我ら荒野の七重奏 の商品レビュー
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『七人の敵がいる』の続編。 だから七縛りということはわかっていたんだけど、主人公の山田陽子さんが初めて登場したのは『レインレイン・ボウ』。 そうか、ここから七縛りだったのか。 で、今回は中学校の部活の話。 前作は文句を言いながらでも役員を引き受けていたから、まあよかったけれど、今回はちょっとね…。 父母会やPTAの役員をやってきたのに、相変わらず我が子だけにしか興味を持たない陽子にいらっとする。 我が子の友達とか、我が子が家の外でどんなふうに過ごしているのかとか、そういうことに全く興味が持てないものかなあ。 知らないものに興味を持てないのはわかる。 でも、役員をやっていれば自ずと我が子の周囲も見えてくるものじゃない? ましてや、前例にとらわれずにいろいろな改革をしてきた陽子が、自分の子どものことしか見ようとしないなんてがっかりだ。 そりゃあ子どもの成長に比例するかのように仕事の責任も重くなる。 生活における自由時間はますます短くなる。 なら、会社でもいろいろ改革すればいいじゃない。 陽子のあとにつづく女性社員や、家族を大切にする男性社員だっているでしょう? まず、夫の意識改革をなぜしない? というようなもやもやはたっぷりあったのだけど、基本的にお金があまりかからない公立学校の部活の中で、破格にお金と親の手がかかる吹奏楽部の実体をよくぞここまで書いてくださいました!という気持ちはある。 中学校のPTAの会計監査をやっていた時、「筋が違うのはわかっていますが、こちらの帳簿もチェックしてもらえませんか?」と、吹奏楽部の帳簿をチェックも頼まれて、部外者には全然わからないところでいかにお金がかかっているのかを目の当たりにした私は、これ、もっと他の親御さんにも訴えたら?と思ったもの。 我が子のことしか考えない(部活における)権力者のお母さんの自分勝手さや、冷房のない体育館を締めきっての真夏の練習とかも、多分当たり前にある話。 本来子どものための部活動のはずなのに、なぜ子どもの気持ちが後回しになるのか。 (部活における)権力者に対抗すべく立ち上がる陽子たち。 ここからが陽子の本領発揮。 けどやっぱり一番格好いいのは、孫娘のために男一人、母さんたちにまじって吹奏楽部を支える野武士のようなゴルビーだ。 ひょうひょうとやれることをこなすのだが、そこには妻と娘に対する贖罪の気持ちもあった。 けれども最後の七重奏。 なんて気持ちのいいエンディング。 どうか女帝エガテリーナの心が本当の音楽を取り戻しますように。 そして、陽子が少しでも親として成長しますように。夫もな。
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「七人の敵がいる」の続編。 スカッとする1冊。 出版社に勤務する山田陽子は、息子の陽介を深く愛する一児の母。 陽介はトランペットに憧れ、中学校に入り吹奏楽部に入部したものの、トランペットからあぶれてファゴットのパートに割り振られる。 陽子は思わず吹奏楽部の顧問に直談判、モンスタ...
「七人の敵がいる」の続編。 スカッとする1冊。 出版社に勤務する山田陽子は、息子の陽介を深く愛する一児の母。 陽介はトランペットに憧れ、中学校に入り吹奏楽部に入部したものの、トランペットからあぶれてファゴットのパートに割り振られる。 陽子は思わず吹奏楽部の顧問に直談判、モンスターペアレントと囁かれるはめに。 やがて、演奏会の会場予約のため、真夏に徹夜で市民ホール前に並ぶ役目にかり出された陽子は、中学生だしそうそう親の出番もないと思っていた自分の間違いに気づくのだった――。 部活動を頑張る少年少女のかげで奮闘する、親たちの姿をユーモラスに描いた、傑作エンターテインメント。
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2018.5.13 読了 ミセス・ブルドーザーこと山田陽子の続編。 小学生だった陽子の息子 陽介が 中学生になり、吹奏楽部に入る。 今度は その保護者としての話。 短編集で、1話目は 新1年生~卒業までの ドタバタが描かれていく。 また相変わらずのドタバタです。 皆に...
2018.5.13 読了 ミセス・ブルドーザーこと山田陽子の続編。 小学生だった陽子の息子 陽介が 中学生になり、吹奏楽部に入る。 今度は その保護者としての話。 短編集で、1話目は 新1年生~卒業までの ドタバタが描かれていく。 また相変わらずのドタバタです。 皆に恐れられている陽子ですが、 陽介が幼稚園の頃からの付き合いのため 唯一 恐れず ガンガンものを言うママ友 遥と 陽子のやり取りが 面白くて、 ほんとに声が出てしまうくらい笑ってしまう。 ある時は、笑ってしまった後に、 即 泣けるシーンがあって、 公衆の場所で読んだら危険です! 危ない人と思われるかも。。。 ある意味 theっちゃーtheな話なんですが、 作者さんの腕でしょうね、 とっても面白くて、どんどん読み進みました! あるある!ネタも満載だし、 子供の部活が同じではないけど、 この部分はわかる!とかあるので、 余計 読みやすかった。
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もしかしてこれって続編・・・? 前作読んだかな?覚えてない・・・w でもこれ単独でも問題なく読めた!笑 大分ぶっ飛んでるなぁとは思ったけどもw
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加納さんにしてはちょっと筆致が荒いというか雑な感が…。親が中学生の部活にここまで労力と金をかけねばならないのか。陽子の手腕に爽快感と同時に殺伐感が。子供よりも親がバタバタしていた。七人の敵の次が七重奏。このシリーズは七で統一するの?高校生の陽介にも会えるのかな。
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中学に入学した我が子のために影となり陽となり駆けまわる親たちの姿を描いたコメディタッチで楽しく読める物語。 強くて引くことを知らない陽子のたくましさは前作と変わらず、いろんな人たちを無理やりにでも引っ張っていくパワーは少し見習いたいなと思うほど。引っ張られるほうはたまったもんじ...
中学に入学した我が子のために影となり陽となり駆けまわる親たちの姿を描いたコメディタッチで楽しく読める物語。 強くて引くことを知らない陽子のたくましさは前作と変わらず、いろんな人たちを無理やりにでも引っ張っていくパワーは少し見習いたいなと思うほど。引っ張られるほうはたまったもんじゃないかもですが…。お約束のイヤミな親グループとの対決もすかっとする展開で王道って感じで楽しかったです。 それにしてもこんなに大変な部活の裏事情を知ると…、みんなよくやっているなあと心から感心するのでした。
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市図書館にて。 前作文庫をタワーから発掘し読み返してから。前作のブルドーザーで大笑いしていたが、今作では駆逐艦並みという圧倒的成長を遂げている。 語り手の交代は、メインの強さ・強引さを分かりやすくするための構造か。営業の福山さんも強く生きてほしい。
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2017.6.29.一人息子陽介のためにPTA活動に孤軍奮闘、闘いを挑んだ山田陽子。可愛い息子も5年生になり、夫の上司に誘われてその息子の吹奏楽コンサートを聴いたことをきっかけに自らもトランペットを吹きたいと言い出す。上司の息子の中学校を受験するも失敗、公立中学校で吹奏楽部に入る...
2017.6.29.一人息子陽介のためにPTA活動に孤軍奮闘、闘いを挑んだ山田陽子。可愛い息子も5年生になり、夫の上司に誘われてその息子の吹奏楽コンサートを聴いたことをきっかけに自らもトランペットを吹きたいと言い出す。上司の息子の中学校を受験するも失敗、公立中学校で吹奏楽部に入ることになる。吹奏楽部の親の会、それは陽子に予期せぬ負担を強いる世界だった。 相変わらず、非常識などという言葉を物ともせず部活動の親の世界を突っ走る陽子の姿を描く。 吹奏楽部の親の会の内部がリアル?に描かれていてとても面白かったが、陽子の自己中ぶりは不快だった。孫のために親の会で活動するゴルビーがいい味を出していて良かった。
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山田陽子は,編集者。会社員でバリバリ働くキャリアウーマン。いいたいことはずけずけ言うタイプ。 陽子の家族はのんびり者の夫,信介と,息子の陽介。 陽子たちは家族で信介の上司に誘われ,上司の息子が入っている学校の吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行く。 その演奏会で,陽介はトランペ...
山田陽子は,編集者。会社員でバリバリ働くキャリアウーマン。いいたいことはずけずけ言うタイプ。 陽子の家族はのんびり者の夫,信介と,息子の陽介。 陽子たちは家族で信介の上司に誘われ,上司の息子が入っている学校の吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行く。 その演奏会で,陽介はトランペットに魅せられ,吹奏楽部に入りたい,その中学校を受験すると言い始めるが……。 そういえば登場人物に覚えがあるなあと思ったら,「七人の敵がいる」のその続きでした。 「七人の敵がいる」では小学校のPTAで大暴れ(笑)ですが,「我ら荒野の七重奏」では,中学校での吹奏楽部を舞台に,顧問や,効率の悪い保護者会に物申す。 成長した陽子は「動かざること山田の如し」と,何とか我慢をしようとするものの……。 中学受験は大変だなあと,今春中学に入学した娘を持つ親としては神妙な顔になってしまいます。いや,うちは公立中だけど。ノーお受験だけど。他人ごとながら,本当に大変。 それから,いま中学校の,しかも吹奏楽部の保護者として「あるある」「いやここまでひどくない(笑)」など,陽子の周囲で起こる出来事に笑いながら読みました。 でも,陽子が驀進していく様が何とも痛快です。言いたいことも言えないオイラとは真逆。だから面白いのか。そうか。
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息子、陽介くんが、小学高学年から中学生になり高校生になるまで。 あるとき、彼は音楽に魅せられ、吹奏楽部に入り… 母親の陽子さんは、ブルドーザーの勢いで息子を応援していきます。 吹奏楽部の親の会のドタバタ、子供たちを応援する陽子やほかのお母さん、おじいさんたちの活躍が楽しく読め...
息子、陽介くんが、小学高学年から中学生になり高校生になるまで。 あるとき、彼は音楽に魅せられ、吹奏楽部に入り… 母親の陽子さんは、ブルドーザーの勢いで息子を応援していきます。 吹奏楽部の親の会のドタバタ、子供たちを応援する陽子やほかのお母さん、おじいさんたちの活躍が楽しく読めます。
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