氷の轍 の商品レビュー
釧路の海岸で札幌在住の滝川信夫という老人が死体で見つかる。道警釧路方面本部の大門真由とベテラン刑事片桐が信夫の過去を辿る。信夫がある女性に贈った信夫の蔵書印がある北原白秋の詩集が古書店で見つかり、その足取りが八戸から十和田に広がる。半世紀前の八戸劇場の元経営者、養女に出された二人...
釧路の海岸で札幌在住の滝川信夫という老人が死体で見つかる。道警釧路方面本部の大門真由とベテラン刑事片桐が信夫の過去を辿る。信夫がある女性に贈った信夫の蔵書印がある北原白秋の詩集が古書店で見つかり、その足取りが八戸から十和田に広がる。半世紀前の八戸劇場の元経営者、養女に出された二人の娘との結びつき。そして、釧路の市場の蒲鉾店の女将と保険外交員の女性。様々な過去を紐解きながらそれぞれの人の生き方が浮かび上がってくる。「真実ひとりは耐えがたし」という詞にやるせない思いを感じた。ミステリーでなく重くのし掛かる話。
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もう春ですよね? ってな事で、桜木紫乃の『氷の轍』 とある老人が水死体で発見された。 自殺と他殺の両面で追っていくベテラン刑事と女性刑事が真相解明に奔走する。 桜木紫乃さんには珍しく?ねっとりとした肉体と感情の表現に乏しく、別人が書いたんじゃないかと思う推理小説。 終盤...
もう春ですよね? ってな事で、桜木紫乃の『氷の轍』 とある老人が水死体で発見された。 自殺と他殺の両面で追っていくベテラン刑事と女性刑事が真相解明に奔走する。 桜木紫乃さんには珍しく?ねっとりとした肉体と感情の表現に乏しく、別人が書いたんじゃないかと思う推理小説。 終盤の気持ちの鬩ぎ合いもしっくり来なかったな……。 2018年33冊目
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情景、心情の描写が丁寧で、やっぱり桜木紫乃さん好きだなぁと実感。人の心は奥深いなと、改めて感じます。
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こういう人たしかにいるし、こういう生き方が楽なのも間違いない、ラストを考えるとこの人がこういう人で本当に良かった、と思った 献身は無駄だったかもしれないけど致命的なダメージも与えなかった テーマもとっちらからず綺麗にまとまっていて読みやすかった
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4月-7。3.0点。 元タクシー運転手が、釧路の海で死亡。 被害者の過去を調べ、八戸で捜査する主人公女刑事。 自身も幼女である過去を持ち、屈託を抱えながら捜査。 暗い感じ。しかし丁寧に過去を紐解いて、真相へ。 被害者の哀しい思い込みが悲劇を生んだ。
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この小説は、ミステリーや刑事小説ではなく、運命に翻弄された女性達の生き様を描いた作品だと最初から思って読んだ方がいい。ミステリーにしては伏線の描き方や事件の描写が抽象的だったり観念的だったりするので戸惑う。犯人の動機については、そこに至るまでの感情描写が丁寧なので、そう言う動機も...
この小説は、ミステリーや刑事小説ではなく、運命に翻弄された女性達の生き様を描いた作品だと最初から思って読んだ方がいい。ミステリーにしては伏線の描き方や事件の描写が抽象的だったり観念的だったりするので戸惑う。犯人の動機については、そこに至るまでの感情描写が丁寧なので、そう言う動機もあるのだろうと納得出来た。
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北海道警釧路方面本部の女性刑事を主人公とした長編ミステリー。 主人公大門真由刑事の上司の刑事巡査部長松崎比呂が『凍原』のヒロインだったような。 『凍原』の姉妹編、シリーズになるの? 大門真由は両親とも警察官だったが、わけありの生い立ち。そんな彼女が波けしブロックで発見され...
北海道警釧路方面本部の女性刑事を主人公とした長編ミステリー。 主人公大門真由刑事の上司の刑事巡査部長松崎比呂が『凍原』のヒロインだったような。 『凍原』の姉妹編、シリーズになるの? 大門真由は両親とも警察官だったが、わけありの生い立ち。そんな彼女が波けしブロックで発見された死体、老人被害者の捜査に取り組む。二人組の捜査の相手、片桐周平警部補のキャラクターに絡んでいくところは「お決まりのような」気もするし、また、ところどころ何処かで出会ったようなストーリー、例えば松本清張の『砂の器』の雰囲気を思い出してしまう。でも、ヒロインの内面を鋭く描くところは断然清張より勝ってると思う。それは外面から引き出す「孤独感」よりも内面から滲み出る「孤独感」を克明に描いているからではないか。やはり物語が進むうちにだんだんと引き込まれてくるのは桜木さんの骨頂。 物語の背景にもなっている扉の北原白秋の詩がいい。 「シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。」 二人デ居タレドマダ淋シ、 一人ニナツタラナホ淋シ、 シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、 シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。 (北原白秋「他ト我」より)
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主人公の女性刑事が抱えているわだかまりが 殺人事件を追ううちに、被疑者らしき人々には更に色濃いわだかまりを抱えていることに気付いて行く。彼女とコンビとなった父親くらいの先輩刑事がいい味わいです♪ 貧しさゆえに幼なくして望ましくない道を歩かされた姉妹のそれぞれの性格の違いもうまく描...
主人公の女性刑事が抱えているわだかまりが 殺人事件を追ううちに、被疑者らしき人々には更に色濃いわだかまりを抱えていることに気付いて行く。彼女とコンビとなった父親くらいの先輩刑事がいい味わいです♪ 貧しさゆえに幼なくして望ましくない道を歩かされた姉妹のそれぞれの性格の違いもうまく描かれていて、人間模様の機微が骨格になっており一味違う刑事物に仕上がっています。面白く読める秀作だと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之独楽』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。 北海道警釧路方面本部。新たな刑事の名は、大門真由。 1人の殺人から話は大きく広がり読み応えがあった。しかし、妹を思いやり、母を憎まず、女性として尊敬すべき姉の千恵子に対し、自分と息子さえ良ければよい。という他者を思いやる心が無い妹の小百合が残念でならない。こういう人って実際の社会でもいるんだよね。周囲だけに損させる人。
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桜木さんの本はあんまり合わないなあ、と思っていたが、この本はなかなか良かった。そう厚い本でもないのに、主要人物の生い立ちや背景がしっかりと描かれていて、なおかつ、ミステリーも楽しめる。しかし、それぞれのストーリーが貧しさゆえに辛く、犯人を追いつめるのが苦しくなり、最後には、このま...
桜木さんの本はあんまり合わないなあ、と思っていたが、この本はなかなか良かった。そう厚い本でもないのに、主要人物の生い立ちや背景がしっかりと描かれていて、なおかつ、ミステリーも楽しめる。しかし、それぞれのストーリーが貧しさゆえに辛く、犯人を追いつめるのが苦しくなり、最後には、このままそっとしておいてあげて、と思ってしまうほどだった。読み終えた後、ずしりと胸にくる1冊。
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