手のひらの京 の商品レビュー
久しぶりに綿矢りさ作品を読んだ。 千年のみやこ京都と明治維新後150年ちょっとの東京とでは、みやことしての年季が違う一方で、今の京都は行政と経済面では一地方都市に過ぎない。 そうしたギャップを当の京都人がどう消化されているのか、片田舎で生まれ育った自分としては、よく想像が出来...
久しぶりに綿矢りさ作品を読んだ。 千年のみやこ京都と明治維新後150年ちょっとの東京とでは、みやことしての年季が違う一方で、今の京都は行政と経済面では一地方都市に過ぎない。 そうしたギャップを当の京都人がどう消化されているのか、片田舎で生まれ育った自分としては、よく想像が出来ないけれど、綿矢さんによる京都独特の「いけず」文化の解説は、よく理解出来た気がする。 綾香(図書館司書31)、羽依(大企業一般職OL一年目)、凛(バイオ化学専攻の修士2年生)の三姉妹は、それぞれまったく似ていないけれど仲は良く、それぞれ魅力的な人格だ。 綾香の描写で、顔がミッフィーそっくり、というくだりがあり、映画化される場合には難所となりそうだ。 少なくとも2回は登場する、羽依の啖呵の切り方は、とても爽快だけど、気持ちいいのはその時だけで、あとはひたすら気まずいだろうなあ。彼氏の梅川くんが、「ヤクザみたいだった」と評すくらいだし。 凛の東京での就職にずっと反対してきた理由として、母親が「都会を夢見て上京して、でも期待通りに行かなくて辛い目にあってボロボロになるんちゃうかと、ずっと心配ばっかりしてた」と述べるくだりは、そういう愛情表現もあるのだな、と意外に思った。 自分が育てた子には、思う存分挑戦して欲しいし、あとで何かうまく行かなかった時に親や周りのひとのせいのせいにするような人間にはなって欲しくない。自分自身を責めて追い詰めて欲しくもないけど。 京都は小さな閉鎖的なまち、という含意のタイトルなのだろうけど、手にとって慈しむ感じもあって、綿矢さんの京都観がよく出ているなと思った。
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京都、家族、三姉妹の日常を描いた物語。 心地いい物語だった。 歴史ある古都京都の観光地ではない姿が垣間見れる魅力ある作品。 三姉妹と母親に少しずつ自分を重ね、さらりと読み終えた。 私にとっての京都は非日常だけれど、また行きたいな。
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羽衣ちゃんの客観的で気の強いとこがすき 色んなことに目を配れる分傷つくことも多いだろうからそれも分かって味方になってくれる人と出会えたらいいなと思った 出てくる男が魅力なさすぎるんよ
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手のひらでそっと掬い上げたかのような私の京、という表現がタイトルの由来だとすると、凛が最も主役に近いのか。しかし、綿矢りささんの作品によく見受けられる、主人公特有のブレーキが効かない感じは羽依に現れている。 特に大きな展開があるわけではないけれど、人の心の深い部分に触れている気が...
手のひらでそっと掬い上げたかのような私の京、という表現がタイトルの由来だとすると、凛が最も主役に近いのか。しかし、綿矢りささんの作品によく見受けられる、主人公特有のブレーキが効かない感じは羽依に現れている。 特に大きな展開があるわけではないけれど、人の心の深い部分に触れている気がして引き込まれる。
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綺麗な話でした。 京都に住む、三姉妹のそれぞれの物語。 長女綾香は年齢から結婚に焦りを感じている。 三姉妹で一番モテる次女羽衣は恋愛に大忙し。 末っ子の凛は、京都からの旅立ちを決意していた。 京都で有名の場所があっても描かれ方が違うというか。京都に住む人はこんな気持ちなんだな...
綺麗な話でした。 京都に住む、三姉妹のそれぞれの物語。 長女綾香は年齢から結婚に焦りを感じている。 三姉妹で一番モテる次女羽衣は恋愛に大忙し。 末っ子の凛は、京都からの旅立ちを決意していた。 京都で有名の場所があっても描かれ方が違うというか。京都に住む人はこんな気持ちなんだな、と。実際に私も京都に住んでいるみたいに感じました。 羽衣がかっこよくて好きでした。 凛も独特な雰囲気がいい…! 綾香には一番感情移入しました。 わかりやすいけど繊細な美しさがあり、静かな話が好きな人にはたまらないと思います!
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3姉妹を中心とした物語。良い。 みんなの気持ちが分かる。 とくに羽衣ちゃんが好き。いけずに啖呵切ったの良かったわ~~ 羽衣ちゃんにはそういう強さの裏にある弱さにも気づいてくれる人がきっと現れると確信した。 でも最後の父からの宣言‥あれは必要あったのか?と思い、読んだ後もモヤッと...
3姉妹を中心とした物語。良い。 みんなの気持ちが分かる。 とくに羽衣ちゃんが好き。いけずに啖呵切ったの良かったわ~~ 羽衣ちゃんにはそういう強さの裏にある弱さにも気づいてくれる人がきっと現れると確信した。 でも最後の父からの宣言‥あれは必要あったのか?と思い、読んだ後もモヤッとしている。 そこが綿矢さんの味なのかな‥リアルにも感じた。
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まさに現代版「細雪」。両親と三姉妹の家族が一つ屋根に住み、それぞれの意志で前に進みながらも家族を気にかける。女性の機微もおもしろかったし、何より明るく清々しいのが良かった。2022.8.30
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新潮文庫の100冊から来ました。ひさびさにほのぼの?ファミリー系を読みましたがやっぱりいいですね。性格の違う3人の姉妹がいるから、女性はどれか1人には共感するんじゃないかな?
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関西の盆地生まれから東京に出て来たからいろんなシーンのニュアンスが分かる気がした。大学は京都やったし。 ホンマに東京は晴れが多い!
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京都に住んでいる人にとってはたまらない作品なんだろう。行間から地元愛に溢れてくるのがひしひしと。馴染みのない私でも郷愁を存分に感じられたのがとてもとてもよかった。 三姉妹それぞれに色々とあったけれどついつい親目線で見守るように読んでしまった。
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