サイレント・ブレス の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間いつかは死を迎えます。出来れば自宅で穏やかに逝きたいと誰もが思うでしょう。でも病気にかかれば最期の場所は病院かもしれませんし、年老いて介護が必要になれば介護施設で最期を迎えるかもしれません。 今まであまり考えてこなかった“看取り”について考えさせられました。 大学病院から訪問クリニックへの左遷を命じられた倫子。彼女はさまざまな患者とその家族に出会い変わっていきます。 そして脳梗塞で寝たきりになった父について重大な決断をします。 読み終わった後、健康で生きなくてはという思いと、もし家族が病気になったら…と考えてしまいました。
Posted by
大学病院から訪問クリニックで終末期の患者を診ることになった倫子。 5名の「最期」にはそれぞれの生き様が感じられて、人生の終え方って大事だなとつくづく考えさせられた。 「死ぬ患者を最後まで愛し続ける医療」をしてくれる病院。理想的だけど、近くで思い当たるところがない!どこかにあるかな...
大学病院から訪問クリニックで終末期の患者を診ることになった倫子。 5名の「最期」にはそれぞれの生き様が感じられて、人生の終え方って大事だなとつくづく考えさせられた。 「死ぬ患者を最後まで愛し続ける医療」をしてくれる病院。理想的だけど、近くで思い当たるところがない!どこかにあるかな…
Posted by
自分を含めた周りの人達が、いつか迎える人生の最期について考えさせられました。自分も悔いのない最期を迎えたいと思いました。
Posted by
大学病院から在宅看護を受け持つ小さなクリニックに都落ちした医師倫子。様々な患者と接していくことで、「治すことが第一、とにかく命を救う」という医療のあり方について考えが変化していく。 在宅医療、終末期医療。身近なテーマではないものの、いつかは訪れる看取りの時を少しずつ意識し始めてい...
大学病院から在宅看護を受け持つ小さなクリニックに都落ちした医師倫子。様々な患者と接していくことで、「治すことが第一、とにかく命を救う」という医療のあり方について考えが変化していく。 在宅医療、終末期医療。身近なテーマではないものの、いつかは訪れる看取りの時を少しずつ意識し始めている最近。死を待つ本人と、その周りの家族の心境を興味深く読んだ。 本人が延命治療を拒否しても家族が継続してしまう問題。親や夫にその時がきたら、私はその意思を尊重してあげられるだろうか。 今年親たちが全員70歳を越えた。今読めて良かった作品だった。
Posted by
自分の余命が宣告されたら、私ならどうなるだろう。訪問看護で自宅でのターミナルケアは支える人達はたいへんかもしれないが、ご本人にとったら家族や大切な人に囲まれて最後の時を過ごせるのはとてもいいだろうなと思った。病院で最後まで諦めずに治療してもらうのもいいかもしれないが、自分であれば...
自分の余命が宣告されたら、私ならどうなるだろう。訪問看護で自宅でのターミナルケアは支える人達はたいへんかもしれないが、ご本人にとったら家族や大切な人に囲まれて最後の時を過ごせるのはとてもいいだろうなと思った。病院で最後まで諦めずに治療してもらうのもいいかもしれないが、自分であれば硬いベットで辛い治療を受けるよりも家に居たい。本当にその時になったら、わからないけど。主人公達が、誠実に患者さんと向き合い、時には悩みながら励ましながら患者さんに寄り添っている姿に胸が熱くなった。
Posted by
誰にでも必ず訪れる最期の時について。 読み始めの頃は自宅で最期を迎えた方達のエピソードが延々と続くのかと思っていたが、途中体は健康な筈なのに話すことが出来ない身元不明の少女の話や、末期の教授が周囲には内緒で色んな人に逢いに行く謎など、ミステリー的な要素もあり、すごい読みやすいけ...
誰にでも必ず訪れる最期の時について。 読み始めの頃は自宅で最期を迎えた方達のエピソードが延々と続くのかと思っていたが、途中体は健康な筈なのに話すことが出来ない身元不明の少女の話や、末期の教授が周囲には内緒で色んな人に逢いに行く謎など、ミステリー的な要素もあり、すごい読みやすいけれど、読み応えあった。 最後の章は、泣きながら読んだ。 自宅に戻り点滴も止めた倫子のお父さんが亡くなる直前、下顎呼吸という喘ぐような息使いになるが、これは苦しい訳じゃないという事がわかりほっとした。 死そのものはちっとも怖くなく、悲しいものですらなかった。苦しみから解き放たれた父に、「おめでとう」と言ってあげたいくらいだった。 このフレーズが聞けて良かった。
Posted by
(患者が)生から死へ移った瞬間、 「倫子は、ひと呼吸、待った。魂が抜け出るとされる刹那は、体にむやみに触れてはならないように感じるからだ。非科学的な思い込みだとわかってはいるのだが」(単行本71ページ) こんな感性を持つ医師は本当に素晴らしいと思う。 南杏子さんの作品は、先...
(患者が)生から死へ移った瞬間、 「倫子は、ひと呼吸、待った。魂が抜け出るとされる刹那は、体にむやみに触れてはならないように感じるからだ。非科学的な思い込みだとわかってはいるのだが」(単行本71ページ) こんな感性を持つ医師は本当に素晴らしいと思う。 南杏子さんの作品は、先に「いのちの停車場」を読んだが、テーマは共通。 治療ができない患者に対して、医師として、人間として、どう向き合うか。 本作のような「看取り」の経験は自分にはないものの、 介護、通院、入院などの体験でさえ、介護スタッフ、看護師や医師は、こちらの立場でアドバイスしてくれているのか、そうでないのか、 専門的知識を持たない自分だからこそ、よく伝わってくる相手の感情がある。 どんなときも、「相手に対する敬意」を大切にしたい、と感じた。
Posted by
在宅医療、終末期医療のことがわかりやすく、読みやすい短編でつづられている。 『医者には死ぬ患者に関心がない医者とそうでない医者がいる』 あたりまえだけど、医者にも担当分野の向き不向きがあって、倫子先生は在宅クリニックへ『左遷』なんかじゃなく、選ばれたんだな、と。 人間誰しもいつ...
在宅医療、終末期医療のことがわかりやすく、読みやすい短編でつづられている。 『医者には死ぬ患者に関心がない医者とそうでない医者がいる』 あたりまえだけど、医者にも担当分野の向き不向きがあって、倫子先生は在宅クリニックへ『左遷』なんかじゃなく、選ばれたんだな、と。 人間誰しもいつかは死を迎える。 病気を治す医者がえらい、大学病院にいる医者がいい医者ではなく、患者に寄り添える医者に最期をみてもらいたい。親や自分の終末期について、考えさせられた。
Posted by
「あさイチ」で以前ゲスト出演されているのをたまたま見てすぐに南杏子さんのファンになりました。 現役医師で多忙な業務の中、通勤途中の電車内で小説をスマホ執筆している、と話されていてとても驚きました。 何かと時間がない、と言い訳している自分が恥ずかしい…。 本作も泣きました。 ...
「あさイチ」で以前ゲスト出演されているのをたまたま見てすぐに南杏子さんのファンになりました。 現役医師で多忙な業務の中、通勤途中の電車内で小説をスマホ執筆している、と話されていてとても驚きました。 何かと時間がない、と言い訳している自分が恥ずかしい…。 本作も泣きました。 病院のベッドで胃瘻をつけられ、寝たきりで最期を迎えることが果たして幸せなのか、を考えさせられました。 在宅介護は同居家族の負担が大きいですが、自然死で最期を迎えられる環境が整って欲しいと思います。
Posted by
徹子の部屋に出演されていたのを見て、同書を手に取る。医療をしない医療、死ぬ患者に関心のある医師、死ぬ患者を最後まで愛し続ける医療、安らかに死なせてくれる在宅診療医、同書の中で肝となるワード。息子の懇願で拒んでいた延命治療を受ける女性、延命治療を拒む夫の公正証書がありながら、夫の延...
徹子の部屋に出演されていたのを見て、同書を手に取る。医療をしない医療、死ぬ患者に関心のある医師、死ぬ患者を最後まで愛し続ける医療、安らかに死なせてくれる在宅診療医、同書の中で肝となるワード。息子の懇願で拒んでいた延命治療を受ける女性、延命治療を拒む夫の公正証書がありながら、夫の延命治療に奇跡を信じ続ける主人公の母。自分も高齢なので、両親の時を思い出しつつ、自分に置き換えて読み進めてしまいます。在宅死が日常となる医療体制が身近になることを期待します。
Posted by