手のひらの京 の商品レビュー
なんて小さな都だろう。私はここが好きだけど、 いつか旅立つときがくる…。京都を舞台に、 人生に恋に悩みながらもまっすぐ生きる 三姉妹を描く現代版「細雪」。
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綿矢りさは初期の頃のを少し読んだくらいで、最近はあんまり触れていなかったのだけど、おもしろかった! 現代版細雪、とのことだけど細雪を読んだことがないのでその辺はわからない。けど、おもしろかった。 三姉妹はもちろんのこと、主婦を定年退職する母や、次女が少しだけ付き合って別れた上司・...
綿矢りさは初期の頃のを少し読んだくらいで、最近はあんまり触れていなかったのだけど、おもしろかった! 現代版細雪、とのことだけど細雪を読んだことがないのでその辺はわからない。けど、おもしろかった。 三姉妹はもちろんのこと、主婦を定年退職する母や、次女が少しだけ付き合って別れた上司・前原などの脇を固める面々も個性的。うーん、前原のようなタイプは私も嫌いじゃないとこあるなあ。演じるのがんばってる人って好きである。三姉妹だと次女・羽依が好き。…実際に仲良くなれるかは別問題ですけども。 最後の父のことは少々気になってもやもやするけど、全体的にはやっぱりおもしろかった。いちばん好きなのは三女・凛が上京をかたくなに否定される理由を考察するところ…奥澤家の魔法を疑う辺りです。
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(2017/2/16読了) まあなんというか… 星3つはおまけ、2.5ってとこでしょうか。 両親が京都にこだわる理由や、祖父祖母との関係性、そしてラストの父の行く末など、放ったらかしが多く、まるで続編ありきで書いたように思える。 次女のキレるシーンとか、恋愛ベタな長女の表し方とか...
(2017/2/16読了) まあなんというか… 星3つはおまけ、2.5ってとこでしょうか。 両親が京都にこだわる理由や、祖父祖母との関係性、そしてラストの父の行く末など、放ったらかしが多く、まるで続編ありきで書いたように思える。 次女のキレるシーンとか、恋愛ベタな長女の表し方とか、少し幼い感じがするなぁ。読者の対象は10代なのかもしない。 (内容) おっとりした長女・綾香、恋愛に生きる次女・羽依、自ら人生を切り拓く三女・凛。生まれ育った土地、家族への尽きせぬ思い。かけがえのない日常に宿るしあわせ。京都に暮らす奥沢家三姉妹を描く、春夏秋冬があざやかに息づく綿矢版『細雪』。
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綾香・羽衣・凛。 京都を舞台に繰り広げられる三姉妹の物語。 三姉妹それぞれに共感できる部分があって、応援しながら読みました。 「京都」というと、よその人はそう容易く受けいれてもらえないような、 柔らかく押し戻されるイメージがあります。 生まれた場所で育ち、生き続けるというこ...
綾香・羽衣・凛。 京都を舞台に繰り広げられる三姉妹の物語。 三姉妹それぞれに共感できる部分があって、応援しながら読みました。 「京都」というと、よその人はそう容易く受けいれてもらえないような、 柔らかく押し戻されるイメージがあります。 生まれた場所で育ち、生き続けるということ。 その閉塞感のようなものが、転勤族の自分にはよくわからないんですが… 故郷って、 たとえ離れて暮らしていても、変わらずそこにあって、 自分のすべてを包み込んでくれる場所。 そういう故郷があることが、羨ましかったりもして…。 ないものねだりですね。 京都に住んでいらした著者ならではの、 古都の街並みや、四季おりおりの景色の描写がとても素敵で、 京都に行きたくなりました。
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低い山々に囲まれた盆地を俯瞰すると、日本の歴史の中心を担ってきた京の都が意外と小さい。思い出も愛も憎しみも手のひらでそっと掬い上げられてしまう。小さな街の3人姉妹の小さな決意。どこにでもありそうな光景だが、それぞれの決意には壁を乗り越えた自信と力が漲っており、激しく勇気付けられる...
低い山々に囲まれた盆地を俯瞰すると、日本の歴史の中心を担ってきた京の都が意外と小さい。思い出も愛も憎しみも手のひらでそっと掬い上げられてしまう。小さな街の3人姉妹の小さな決意。どこにでもありそうな光景だが、それぞれの決意には壁を乗り越えた自信と力が漲っており、激しく勇気付けられる。秀逸な出だしにのっけから酔わされストーリーの面白さも相俟って一気読み。最後まで勢いは削がれることなく楽しませてくれた。生まれてくるパワーを存分に満喫できた。
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京都に住む三姉妹の暮らしを四季折々の風情を交えながら描いた作品。 綿矢りさの作品ではいつも鋭い批評で登場人物が斬られていく印象がある。 今作でも次女の羽衣がその役割を担ってはいるのだが、人間関係の複雑さよりも京都の風景が印象深い作品だった。 初夏のバーベキューから始まり、春の新生...
京都に住む三姉妹の暮らしを四季折々の風情を交えながら描いた作品。 綿矢りさの作品ではいつも鋭い批評で登場人物が斬られていく印象がある。 今作でも次女の羽衣がその役割を担ってはいるのだが、人間関係の複雑さよりも京都の風景が印象深い作品だった。 初夏のバーベキューから始まり、春の新生活で終わる。皇居外苑も含め、どの場所も訪れたくなるし、京都に1年住んでみたいと思わせる。 いつも綿矢りさの鋭さが好きで読んでいたけど、新しい魅力を知ることができたように感じる。 素敵な一冊だった。ぜひ京都旅行の供にしたい。
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京都で暮らすある一家。 ここで生まれ育った両親。 長女の綾香。 図書館司書で、しっかり者、おっとり、真面目。 次女の羽衣。 OL。奔放な性格だけど、芯はしっかりしている。気が強い。派手なせいか女性に嫌われやすい。 三女、凛。 男性と付き合ったことはなく、院で研究に没頭して...
京都で暮らすある一家。 ここで生まれ育った両親。 長女の綾香。 図書館司書で、しっかり者、おっとり、真面目。 次女の羽衣。 OL。奔放な性格だけど、芯はしっかりしている。気が強い。派手なせいか女性に嫌われやすい。 三女、凛。 男性と付き合ったことはなく、院で研究に没頭してきた。京都が好きだからこそ、就職を機に一度外に出たいと思っている。 3姉妹の物語というと、そのうち誰かがダメ男に恋なんかしちゃって、家族もぐちゃぐちゃに〜なんていうお話が多かったのですが、この3姉妹は(ちょっと危うい場面はあったものの、)違ってて、まずとても仲がいい。そして、それぞれの悩みに苦しくなったり、切なくなったりしながら読んでました。 作者の綿矢さん自身、京都の方ということで、それならではの表現も楽しかったです。 京都の伝統芸能「いけず」の説明がとても面白かったです。 京都人が皆、「いけず」の使い手ではなく、学校のクラスでいうと2、3人の割合ということは覚えておこうと思いました。
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どこにでもありそうな普通な家族なのだけど とっても愛おしい人たち。 3人姉妹それぞれが抱える苦悩が とっても共感でき、 またそれぞれが一生懸命なのが 可愛くて可愛くて、 この子達の母親気分で 応援しながら読んだ。
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京都を舞台に三姉妹のそれぞれの生き方が 季節とともに描かれている。 時々はっとさせる文章に出会える。
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好きな空気感。 単純に京都が好きな舞台だからというだけでなく、性格の違う三姉妹の描き方もとても良かった。話自体はドラマチック過ぎず、どのエピソードも現実にありそうなのだけど。丁寧に姉妹の感情が綴られていて、読んでいて気持ちがいい。 今まで読んだ綿矢作品で一番良いかも。 綿矢版「細...
好きな空気感。 単純に京都が好きな舞台だからというだけでなく、性格の違う三姉妹の描き方もとても良かった。話自体はドラマチック過ぎず、どのエピソードも現実にありそうなのだけど。丁寧に姉妹の感情が綴られていて、読んでいて気持ちがいい。 今まで読んだ綿矢作品で一番良いかも。 綿矢版「細雪」と帯にあったけど、わたし、「細雪」読んだことなかった!読んでみよう…。
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