i(アイ) の商品レビュー
アイが考えること、暗くてどうしようもないけれどすごく分かる。こんな繊細な感性を持った人が小説の中で自分を表現しながら生きていこうとするエンディングに、すごく救われる。 後書きの又吉さんとの対談形式の中でも出てきていたが、豊かな人は辛いと言ったらいけないかのような、人に言えないしん...
アイが考えること、暗くてどうしようもないけれどすごく分かる。こんな繊細な感性を持った人が小説の中で自分を表現しながら生きていこうとするエンディングに、すごく救われる。 後書きの又吉さんとの対談形式の中でも出てきていたが、豊かな人は辛いと言ったらいけないかのような、人に言えないしんどさ、確かにあると思う。親友のミナの妊娠を巡って、アイはミナに会いたい気持ちと許せない気持ちで葛藤する。本当にそれは苦しい。でも、自分と人には全く別のしんどさがあることは区別しておかなければいけない。1番に出てくる負の感情は差し置いて、その時にしかできない何かがあると思う。物事を考え込むアイに、西加奈子さんの文章に、大事な気持ちを教えてもらえた。
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あなたの悲しみはあなただけのもの 自分は恵まれてるのにこんな風に感じたらいけない 養子として迎えられたアイはその奇跡を十分わかってるから、テレビに流れる悲しい事件にあれは私だったかも知れないと胸を痛める。 でもそれは、その立場だからこそ感じられるのだ、そう感じること自体おこがま...
あなたの悲しみはあなただけのもの 自分は恵まれてるのにこんな風に感じたらいけない 養子として迎えられたアイはその奇跡を十分わかってるから、テレビに流れる悲しい事件にあれは私だったかも知れないと胸を痛める。 でもそれは、その立場だからこそ感じられるのだ、そう感じること自体おこがましいのだ。と感情の逃げ場所がなく内に内に篭ってしまう。 ミナに出会って、感情は貴方だけのもの。 他の誰のものでもない。ということを知って、 ユウと出会って、自分の存在を認識して。 でもまた自分を否定して。 それでもアイは存在する。と導き出せて本当に良かった。 不幸を誰かと比べても仕方がないし、 その質量は本人にしかわからない。 本人にとって辛いのなら、辛いと声にしていいのだと勇気をくれる本だと思った。
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全てを考えすぎる彼女…何事にも悲観的だし思考がいつも悪い方向へと傾きすぎてて、なかなか彼女の心境を理解するのが難しかった。最後まで理解できずに終わってしまったけど、この作品から学べたことは何事もなく平穏にすぎる日々はどこにでもあるわけじゃなくてすごく貴重なものだってこと。感謝の気...
全てを考えすぎる彼女…何事にも悲観的だし思考がいつも悪い方向へと傾きすぎてて、なかなか彼女の心境を理解するのが難しかった。最後まで理解できずに終わってしまったけど、この作品から学べたことは何事もなく平穏にすぎる日々はどこにでもあるわけじゃなくてすごく貴重なものだってこと。感謝の気持ちを忘れずに生きようと思った
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「誰かがどこかで死んでも、空が割れるわけでもなく、血の雨が降るわけでもない。世界はただただ平穏だ。」p.83 考えること、向き合うこと、苦しむこと、知ること、どれかひとつでも私はできていただろうか。と思う。それは幸せだし傲慢だし浅はかだったな
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アメリカ人の父、日本人の母の間に養子で迎えられたシリア難民の子、アイ。世界中の戦争や災害で苦しむ人達の情報に触れる度に、自身の恵まれた環境に引け目を感じてしまうという、聡明ながら考え過ぎてしまう少女の成長の物語。 様々な苦しみや挫折を、親友のミナ、両親、夫のユウ、其々との間の深い...
アメリカ人の父、日本人の母の間に養子で迎えられたシリア難民の子、アイ。世界中の戦争や災害で苦しむ人達の情報に触れる度に、自身の恵まれた環境に引け目を感じてしまうという、聡明ながら考え過ぎてしまう少女の成長の物語。 様々な苦しみや挫折を、親友のミナ、両親、夫のユウ、其々との間の深い思いやり、愛情によって乗り越え成長していく姿が、端的で鋭く的確な表現で描かれ、読み応えがあった。
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※ 自分の生い立ちや生きてきた環境ゆえか、 とてもとても深く生きていること、生かされて いることを考える主人公(アイ)の心の変化の 成長の物語。 考えることの尊さと複雑さを痛感しました。
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この世界にアイは… 自分の手が届かない世界と どうしても自分だけの世界のあいだで苦しむ 優しさとかそんな簡単なことじゃなくて、もっと実存に苦しんでる
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読み始めの頃はなんて残酷な話なんだろうと思ってた。 子供特有のわがまま、自由さ、明るさ、それらがアイにはない。感情を押し込めるように生きている彼女を、読んでいてとても苦しかった。 人間バランス感覚が大事だなと思った。 価値観は人それぞれ。 でも自分だけ幸せは悪いという考えは何と...
読み始めの頃はなんて残酷な話なんだろうと思ってた。 子供特有のわがまま、自由さ、明るさ、それらがアイにはない。感情を押し込めるように生きている彼女を、読んでいてとても苦しかった。 人間バランス感覚が大事だなと思った。 価値観は人それぞれ。 でも自分だけ幸せは悪いという考えは何となく受け付けれなかった。
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「想像」できること、できないこと。アイの人生が幸せであってほしいと思う。 「想像」を押し付けられているようで、日々人が亡くなっているニュースに無関心でいる自分を非難されているよう。アイみたいな感受性がない自分が辱められているというか。
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過去、現在、未来に起こっている事柄で命を落とした人々がたくさん存在することに対して、自分自身がその人を想う気持ちを持つことで、その人たちが生きていたことになるのだと、改めてこの本を読んで感じた。 この世には数え切れないほどのたくさんの命があって、ひとりひとりの人生がある。苦しい思...
過去、現在、未来に起こっている事柄で命を落とした人々がたくさん存在することに対して、自分自身がその人を想う気持ちを持つことで、その人たちが生きていたことになるのだと、改めてこの本を読んで感じた。 この世には数え切れないほどのたくさんの命があって、ひとりひとりの人生がある。苦しい思いをしている人もたくさんいるだろう。だけど、どの人生も本当に尊いものであること、そして自分は誰かの命があって成り立っていることを忘れてはならないと考えた。
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