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三鬼 の商品レビュー

4.3

153件のお客様レビュー

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2023/08/28

「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」の4篇。 『宮部みゆきの江戸怪談散歩』の中で── 「三鬼」の「三」を「山」にするか迷っていたんです。山が舞台の話ですから「山鬼」でもいいんですが、私としては東西の村ではない、三番目のあの世に近いところからくるものの話なので「三鬼...

「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」の4篇。 『宮部みゆきの江戸怪談散歩』の中で── 「三鬼」の「三」を「山」にするか迷っていたんです。山が舞台の話ですから「山鬼」でもいいんですが、私としては東西の村ではない、三番目のあの世に近いところからくるものの話なので「三鬼」でもいいな、と決めかねていたんです。  その話を刊行後の打ち上げのときにカバーの插画も描いてくださった北村さんに話したら、「絶対に『三』がいいに決まってる。山の鬼じゃないですよ」って」 あの世でも、この世のでもない、もう一つの世界。 人の心の中に棲む鬼が あの世とこの世のあわいに現れるということかな。 それぞれに面白く読んだ4篇だった。

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2023/06/14

どの話も引き込まれる珠玉の作品集。浮世を離れて楽しいひとときが味わえる。百物語の語りが実現するのが楽しみ。

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2023/04/07

そろそろマンネリ、と思ったけど お話の転換がとっても自然。 とっても丁寧に書かれた一冊、落ち着いて読み返したい

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2023/02/25

図書館で『きたきた捕物帖』の続編を探していた時、以前読んでいたシリーズの続刊を見つけたので借りてよみました。 1巻2巻の紙の本が家のどこかにあるはずなんだけれど、掘り起こすのはちょっと大変そう… 3巻もある筈…ということで久々に読むことになった今シリーズ、厚みもあったので読み進め...

図書館で『きたきた捕物帖』の続編を探していた時、以前読んでいたシリーズの続刊を見つけたので借りてよみました。 1巻2巻の紙の本が家のどこかにあるはずなんだけれど、掘り起こすのはちょっと大変そう… 3巻もある筈…ということで久々に読むことになった今シリーズ、厚みもあったので読み進めるのに少々難儀しましたものの、すぐに引き込まれてしまいました。 この巻で、主人公に大きな転機が訪れるので、次がとても気になる!

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2022/10/30

以前にも読んでいたが、殆ど忘れているのでまた新鮮な読後である。 『食客ひだる神』がお気に入り。とにかく出て来る料理が美味しそうで美味しそうで…最近は料理やスイーツで人の心や悩みを癒す、みたいな物語が多くて食傷気味だったが、それらとは一線を画す話だった。 流石だなぁ。

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2022/07/19

三島屋シリーズ四弾。 三島屋のなかで語られる不可思議な物語を、主人の姪のおちかが聞く。そうして聞いているうちにおちかの中にあった悲しみや苦しみも解けていく。 今回の話は山奥の村に出るという鬼の話や死んだ者を蘇らせようとする絵描きの話し、香具屋を護っているといあ神の話など。どれもと...

三島屋シリーズ四弾。 三島屋のなかで語られる不可思議な物語を、主人の姪のおちかが聞く。そうして聞いているうちにおちかの中にあった悲しみや苦しみも解けていく。 今回の話は山奥の村に出るという鬼の話や死んだ者を蘇らせようとする絵描きの話し、香具屋を護っているといあ神の話など。どれもとても面白いし、それを聞くおちかの身の回りの話も良い。さすが宮部みゆきさんだなぁ。

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2022/02/23

シリーズ4作目、そろそろマンネリしてくるかな、と思いきやさすがです。 引き込まれました。 特にお気に入りは三鬼。 なんだか悲しい終わりだけれど、救われたような。 余韻が残りました。

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2021/12/23

今日も三島屋に客が訪れてくる。 だが、買い物のためではない。 黒白の間を訪ねてくる。 だが、主人の囲碁の仲間ではない。 言うに言われぬ話を抱えてやってくる。 語る相手は、主人の姪っ子おちか。 語って語り捨て。聞いて聞き捨て。 それだけが約定である。 「人は語りたがる。己...

今日も三島屋に客が訪れてくる。 だが、買い物のためではない。 黒白の間を訪ねてくる。 だが、主人の囲碁の仲間ではない。 言うに言われぬ話を抱えてやってくる。 語る相手は、主人の姪っ子おちか。 語って語り捨て。聞いて聞き捨て。 それだけが約定である。 「人は語りたがる。己の話を。  だがそれは時に、その人生の一端に染みついて離れぬ何かを他者に見せることにほかならぬ。多くの耳に触れ回りたくはない。しかし一度は口に出して吐き出してしまわねば。その何かを墓の下に持って行くのはどうにも辛い。その何かが、いざとなったら墓石の下に収まらないかもしれぬという不安が胸を塞ぐ。  だから、三島屋の変わり百物語は人を集める」(序 P6) 「あの世から戻ってきた死人は、この旅籠の外に出られないのだ。生きていたときと同じようにふるまうことはできないのだ。  それが、死ぬということなのだ」(第一話 迷いの旅籠 P140) 「人の心は面白いもので、どんな贅沢よりも素朴な温もりが染みることもある」(第二話 食客ひだる神 P257) 「弱い者いじめは世の常だ。上士なら平士へ。金持ちなら貧乏人へ。男なら女へ。大人なら子供へ。  やるせなく煮えたぎるばかりの怒りや、身を腐らせる倦怠をいっとき忘れるために、人は弱い者を打ち、いたぶり、嘲る。  その瞬間に、人でなしに堕ちるのに」(第三話 三鬼 P320) 「鬼は、人から真実を引き出す」(第三話 三鬼 P413) 「この世に、あのときの自分よりも恐ろしいものがいるだろうか。あのような無念よりも、悔しい想いがあるだろうか。あれは自分一人のことではなく、人という生きものは、誰でもああいう想いに囚われてしまう機会があるのか。それが煩悩であり、業というものか」(第四話 おくらさま P440) 人は、宿命に翻弄される。 もうだめだと、絶望の淵に立たされる。 そんな時。 誰かに話をきいてもらう。 頷いてくれる。 それだけでいいのだ。 人生は、幸せになるためにあるのだから。

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2021/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新たな登場人物も増えて、今後の展開がますます楽しみに。 「迷いの旅籠」親しい人の死はそこまでのものなのだなと思わされる。 「食客ひだる神」は、束の間、ほっこりできた。 「三鬼」、あやかしよりも恐ろしいのが人。 「おくらさま」は、いつもの不思議話を聞いておしまい、ではなく、人探しをする展開が興味深かった。いろいろな見せ方でさすがだなぁと思う。前作で若先生はやけにあっさりとしてるなと思ったら、国に帰る筋書きに。若先生はこの物語の中で、おちかの変化のきっかけをくれた人だったのだなぁと。

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2021/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時代小説ってあまり読んだことがなかったけど、怪談という切り口があったのと、登場人物が鮮やかにキャラ立ちしているのでとても読みやすい。ベストセラー作家さんってやっぱりすごいな!おちかちゃんには幸せになってほしい。

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