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サイレント・ブレス の商品レビュー

4.4

45件のお客様レビュー

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2021/06/06

読んでよかった。 「父は間違いなく母を支えている…何もできなくなっているのに、生きているというだけで。」 ほんとにそうだと思う。支えている側が実は支えられているんだ。「家族の愛情という欲」で「死というゴール」への道のりを遠くしてしまったかもしれないけれど、人生の最後まで使って、貴...

読んでよかった。 「父は間違いなく母を支えている…何もできなくなっているのに、生きているというだけで。」 ほんとにそうだと思う。支えている側が実は支えられているんだ。「家族の愛情という欲」で「死というゴール」への道のりを遠くしてしまったかもしれないけれど、人生の最後まで使って、貴重な時間と体験を私達に与え、覚悟を決めさせてくれ、もう大丈夫だな、と逝った父のことを重ねた。

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2021/04/10

医療は自分も家族もいずれ関わる。だからこそ、共感と関心が強い。 この本は終末期医療の考え方をわかりやすく短編集として読むことができる小説。 つまり死ぬ間際の人間はどのようにして過ごすことで本人が満足できるのか をひたすら色々な病気、色々な家族、色々な意見を見ることができます。 ...

医療は自分も家族もいずれ関わる。だからこそ、共感と関心が強い。 この本は終末期医療の考え方をわかりやすく短編集として読むことができる小説。 つまり死ぬ間際の人間はどのようにして過ごすことで本人が満足できるのか をひたすら色々な病気、色々な家族、色々な意見を見ることができます。 人はいずれ死ぬ。 私も、家族も、大切な人も。 もし死ぬことがわかったら、どうしたいですか? 私自身は大切な人と最期は過ごしたい。意識がない状況の延命措置はしてほしくない。 家族や、大切な人が死ぬことがわかったら、出来る限り本人の意向を尊重してあげたい。病気と闘うなら支えたい。どうしようもなく、辛いだけの延命措置が嫌であれば、受け入れて側に居てあげたい。 私は大切な人を亡くした経験がまだ無く、死が怖い。 失うことが怖い。 だからこそ、この本を読んで少しでも心の準備は出来た気がする。そして、年齢的に自分より早く死ぬ事になる家族と後悔なく過ごし、事前に家族の意向も確かめておきたいと思う。 読み易く、リアリティ溢れる秀逸な小説でした。 脱帽です。 たまたま本屋で手に取れて幸せでした。有難う御座います。

Posted byブクログ

2021/02/16

在宅医療を通じて終末期医療の本質を描いている。どのような最期を望んでいるのかは人それぞれ、それを人に伝えることの大切さを本書を読んで感じた。身近な家族でも難しいことがある。 逝く人、残される人、立場が違えば想いも異なることもあるのだろう。

Posted byブクログ

2020/11/20

とても優しく静かで丁寧な文章。 とかく暗くなりがちな終末期医療。在宅看取りを医師側と患者側からの視点で描かれている。 「医者には死ぬ患者に関心がない医者とそうでない医者がいる」 「死は負けじゃない。安らかに看取れないことこそ(医者側)の敗北だからね」 水戸倫子が医師として...

とても優しく静かで丁寧な文章。 とかく暗くなりがちな終末期医療。在宅看取りを医師側と患者側からの視点で描かれている。 「医者には死ぬ患者に関心がない医者とそうでない医者がいる」 「死は負けじゃない。安らかに看取れないことこそ(医者側)の敗北だからね」 水戸倫子が医師として悩み、家族として考え、仲間に支えられている日々。

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2020/10/21

穏やかで安らぎに満ちた、サイレント・ブレスを守る医療。そのように父を見送ったが、それでもこの本が投げかける課題はいつまでも課題だ。

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2020/06/24

サイレント・ブレス 南杏子さん。 在宅医療 穏やかな最期。 穏やかで安らぎに満ちた、 いわば サイレント・ブレスを守る医療。 どんな最期を迎えたいのか、 患者の思いに愚直に寄り添うのが、 看取り医の仕事。 良かった。 穏やかな最期。 皆が望むこと。 考えさせたれた本。 ...

サイレント・ブレス 南杏子さん。 在宅医療 穏やかな最期。 穏やかで安らぎに満ちた、 いわば サイレント・ブレスを守る医療。 どんな最期を迎えたいのか、 患者の思いに愚直に寄り添うのが、 看取り医の仕事。 良かった。 穏やかな最期。 皆が望むこと。 考えさせたれた本。 みんな、読んでみたら良いと思った。

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2019/08/18

大学病院から在宅で、最期を受ける患者専門の訪問クリニックに左遷を命じられた37歳の水戸倫子。 医師から見た死を待つだけの患者に、どのように手を尽くすか? 最後の日々をどのようにして手助けが、出来るのか? 6話からなるのだが、皆、終末期を延命治療か?、それとも自然死か?の選択に...

大学病院から在宅で、最期を受ける患者専門の訪問クリニックに左遷を命じられた37歳の水戸倫子。 医師から見た死を待つだけの患者に、どのように手を尽くすか? 最後の日々をどのようにして手助けが、出来るのか? 6話からなるのだが、皆、終末期を延命治療か?、それとも自然死か?の選択に、どのように向き合っていくのか? ある議員は、「人間、おぎゃ~と、生まれた時から、税金の市払う義務が発生する」と、昔 聞いた事が覚えがあるが。 「人間、おぎゃ~と生まれた時から、人生を全うして、死へとむかうのである」と思う。 その生きている間に何が出来るのか?が、人それぞれだが、無意味に過ごしたくない。 主人公の水戸倫子も、患者の話を聞くので、いつも、勤務時間延長し、自分の時間をすり減らしてきたのだが、、、、、其の努力のことを理解してくれている人間が、居るという事にも、この本は提示している。 そして、ブレス3の 兄妹での遺産問題で、お墓や仏具財産が、受け継ぐ者として、、、、最期のタブレット画面で、何かスッキリ!したのと、こんなやり方で、相続する者が居るのかと、背中が寒く感じた。 最後のブレス6は、自分の父親の最期を看取るために、家へ連れて帰る倫子と母親、、、、 延命治療を望まなかった父の事を隠していた母の思いは、倫子の出産にも関わっていた。 闘病生活を送ると、奇跡というものに縋り付くたいと、思う。 人生の最期をどのように過ごせるか?・・・・ そして、残った者へ、苦労と悔いを残さないようにしたいものだと、思いながら、この本を読み終えた。

Posted byブクログ

2019/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現役医師が書く医療と看取りの話なので、病気や薬に対して知らないことが多く出てきて勉強になった。医者は体が丈夫じゃないと出来ない仕事だなと以前から思っていたけど、どれだけ丈夫でも早死にしそうだなと考えを改めた。 病を治すという大変な重荷のある仕事だけど、沢山の人を救うと希望を持って医者になった人も多く存在するはずで、そんな中救えない患者や、人間いつか必ず訪れる死にはどう向き合うのかという難しい問題を語ってくれている。倫子は病気だけを診ている医者ではなく、人を診ていると感じる。器用ではないけど真摯な、こんな医者に看取ってもらえたら、自分も残された家族も幸せだろう。

Posted byブクログ

2019/01/16

深い医療知識に基づいて書かれたサラッと読める重い作品。読み切りから成っていて、不思議な症状と思っていたら医師が解明すると言うパターン コースケのいかにもなキャラ設定にマイナス1

Posted byブクログ

2018/12/20

メッセージとして伝えたいことが山盛りの小説は、場合によって興醒めになってしまう事があります。往々にして専門職の人が転身して書いた本に多いようなイメージがあります。前回読んだ「ディアペイシェント」もその辺のバランスがとても良くて、作者の顔をイメージせずに読むことができました。 「サ...

メッセージとして伝えたいことが山盛りの小説は、場合によって興醒めになってしまう事があります。往々にして専門職の人が転身して書いた本に多いようなイメージがあります。前回読んだ「ディアペイシェント」もその辺のバランスがとても良くて、作者の顔をイメージせずに読むことができました。 「サイレントブレス」の方が古い本だったので、肩に力入ってそうだなと思いましたがそんな事は無く、単純に医療小説として楽しめるものでした。 終末医療、訪問医療の現実と、これからどう死と向き合っていくかが真摯に描かれています。 どうしても現場を知っているだけに安易な解決や光が出て来ないので、うっすらと寂しい気持ちになります。でもそれはこの本にとって成功なのかもしれません。 医療従事者に読んでもらってご意見お伺いしたい本です。

Posted byブクログ