1,800円以上の注文で送料無料

首折り男のための協奏曲 の商品レビュー

3.3

300件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    83

  3. 3つ

    136

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2025/01/21

もともとバラバラだった短編に加筆修正してなんとなく連作短編に仕上げた本作。 「首折り男の周辺」 疑う夫婦と間違われた男、いじめられている少年が登場する。首折り男のストーリーは一旦終了したかな?と思わせる序章のようなエピソード。 「濡れ衣の話」 子供を事故で亡くした男が警察と話を...

もともとバラバラだった短編に加筆修正してなんとなく連作短編に仕上げた本作。 「首折り男の周辺」 疑う夫婦と間違われた男、いじめられている少年が登場する。首折り男のストーリーは一旦終了したかな?と思わせる序章のようなエピソード。 「濡れ衣の話」 子供を事故で亡くした男が警察と話をする。ここで「首折り男の周辺」の中の「時空のねじれ」「キャッチボールの約束」のエピソードが登場して繋がる。 この話は本当にこの後どうなったか気になる話。 残念ながら後日談なし 「僕の船」 「首折り男の周辺」で登場した疑う夫婦が登場。 あの、黒澤が出てくる。とてもほっこりして好きな話。 「人間らしく」 不倫の調査を依頼される黒澤と、クワガタを飼育している作家の窪田、そして、学習塾に通う子供の話。 これが1番わかりにくい。 学習塾の話が、「時空のねじれ」が関係しているのか、それとも「神様のご加護」なのか? 「月曜日から逃げろ」 黒澤と制作プロダクションの男、久喜山の話。 月曜日から順番に語られるが、何か違和感がある。時間のトリックが面白い。 首折り男とは、無関係。 「相談役の話」 クワガタ飼育をしている作家(おそらく窪田)と同級生の話。山家清兵衛にまつわるホラー。首折り男と無関係 「合コンの話」 一つの合コンをいろいろな角度から描く。首折り男がちょっとだけ登場する。 そして、最後にピアノを弾いている場面では黒澤らしき人も登場。ここで「僕の舟」でも銀座で楽器屋に立ち寄った話しが出てきて繋がる。 単行本の裏表紙に全てが繋がってすごい結末になるような煽り文句があって期待しすぎた。 一つ一つはとても良い、でも、やっぱり所詮短編。いつもはそれを後半、連絡短編で補ってくれてスキルを感じさせるんだけれど、もともと本当にバラバラだったんだなぁと思うような作品(首折り男と無関係なエピソードもあるし)たちなので、そこまでの完成度は感じなかった。 結局解決しない謎が積もって終わる。 黒澤が出てくるのでファンには嬉しい。

Posted byブクログ

2025/01/07

首折り男を中心に紡がれる不穏当な短編集(全然関係ないのもあったけど)不穏当に人がポンポン死ぬことと、心温るストーリーを両立させるのは流石

Posted byブクログ

2024/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思ったよりひとつひとつの話が独立していた気がする。逆再生の話をして時系列の逆転に気づかせるのおもしろかった。

Posted byブクログ

2024/12/06

伊坂幸太郎はおもしろい。けど、普段以上によくわからない。 首折男から黒澤という空き巣の話になって、合コンの話になって…意味がわからなかったけど、多分短編で読んでると思えばまあ。いつもどおりおもしろい

Posted byブクログ

2024/11/14

2人の男を軸に物語は絡み、繋がり、やがて驚きへと至る!って裏表紙に書いてあったけど、思ってたより繋がらなかった。でも話一つ一つは面白かった。

Posted byブクログ

2024/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊坂氏による2014年の発表作品。 殺人者首折り男のストーリが一つの流れ。もう一つが泥棒(探偵)黒澤の流れ。この二つの通底音が絡み合い、協和音を奏でます。 ・・・ 協奏曲ってなんなの?と、ふと思いました。 Wikipediaの解説を読んでもいまいちの納得感。誤解を恐れずに言えば「独奏楽器と管弦楽によって演奏される楽曲」ということのようです。独奏楽器というのはピアノとかバイオリンのことが多いようです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2 その意味では、「首折り男」と「黒澤」が独奏楽器ですね。そして彼らの周囲を彩る個性豊かなキャラたちが管弦楽という事になりましょう。 ・・・ なお本作は、「首折り男の周辺」「濡れ衣の話」「僕の舟」「人間らしく」「月曜日から逃げろ」「相談役の話」「合コンの話」の7話の独立した短篇の連作のなっています。 もし分けるのならば、「首折り男の周辺」「濡れ衣の話」は、どちらかというと首折り男が独奏をとる協奏曲。 そして「僕の舟」「人間らしく」「月曜日から逃げろ」「相談役の話」は黒澤が独奏をとる協奏曲、でしょうか。 また「合コンの話」はしいて言えば首折り男の話ですが、他のどれよりも独立した話だと思います。 ・・・ 今更ですが、伊坂作品、私は大好きです。 何度となく繰り返し述べていますが、洒脱な会話、個性的なキャラ、予想だにしない展開、時間・章などを跨いだ関連、こうしたところに面白みがあると考えます。 すべて短篇ですが、私は三つ、「首折り男の周辺」「僕の舟」「合コンの話」が面白かったと思います(以下ネタバレ)。 ・・・ 「首折り男の周辺」は、殺し屋大藪と元いじめられっ子小笠原がまさかのドッペルゲンガー的クリソツだったという展開。殺し屋大藪は、人殺しのくせに時々善意を振りまくという謎の性癖。殺し屋そっくりないじめられっ子小笠原が、眼前で自分(にそっくりな殺し屋)が息絶えているのをみて、じゃあ入れ替わってみるか、とふと思う(ふつう思わないよ!)シュールさ。 伊坂ワールドが凝縮した短篇だと思います。 ・・・ 「僕の舟」、これも驚いた。 そもそもこのタイトル、元素記号を覚えるときのアレですよ。水兵(水平?)リーベってやつ。そして、此処での主人公は、上記の「首折り男の周辺」で元いじめられっ子小笠原の隣に居を構えていた老夫婦若林純一・絵美夫妻の、絵美。 若かりし頃、絵美が四日間だけ落ちた淡い恋、その想いの君を探してもらうべく黒澤にお願いするという筋立て。これまたとんだ結論になります。 ・・・ 「合コンの話」は、もう文字通りの舞台。 3対3の合コンの話ですが、これもまた最後の落着がナイス。 ・・・ もう一つ、「人間らしく」で考えたこと。 本篇では黒澤の友人、作家の窪田ががクワガタを飼っているというくだりがあります。 「たとえば、ニジイロクワガタにぐいぐい苛められる別のクワガタは、こう思うはずです。『神様助けてください! どうして救ってくれないんですか』と。ひっくり返っているクワガタにしても、そうですよ。『どうして私がこのような目に遭うんですか。悪いことなどしていないのに。このまま動けず、死ぬなんて。何がいけなかったんですか』と」 「神も仏もいやしない、と嘆く」 「その通りです。でも、神様はいるんですよ。隣の部屋で仕事をしているだけです。気が向けば、ケースを覗いて、そこで気づけば、助けてくれますし」 (P.240-241) いやあ、これを読んで神の偏在みたいなことを考えたのです。 丁度、旧約聖書でヨブ記を読んでいて、ヨブが神様にイジられんばかりだった場景に愕然としたということもあります。 神はいるのかいないのか。いるとしても、実は自堕落で民思いでもなんでもなかったという可能性・・・。 ついでに言えば、今ちょうどニーチェの解説書を読んでいるのですが、ニーチェの「神は死んだ」というのはそもそも神様というのはユダヤ・キリストが作った弱者のための虚構だ、とい主張をしていました。つまり、そもそも神・絶対的存在などないのだ、と。まだ気づかないのか、と。 はてさて、実際にはどうなんでしょうねえ。 ・・・ ということで伊坂作品でした。 デビュー当初の奇想天外なエンタメ路線から、時が下るにつれて、ダークな風合い(ディストピア)・やや実験的な趣向が見られる気がします。それはそれで私は結構好きだったりしますが。

Posted byブクログ

2024/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

”僕の舟“好き。 黒澤も好き。 勝手に最後に怒涛の伏線回収があるかと期待してしまった分ちょっと物足りない終わり方だったけど、ひとつひとつは面白かった。

Posted byブクログ

2024/09/07

すべて完全に繋がっているのかと思いきや、そうではなかったり。 要所要所に登場する人物同士は糸のように絡み合い、どこかで繋がっている。 時空の歪み、自分によく似た人間…わからないままのこともある。

Posted byブクログ

2024/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題通り「首折り男」なる人物が犯人と思われる何件かの殺人事件のお話…かと思いきや 実はいろんな文芸誌に投稿された短編を集めた本でした。 読んでいる間に登場人物(主要)も背景も変わっていきます。ほんの少し、本当にほんの少し要素要素が各話で登場するのでそれを拾うのが面白いかも。 後半は首折り男の行動描写もほぼなく、そのまま終わるという本の構成自体、そしてタイトルとの兼ね合いで好みや評価は分かれることでしょう。 ただし、各話を独立した短編として読んだとしても十分面白いので、私は満足しました!特に合コンの話が好きです。

Posted byブクログ

2024/08/04

20240804 読了。 元々バラバラだった短編が何となくつながり合うように後から調整した本らしい。読みながらそんな感じがした。 どれも面白かったけど、『月曜日から逃げろ』と『合コンの話』が良かった。

Posted byブクログ