祈りの幕が下りる時 の商品レビュー
個人的な感想の域を出ないが、加賀シリーズで最高の作品だと思った。 作品に綴られた様々な形の愛が、読む者の心に迫ってくる。 加賀恭一郎が、なぜ警視庁捜査一課から日本橋署への異動を望んだのか、そしてこれまでベールに包まれていた加賀恭一郎の家族に関する秘密も明かされる。 最初から最後ま...
個人的な感想の域を出ないが、加賀シリーズで最高の作品だと思った。 作品に綴られた様々な形の愛が、読む者の心に迫ってくる。 加賀恭一郎が、なぜ警視庁捜査一課から日本橋署への異動を望んだのか、そしてこれまでベールに包まれていた加賀恭一郎の家族に関する秘密も明かされる。 最初から最後まで読者を飽きさせない、そして心に残る作品。
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アパートの一室で見つかった遺体。 室内のカレンダーには、月ごとに日本橋にある橋の名前が書かれていた。 これが、加賀の亡き母の遺品として見つかったメモの内容と同じであったことから、加賀もやがて捜査に加わり、真相に近づいていく。 子供を、親を思うがゆえに法律的な善悪を超えてしまう。...
アパートの一室で見つかった遺体。 室内のカレンダーには、月ごとに日本橋にある橋の名前が書かれていた。 これが、加賀の亡き母の遺品として見つかったメモの内容と同じであったことから、加賀もやがて捜査に加わり、真相に近づいていく。 子供を、親を思うがゆえに法律的な善悪を超えてしまう。自分たちを守るにはこうするしかないのだ、と。 日本橋で月に一度、遠くからでも親子対面できる日をどれほど楽しみにしていたのか。それが脅かされた時に、どれほどの恐怖を感じたのか。 分かり易い悪人のいない殺人。 想像すればするほど、悲しい物語でした。 警視庁の捜査一課だった加賀が日本橋にこだわった理由も明かされ、シリーズ全体でのつながり、伏線回収がおもしろいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【2024年82冊目】 アパートの一室で女性の腐乱死体が発見された。部屋の住人と女性の関係はわからず、住人は行方不明となっていた。警視庁捜査一課の松宮は、被害者の女性が、中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねて上京したことを突き止める。しかも博美は、日本橋署の刑事で松宮の従兄である加賀恭一郎の知り合いだった。加賀の過去にも触れるシリーズ第十作目。 シリーズ作とはわかりつつ、まあシリーズの途中から読んでもわかるやろと思ったので今作を手に取りました。若干の既視感があったので、もしかしたら昔に読んだことがあったかもしれません。 メインとなるキャラクターはそんなに多くないのですが、偽名だったり、結婚して性が変わっていたりと、ちょっと気を抜くと誰が誰だっけ…みたいになりました。 東野圭吾さんがたびたびテーマとして「無償の愛」を書かれているような気がしますが、今作も正に無償の愛が悲しい事件を引き起こした話で、なんともやり切れないなぁ…と思いました。そばに居るのではなく離れることで愛する者を守ろうとした二人の男女が一時でも交錯したのは、そういう運命だったんでしょうか。切ない〜。 映画原作なので、阿部寛さんと松嶋菜々子さんを想像しながら読めました。
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物語の構成、特に人物関係が複雑で、途中何度も読み返していましたが、終盤ではこれまでの複雑さとストーリーの疑問がすーっと解けました。 加賀恭一郎にとって、また読者にとっても大きなマイルストーンとなる加賀恭一郎シリーズの一作となのではないでしょうか。 希望の糸が楽しみです。
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加賀恭一郎の母に関する蟠りは、消えたのだろうか あの手紙を加賀の父にも読んでもらいたかった そして、悲しすぎるお話でした。お父ちゃん… 心がぎゅうっと締め付けれるような、苦しい内容 でも、よかった
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本を読みきって拍手した。 最初から面白いし、とにかく読みやすかった。 全部の作品読んだ方が面白いと思う。 特にシリーズ「卒業」「赤い指」「麒麟の翼」は必須。 「親子って何だろう」って考えたくなる作品。 このシリーズは終わらないで欲しい。 加賀恭一郎さん大好き。
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加賀恭一郎シリーズ10作目。 滋賀県在住の女性が東京のアパートで殺害される。被害者の小中時代の同級生だった女性演出家に容疑がかかるが、彼女にはアリバイがあった。そして事件は加賀の亡き母へと結びついてゆく。 赤い指が加賀と父の物語なら、こちらは加賀と母の物語。加賀が日本橋勤務にこ...
加賀恭一郎シリーズ10作目。 滋賀県在住の女性が東京のアパートで殺害される。被害者の小中時代の同級生だった女性演出家に容疑がかかるが、彼女にはアリバイがあった。そして事件は加賀の亡き母へと結びついてゆく。 赤い指が加賀と父の物語なら、こちらは加賀と母の物語。加賀が日本橋勤務にこだわっていた理由がこの作品で明かされる。赤い指から物語は繋がっていたんだな。 細い糸を手繰ってバラバラだった人物関係がひとつに繋がったとき、真実はとても悲しくて残酷なものだったけど、博美と忠雄の親子の愛の形に涙が出た。 「祈りの幕が下りるとき」というタイトルも良い。
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東野圭吾さんの作品はどれも面白いが、今回もなかなか複雑なストーリーで読みごたえがあった。 殺人事件の裏にある、複雑な人間関係が物語を面白くも悲しくもさせていると思った。 殺人自体許されるわけではないが、その人なりの背景を思ったり、考えたりすると、事実以上のことが思い起こされる…。...
東野圭吾さんの作品はどれも面白いが、今回もなかなか複雑なストーリーで読みごたえがあった。 殺人事件の裏にある、複雑な人間関係が物語を面白くも悲しくもさせていると思った。 殺人自体許されるわけではないが、その人なりの背景を思ったり、考えたりすると、事実以上のことが思い起こされる…。 読了後にも考えさせられるテーマが多いところも、東野圭吾さんの作品の面白さだなと思う。
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吉川英治文学賞 東野圭吾はハズレがなく大好きだけどミーハーな気がして最近は色んな作家さんのを読んでいました。でも久しぶりに読んで強く感じたのは圧倒的に読みやすくて理解力のない私にも内容がスッと入るということ。ストーリーもテンポよく進んで半日で読了。 大好きな加賀恭一郎シリーズで...
吉川英治文学賞 東野圭吾はハズレがなく大好きだけどミーハーな気がして最近は色んな作家さんのを読んでいました。でも久しぶりに読んで強く感じたのは圧倒的に読みやすくて理解力のない私にも内容がスッと入るということ。ストーリーもテンポよく進んで半日で読了。 大好きな加賀恭一郎シリーズで加賀自身にかなりスポットライトが当たった作品で楽しみでしたが、彼の母親の謎は正直パンチが弱かったかも。 謎解きも『麒麟の翼』や『聖女の救済』とちょっと似た展開を感じ、そのためか感極まって泣くことはなかったのですが、語り手が次々と代わりながら、多方面から事件の真相が解明されていき、どう繋がるのかの謎がピタッと揃う完璧さはやっぱり最高です。 橋の名前の謎はなかなか面白いアイディア!
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捜査線上にあがった被疑者をしらみ潰しに捜査、なかなか進まないようで確実にストーリーは進んでいく。色んな場面が展開し、迷子になる少し手前で踊らされる。最後はすべてが綺麗な線で繋がり、最高の読後感。 恭一郎も魅力的な漢。
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