犯罪小説集 の商品レビュー

吉田修一(著者)

2018/09/18

実際にあった事件をモチーフに脚色した短編5編。
何の事件かわかるものもあれば、全く思い当たらないものもあったが、モチーフに落とし込むためにかえって練り切れておらず、著者本来の力が出せていないような印象。
大好きな作家だが本作は今ひとつかな。
著者のゼロからの創作の方がストーリーにリアリティがあるという妙。

2018/05/06

「もしかして、あの犯罪…？」
と、世間を騒がせたあの犯罪にどこか似た犯罪をモチーフに、加害者と被害者、そして取り巻く人々の深層心理を丹念に描いた作品。
誰でも特別ではない、でもふとした拍子に非日常に入り込み、犯罪への道を進んでしまう。

自分はこういう道を進まないようにしないと、という反面教師の部分もあれば、
「曼珠姫午睡」の英里子のように、犯罪を犯した同級生のゆう子の人生をうらやましい、と思うところも自分の中にあるかも。
そういう自分の内面とも向き合える小説集でした。

2018/04/04

「犯罪小説集」すごいタイトルですね！？

吉田修一といえば、「パークライフ」のようなほんわか描写の小説家というイメージだったのに、気が付けば殺人事件などを題材にする社会派小説家に！？笑

今回も、時代性を感じる短編集。（最近、殺人事件のニュースを頻繁に目にするようになった気がするんだけど、日本も物騒な国になってきたのでしょうかね？笑）

相変わらずの描写力は健在ですね！

2018/03/02

2018.2.8
踏み外す人にはそれぞれの理由がある、当たり前だけど。でもそんな理由を抱えてるのはこの世のほとんど全員だよ。

2019/05/03

読後感は良くない事を分かっていて読む。犯罪者の内面を覗いて納得する恐さ。誰もがはまり込んでしまいそうなみじかな所にポッカリと口を開けて待っている犯罪へ道。読後感は良くないが。

2018/01/10

さすが吉田修一。短編もしっかり読み応えがあり、小説を通して質の高いエンターテイメントを提供してくれる事に感謝。

冒頭の十字路の話は切ないような、不気味なような。結局そうだったのか・・と悲しかったが、でもちゃんとこのように終結させてくれて感謝。じゃないとモヤモヤだけが残っていたと思う。

2018/01/08

犯罪が起こった背景や首謀者，被害者，その他の関係者の思いを細かく記述して，その犯罪自体を物語にしている中編が5つ．2013年7月21日に山口県の周南市 金峰（旧鹿野町）で発生した連続殺人放火事件を題材にしたと思われる「万屋善次郎」が面白かった．実際に現場を見に行ったので特に印象が強かった．大王製紙の井川意高前会長が2011年11月21日、ギャンブルに狂い巨額の借り入れをし会社法違反(特別背任)の疑いで刑事告発された事件を元にしたと思われる「百家楽餓鬼」も楽しめた．

2017/10/09

吉田修一「犯罪小説集」 http://www.kadokawa.co.jp/product/321605000308/ … 読んだ。中心となる事件を軸に、取り巻く罪というか業みたいなものも描いていて、そっちがおもしろいのが吉田修一らしさ。５編のうち幼女失踪とカジノ横領がいいけど後は物足りない。１作ずつ長編で読みたかったな（おわり

2017/08/24

現実の事件にインスパイア⁇
にしてはオチもだら〜としてしかもつまらない…
まだ週刊新潮のがマシだな
掘り下げもあさいし、なんか文章下手になってるし…

2017/08/25

いつかどこかで聞いたような事件５編、だがドキュメンタリーではなくあくまで創作だ。共通していることは、人はいつ犯罪を起こす境遇に陥るかもしれないということで、人間の弱さが描かれている。物語のほとんどは周りの目から描かれており、その関わった者をも巻き込んでいく、それぞれの人間が儚げだった。