三鬼 の商品レビュー
むーん!やっぱり宮部さんは凄い!!! どれもこれも読み応えたっぷり!迫力も深みも、増し増しです!!! 表題作の「三鬼」がやっぱり一番それを感じたけど、どれも人間の業を抉り出している感じで・・・。 また一歩踏み出したおちかの姿も嬉しい。 ああ、全部読み返したくなってきちゃった...
むーん!やっぱり宮部さんは凄い!!! どれもこれも読み応えたっぷり!迫力も深みも、増し増しです!!! 表題作の「三鬼」がやっぱり一番それを感じたけど、どれも人間の業を抉り出している感じで・・・。 また一歩踏み出したおちかの姿も嬉しい。 ああ、全部読み返したくなってきちゃったよ~~!!!
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三島屋を舞台に不思議な物語を若い娘が聴き集めていくという宮部みゆきの連作。既に単行本になって4作目。江戸時代の商家が舞台、その時代の文化や仕来り等も正確に織り込みながら奇想天外な少々恐ろしいお話は繰り広げられる。 今回は四話あるが、なかでもこの本の題名にもなっている「三鬼」はこの...
三島屋を舞台に不思議な物語を若い娘が聴き集めていくという宮部みゆきの連作。既に単行本になって4作目。江戸時代の商家が舞台、その時代の文化や仕来り等も正確に織り込みながら奇想天外な少々恐ろしいお話は繰り広げられる。 今回は四話あるが、なかでもこの本の題名にもなっている「三鬼」はこの世の者ではないものが登場するという恐ろしさよりも人間の奥深くに眠っている嫌な部分の恐ろしさである。それが物語の悲劇を増幅させていく。人間とは保身のため、生きていくため、究極の選択をこれほどまでに冷酷に下すことが出来るのだと驚く。しかし最後にはその辛い状況を正していこうという「善」の部分もちゃんとあるのだと感動させられる。辛いお話ではあるが救いようのない結末ではない明るい兆しを味わえる作品だ。 またこの不思議話を聞く娘おちかをはじめ彼女を取り巻く人々の動向も読者にとっては気になる部分である。多彩な人物描写と多様な物語の展開、いつもながら宮部みゆきの細部にわたる表現に感嘆させられる。次作も早く読みたくなってしまうシリーズだ。
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初読。図書館。シリーズ4作目で4つの話。なのにマンネリ化することなく、抜群の安定感。それは語られる話の切なさだけでなく、おちかの前向きな変化がよいアクセントになっている。が、ここでその別れと出会いを持ってくるのか…。また次の新しいお話をのんびりと待つことにしますか。
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最高。ものすごいページ数だけど、あっという間に読み終わっちゃって、もっと読んでいたいほど。やっぱりこのシリーズが1番すき!怖いものと優しいものが入り混じって、結局1番怖いのは人間で…。漆黒の籠の中に何も無いっていうのが、うまいなぁと。鬼の顔があるのかと思ったら、それは自分でもあると。すごい!! 青野先生のお別れとこがさらっとしすぎて寂しいけど、いい味出してる新キャラが出てきたし、おちかも気持ちも外へ向かい出してるし、今後も続いていくんですね!でも、次はいったい何年後ですかー??
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三島屋の百物語シリーズ第4弾。 4編からなり、500頁超えではあるが、どの話も読みごたえがある。 本作はおちかの周りでも別れがあり、また新たな出逢いがある。今後の展開も楽しみである。
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三島屋第4弾。 たっぷり読み応えあってうれしい。 表題作の「三鬼」がやはりよかった。 あと今回は聞き捨てだけではないお話もあってわくわくした。
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江戸の袋物屋、神田の三島屋のおちかお嬢さんが一度に一人の語り手を招き入れて 変わり百物語を聞くこのシリーズも、もう第4弾になる。 話を聞いてあげる人が増えるにつれ、 おちかの心の傷も癒え、 その周りの人々との繋がりも深まって、 物語はどんどん面白くなっていくような気がする。 ...
江戸の袋物屋、神田の三島屋のおちかお嬢さんが一度に一人の語り手を招き入れて 変わり百物語を聞くこのシリーズも、もう第4弾になる。 話を聞いてあげる人が増えるにつれ、 おちかの心の傷も癒え、 その周りの人々との繋がりも深まって、 物語はどんどん面白くなっていくような気がする。 今回も4人の語り手の4つの物語が収録されていた。 第一章 迷いの旅籠 山奥の村で死者が次々と蘇ってきて その生き証人という娘が、おちかに事情を語る。 村人の死者に対する想いや情が イキイキと、ユーモアさえ交えて描かれていて、 怖い話なのに、面白くよめた。 第二章 食客ひだる神 餓鬼の神様・ひだる神にとりつかれた仕出し弁当屋の話。 餓鬼に憑りつかれるのに なぜか、餓鬼が福をよびこんで 仕出し弁当屋は栄える一方だったが・・・。 憑神にも愛着を感じる主人公に好感がもてた。 それにしても仕出し弁当屋のメニューは どれもこれもおいしそうだった。 第三章 三鬼 山奥で幽閉された二つの村でおこった奇怪な事件。 貧しい山村ならではの哀しい掟が事件の裏にはあった。 人が生きていくためには 少々の犠牲も仕方がないことなのだろうか。 人の心に住み着く鬼が切なく感じられる作品だ。 第四章 おくらさま 心は14歳のままの老婆が、自分の半生をおちかに語る。 家の守り神を絶やさないために 自らの人生も姉妹も犠牲にしたその秘話を 胸のうちにしまっておくのに耐え切れず、 おちかに打ち明けに来たようだ。 家の守り神とはいったいなんだろうと 切実に考えさせられる作品だった。 百物語、というからには、 怪談めいた不思議話が百話まで続くわけだから、 今でまだ・・・4話の四之続だから、16編? いやー、まだまだ先は長い。 これからどんな奇談が出てきて、 聞き手のおちかがどんな風に成長していくのか、 気になって仕方がない。 次回もとても楽しみにしている。
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3.5 おそろし第四弾 ○迷いの旅籠 逝ってしまった愛する者を、この世に呼び戻したいと願う人々の創り出す危うい世界。 ○食客ひだる神 毎年夏場になると休業してしまう弁当屋「だるま屋」 店主房五郎憑いたひだるさんの肥大化対策だった。 ○三鬼 嗣子なしを理由に、改易になった栗山藩の...
3.5 おそろし第四弾 ○迷いの旅籠 逝ってしまった愛する者を、この世に呼び戻したいと願う人々の創り出す危うい世界。 ○食客ひだる神 毎年夏場になると休業してしまう弁当屋「だるま屋」 店主房五郎憑いたひだるさんの肥大化対策だった。 ○三鬼 嗣子なしを理由に、改易になった栗山藩の江戸家老・村井。妹・志津の受けた暴力の報復に上士を斬り、その処罰として送られた洞ケ森で体験した、鬼との遭遇。極貧に喘ぐ山村の民は何故上村と下村に分かれて暮らしていたのか・・。 村井と共に洞ケ森に送られた砲術師・須加利三郎との数奇な因縁。 ○おくらさま 時刻を違え、忽然と現われた語り部は振り袖姿の老婆。話し終わるとやはり煙のように姿を消す。 修行先から戻った次男・富治郎、新たに登場した貸本屋・勘一らと共に、老婆の語った曰く付きの香具屋・美仙屋を探す。 屋敷をあらゆる災厄から守る「おくらさま」。大事の後の代替わりは娘が一人選ばれるのだった。一方、おちかが想いを寄せる青野利三郎が、国許へ帰る事となりおちかの元を去ってゆく。
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2015〜16年に日経に連載されたものの単行本化で、シリーズ第4作。中編4話で565ページ。 日経で読んでいたので2読目。 いつものように三島屋のおちかが、不思議語りを聴く。 「迷いの旅籠」は隔離されて死んだ名主の家の隠居の家を使い、絵師が亡者をこの世に呼び出した物語。 「ひ...
2015〜16年に日経に連載されたものの単行本化で、シリーズ第4作。中編4話で565ページ。 日経で読んでいたので2読目。 いつものように三島屋のおちかが、不思議語りを聴く。 「迷いの旅籠」は隔離されて死んだ名主の家の隠居の家を使い、絵師が亡者をこの世に呼び出した物語。 「ひだる神」は行き倒れた餓鬼(ひだる神)にとりつかれた弁当屋が共存して商売を広げ、成仏したあとも懐かしむ話。 「三鬼」は、妹を辱めた者を斬って、罪人の遺族などを集めた山間の村の番士にされた侍が、村の不思議を探るうち村の負担になりそうな重傷者の命を取る鬼に出会う物語。 「おくらさま」が出色。 黒白の間に現れた梅と名乗る振袖を着た老婆が、香具屋の美仙屋では災いから店を守る「おくらさま」を祀っていたが、火事の時に店を守ってくれた代わりに次姉の菊が次の「おくらさま」になってしまったという不思議を語って消えてしまう。おちかと従兄弟の富次郎は梅を探すが、貸本屋の若旦那勘一の情報でいまわの際の梅を見舞うことができた。 梅はおちかに「おくらさまになってはいけない」という言葉を残す。おちかが恋心を抱いていた手習所の若先生が郷里に帰り、勘一が現れた。新たな展開がありそうな予感。
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三島屋変調百物語の4作目。細かいことは覚えてないが、私はこれまで、このシリーズはおちかの悲惨な事件のこともあり、少し苦手って印象があったが、この巻の4作はそのおちかがいい方向に踏み出してきており、面白いと思った。しかしこのペースでは百物語達成は私は読み届けられないか・・・
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