側でありたいと思う。 美紀の大学時代の感情が...
自分の居心地のいい世界から出ようなんて誰も思わない。日本は特に特に出自を気にする文化だと思うから、自分の世界を飛び出したところで行ける世界は限られているのかなあと思ってしまった。残念ではあるけれど、飛び出す人が少ないからこそ私はそちら側でありたいと思う。 美紀の大学時代の感情がわかりすぎて、自分の大学時代を思い返して少し辛かった。華子の結婚を焦る気持ちは共感するものの、あまりに私の常識から外れていて、私の常識は誰かの非常識っていう言葉を改めて実感した。 もし自分がその世界に生まれていたら同じような運命を辿っていたんだろうなあとも思う。
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東京生まれ、東京育ちのお嬢様榛原華子と、地方から大学入学を機に上京した時岡美紀…。 華子は与えられるものをそのまま享受しこれまで生きてきて、華子と同じ上流階級の幸一郎と結婚することになる…。一方、美紀は経済的な理由もあり大学を中退したがそれでも地元には帰らず東京にすがりつくように...
東京生まれ、東京育ちのお嬢様榛原華子と、地方から大学入学を機に上京した時岡美紀…。 華子は与えられるものをそのまま享受しこれまで生きてきて、華子と同じ上流階級の幸一郎と結婚することになる…。一方、美紀は経済的な理由もあり大学を中退したがそれでも地元には帰らず東京にすがりつくように生き、そんな中、大学で一時一緒だった幸一郎と再会しそこから付き合うようになっていた…。 この2人がこの先どうなるのか…気になって一気読みしました!どちらかといえば、美紀の方に共感を覚えました。私もいったんは田舎を離れ東京で暮らしたこともあるからかな…でも美紀と違うのは、さっさと地元に引き上げてきたことかな(^^;) この作品の読みどころは、華子と美紀が清々しいほどにその人生観を変えられたことかな~って思います!ふたりの友達もいい!!やっぱ、女の方が柔軟性があっていいんじゃない?そんな風に感じながら楽しい読書時間を持てました。
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面白かった! 東京出身で、今は地方に住んでいて、日々、東京と地方の違いを感じている私には面白いテーマだった。 私は東京出身で、キリスト教の女子校に小中高と通っていたので、周りは華子みたいな友達や同級生が沢山いたなと思った。(私の家は華子ほどお金持ちじゃない) 小1の時に、「お母様」「お父様」「お姉ちゃま」「おばあちゃま」とか呼んでる同級生にカルチャーショックを受けたのを今でも覚えている。 「おばあちゃま」と呼んでることに突っ込んで良いのか一瞬悩んだ美紀に共感した。 あと、クリスマスにミサに行くのが普通と思ってる華子はさすがに世間知らずすぎるなと思った。 さすがに、周りの同級生も自分達が日本において特殊な環境で育ったことは、高校もしくは大学を卒業すれば自覚するようになると思う。 華子は2017年で30歳だから、私とほぼ同世代なのに、華子自身も周りの家族も考え方が古すぎて、ひと世代くらい前の話かと錯覚しそうだった。 どちらかといえば相楽さんみたいな、海外にも気軽に行っちゃおうみたいな人が私の周りには多い。 でも、妻として旦那さんに尽くそうみたいな古すぎる考えの人はあまりいないけど、それ以外は華子の要素を持った友達はいるなと思う。 私は相楽さんの、「ドイツが私にとっての上京」っていうのが共感した。 ただ、青木幸一郎みたいに、そこまで上流階級じゃなくても、親に引かれたレールを生きている人はいまだにいるなぁと思う。私はいくらお金があってもそんな人生無理だなと思う。 第一章の、華子の婚活の様子は、自分の女子校時代のお嬢様の友達が婚活してる様子と結構似てて、面白かった。 あと、私は今地方に住んでいて、地元の人たちで、元ヤンのおじさんや、ヤンキーっぽい若者がイキってるのを見ると、なんでこんな狭い世界でイキってんだろうって思っていたけれど、東京から出ない東京出身の人達も、狭い世界だけで生きていることは同じだなということに改めて気付かされた。 あと、私は美紀が好きって言ってた、うるさくてみんなお洒落してくる東京のお店は苦手だなと思った。なるほど、ああいうお店は東京に憧れる人達が作り上げだ理想の東京なんだと思った。 それと、良い夫婦生活は、自分を出して対等に話すべき、っていう考え方は、本当にそうだと思う。 華子が自分の世界を広げて、対等に幸一郎と話すことができて良かったなと、清々しい気持ちになった。
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よかった!すごくよかった! 私も上京組なので、東京に憧れる気持ち、東京に出たらすべて解決するかのような夢見る思考が手に取るように分かる。 そして、夢見ていた「東京」はどこにもなくて、東京に憧れる人たちによって作られる架空の「トーキョー」だと気付くところ、東京によってひどく傷つく...
よかった!すごくよかった! 私も上京組なので、東京に憧れる気持ち、東京に出たらすべて解決するかのような夢見る思考が手に取るように分かる。 そして、夢見ていた「東京」はどこにもなくて、東京に憧れる人たちによって作られる架空の「トーキョー」だと気付くところ、東京によってひどく傷つくこともあるところ、自分と階層が違うところにいる東京人を前にすると、自分がひどく地味で平凡で田舎者に感じることなど、時岡美紀と一緒に追体験するかのようだった。 東京も田舎も実は同じで、お金持ちも田舎者も、みんな狭い世界で暮らしているだけなんだというのが目から鱗だった。 あまりに東京を特別視していたことに、田舎を出てから20年以上経ってから気づいた。 でもやっぱり、「トーキョー」が好きだし、引き続き東京で暮らしたいと思ってしまう。 後半の美紀が熱く語っていたけど、女同士を分断させたり、結婚や家庭などの価値観に縛り付けたり、そういうのってやっぱり、男なんだ?! あーそうか、そうか。来世は男に産まれよう。
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映画がすごくよかったので読んでみた。山内さんの作品の中で一番いいんじゃないかな。全部読んでないけど。 知らない世界を垣間見れてやけにリアルに感じる。知らないのに。映画では心の声が出ないから本を読んでみて華子はこんな人に辛辣なレビューしてたのかとか。美紀は意外に心持っていかれてたんだなぁって愛おしさが増した。 青木さんは映画の中の方が魅力的だったな。 読んでよかった。前向きになれる力強さがある本です。ドロドロしてなくてさっぱりしていて良い!
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東京の裕福な家庭で育った次女の華子は結婚に焦っていた。 知り合いや父のつてを借り、片っ端からお見合いをするものの、どうも自分に合う人に巡り合わず 意気消沈していた矢先に出会ったのは、幸一郎だった。 幸一郎は端正な顔立ちと華子の実家よりも裕福な家庭で物腰もスマートで、 これ以上...
東京の裕福な家庭で育った次女の華子は結婚に焦っていた。 知り合いや父のつてを借り、片っ端からお見合いをするものの、どうも自分に合う人に巡り合わず 意気消沈していた矢先に出会ったのは、幸一郎だった。 幸一郎は端正な顔立ちと華子の実家よりも裕福な家庭で物腰もスマートで、 これ以上の人はいないとスピード婚したものの、幸一郎は仕事の忙しさで華子のことは家に置き去り状態だった。 更に結婚前に知ることになったのは、 幸一郎には地方出身の都合のいい女友達がいたことがわかり 彼にとって華子は実家の体裁と自身の出世を守るための都合のいい結婚相手だということに気づかされた華子の決断。 地方出身で裕福な人たちの仲間には決して入ることはできないと東京にきて気づかされた美紀は それでも雑草魂で生活している彼女の気持ち。 親ガチャじゃないけれど 生まれた時から人生っていうのは もしかしたらある程度決められているって あながち言い過ぎでもないのかなあ、と。 私も上層階層の人たちとは縁のない凡人人生だなあ。
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失恋した時の自分に読ませてあげたい。 結婚に焦っていた時の自分にも読ませてあげたい。 もっと早くに出会いたかった一冊。 結婚は人生のゴールではないし、そこからがスタートだったりすることを教えてくれる一冊。 心に残った文 本文抜粋 「それがわたしにとっては、いちばんのコンプレックスなんです。たまたま恵まれた家に生まれただけで、ベルトコンベアー式にぬくぬく生きてきて、苦労も挫折もなくて、だから人生に、何にも語るべきことがない。学歴も職歴も、全部親がしてくれたことで、自分はなにもしてない。だから釣り書の見栄えはよくても、実際はスカスカなんです。自分の力で何かを得たこともない、成し遂げたこともない。それに臆病だからテリトリーの外に出ようともしない。人生を切り拓く力もない。取り柄もないし、仕事も好きじゃないし、好きじゃない仕事を続ける根性もない。本当になんにもないんです。だから男の人にもすぐに愛想を尽かされてきました。たぶんわたしが、人としてつまらないから。〜
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東京生まれ東京育ちのお嬢様と、上京してきた女性が、一人の男性を巡って出会う話。 …と聞けば、女の修羅場を想像するけれど、蓋を開けると「男VS女」の話で清々しかった! 華子と美紀、そして二人の間を取り持った相楽さんの友情が、気持ちいいくらい正直で対等なところが良い。家柄とか階級の違...
東京生まれ東京育ちのお嬢様と、上京してきた女性が、一人の男性を巡って出会う話。 …と聞けば、女の修羅場を想像するけれど、蓋を開けると「男VS女」の話で清々しかった! 華子と美紀、そして二人の間を取り持った相楽さんの友情が、気持ちいいくらい正直で対等なところが良い。家柄とか階級の違いに、お互い驚く場面もあるけれど、それさえ超えられる女の友情。 面白かったー!
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