手のひらの京 の商品レビュー

綿矢りさ(著者)

2016/11/16

綿矢さんの作品を読むたび思う、ああ同世代だな、と。
京都で暮らす三姉妹の話。
父が定年を迎えたのと同時に母も主婦の定年を迎えた。家事はやめます。趣味範囲としての料理をたまにするくらい、あてにしないで、自分たちでなんとかしてください宣言がなんとも潔い。
そんな両親の元に生まれた三姉妹もまた個性的。
結婚適齢期で司書の長女綾香、
男にモテるが女には嫌われやすい根が真っ直ぐな羽依、
理系で男と付き合ったことがない京都に縛られるのを恐れ東京へ出向くことを密かに想い実行へ移す三女凛。

わたしは年齢が綾香で内面は思いっきり羽依だなー…わかるわかると思いながら呼んでしまった。

やはり綿矢さんは節々の言葉回しがいい。センスがいいんだろうな。。。京都に縁がないわたしでも楽しめた素敵な三姉妹小説。

2016/11/15

京都を舞台にした三姉妹の物語。恋愛、結婚、旅立ちと三者三様の道の歩き方を見た気がした。劇的な話ではないけれど、京都の風景も相まって時に美しく時に鋭利で時に優しい気持ちにしてくれる一冊だった。

2016/10/31

三者三様の生き方が、京都の四季折々とうまく融合しながら綺麗に描かれている作品。読みやすかった。奥沢家とたぶん今住んでいるあたりが近いので、賀茂川の描写とか本物をイメージしながら読むのが楽しかった。車があると北区あたりから嵐山まで20分でいけちゃうんですね。すごい羨ましい。そしてあのシーンが一番胸熱だった。綾香さん、凛には感情移入ができて、逆に羽依ちゃんは全く考え方が違って、でもその生き方を素敵だと感じることができました。

京都生まれ京都育ちの凛が東京に出て行きたいと思うのが、他所から京都に来てできるなら京都で就職したかったけど東京に行くことになった自分と綺麗に真逆で、個人的にくるものがありました。

2016/10/23

地味なストーリーも、三姉妹の気持ちも、おもしろく読みました。
わたしも見合い結婚がしたい。前髪がない男の人は風情に欠ける。バーベキューのシーンで羽依が感じることを感じたことがある。大事だから離れたい気持ち。全部知ってる。
し、自分と違う気持ちも、女の人の感じることは全部きくのが楽しいの。

2016/10/22

よかった。
次女の章には綿矢節がきいてたし、長女と三女の話はきれいにまとまってて、疲れないで読める。

2016/10/17

京都で生まれて京都で育ち、京都で就職して家族一緒に暮らしているとこのような感じになるのかな？　と想像しながら読む。
京都に限りらず、親の代からずーっと同じ場所で生活していればおなじような雰囲気にはなりそうなんだけど、京都という特別感がスパイスになっているのかしら？
「〜。知らんけど」という母の口癖。あぁ、関西人ならほぼ言うわ。旦那も、あたしも頻繁に口にしている。ま、聞いた話であって断定できないけど、じゃないの？　的な場合に使用するので、どうしても使用頻度が多いやね〜。ふふふ。

2016/10/11

京都に行きたいなと思って、京都が舞台になったこの本を手に取った。
三姉妹の日常の中の心の葛藤が描かれている。
男である自分も当たり前のように心の中にいろいろな葛藤があるから共感した。
スピード感がある話ではなく日常がゆったり進む話で、そうだからこそ心を打たれウルッとくる部分が何ヶ所かあった。
自分に取って相性の良い作品でした。

2016/10/06

いやー良かった。
京都に暮らす三姉妹の話。現代版の「細雪」と帯にはうたっているけど、どうだろう？
その帯はいらないんじゃない？という気もする。
肝心の内容ついては、京都っていいなと思うと同時に住むには面倒な土地だなという気持ちが読んでいると交互に現れて、三姉妹の個性が読みやすくとてもよい。
やっぱり京都を舞台にした作品はいいなー。