明日の食卓 の商品レビュー
子供への虐待、子供の貧困について報道され話題になって久しいが、この小説はそのような事態はどこの家庭にも起こりうると提唱しているように感じる。 居住地も家庭環境も経済状態も異なる3組の家族、その家族には同姓同名の8歳の男の子がいる。彼らの生活動向等の物語りが並行してすすんでいく。全...
子供への虐待、子供の貧困について報道され話題になって久しいが、この小説はそのような事態はどこの家庭にも起こりうると提唱しているように感じる。 居住地も家庭環境も経済状態も異なる3組の家族、その家族には同姓同名の8歳の男の子がいる。彼らの生活動向等の物語りが並行してすすんでいく。全く異なる環境の中にいる子どもたちだが、成長の過程での親の接し方、育て方、家庭環境、そして遺伝的要素も含まれるであろうーーで人間は形成されていく。親にとってはどんなときでも子どもは宝であり、深い愛情を持っているのであるが、ちょっとした親との意思疎通のすれ違いや回りの人間関係で、親子関係が微妙に不安定になっていくこともある。閉鎖された家族関係が多い現代、原因は多様であり一概に決めつけられない。この時点でほんの少しでも外部の風が吹けば、彼らはまた平安な日常へ戻っていくのだろう。しかしその救いの手がなかったとき・・・ 終盤、子供を死に至らしめる事件が起こり、いったいこれはどの家族に起こったことなのかとミステリー要素も含みながらストーリーは展開していく。最後は三家族それぞれの新たな一歩が示されている。そこへ至るまでの物語はそれぞれに辛さや悲しさ等も読者に感じさせるが、明るい一歩であるという余韻を残しているのには救われる。 この作品を読む限りどのような悲惨な子供への事件でも、もともと親は深い愛情を持って子供に接している、ちょっとした歯車の狂いで子供への虐待は増幅していくのだと思った。
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正解もマニュアルもない中で、毎日子育てに孤軍奮闘しているお母さんたち。一番大変だった時期を過ぎたであろう今なら笑って話せることも、当時の自分にはいっぱいいっぱいだったことを思い出した。でも楽しいことの方が圧倒的に多かったなぁ。それにしても出てくる男どもがあまりに幼稚で情けない。 ...
正解もマニュアルもない中で、毎日子育てに孤軍奮闘しているお母さんたち。一番大変だった時期を過ぎたであろう今なら笑って話せることも、当時の自分にはいっぱいいっぱいだったことを思い出した。でも楽しいことの方が圧倒的に多かったなぁ。それにしても出てくる男どもがあまりに幼稚で情けない。 あすみさんちの優くんだけは、危険なにおいがした。どんな大人になるのだろうか怖い。 明日も幸せな食卓を囲むことができますようにと願って、読了。
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人の生活ってホントにちょっとした事で脆く壊れるんだなあと恐ろしく思った。幸せそうでも何があるかわからない。 そして3人のお母さん達の頑張りっぷりに比べて、ここに出てくる男の人達のカスイことと言ったら!自分が女だから尚更そう思うのかもしれないけど、男って・・・って思ってしまう。 世の中のお母さん達の大変さを実感!自分はまだまだだなあ
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ブクログのページに宣伝が出ていたので購入しました。ハードカバーだったけど、ちょうど読み漁っている毒親とか虐待とかがテーマだったので文庫で出るのを待たずに・・・ 読み応えがありました!3組の家族を描いていますが、名前の漢字の違い、家庭環境の特徴などをきっちりと書いてくれているので...
ブクログのページに宣伝が出ていたので購入しました。ハードカバーだったけど、ちょうど読み漁っている毒親とか虐待とかがテーマだったので文庫で出るのを待たずに・・・ 読み応えがありました!3組の家族を描いていますが、名前の漢字の違い、家庭環境の特徴などをきっちりと書いてくれているので、意味を理解しながら読み進めることができました。 リアルで心に刺さりますね。ネタバレはしたくないのでこれ以上は書けませんが、すばらしい内容でした。 とても読み応えがあります。 椰月美智子さんの他の本も読んでみたいです!
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同じような世代の、同じような子どもをもつ母親たち。 狂気はすぐそこに潜んでいるようでも、みんな気づいて、とどまっている。
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椰月さんの本は『るり姉』に次いで2冊目。 石橋あすみは36歳の専業主婦。 石橋留美子は43歳のフリーライター。 石橋加奈は30歳のシングルマザー。 彼女たちの息子「石橋ユウ」は小学3年生。 同じ名前、同じ歳の息子をもつ3人の母親。 まったく違う環境の下、子育てをする3人。 それぞれの悩み。 歯車がひとつ狂えば、愛情は暴力へとつながっていく… シングルマザーの石橋加奈の生き方にエールを送りたい。 ガンバレー!
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ある家庭で母親に暴力を振るわれている小学三年生の男の子「ユウ」。そして、それぞれ「ユウ」という名の小三の男の子を持つ三人の母親たち。この中に「ユウ」の母親がいるのか、いるとしたら誰なのか?それぞれの母親たちの日常が描かれていくうちに、その苦しさも露わになっていく。専業主婦、貧困家...
ある家庭で母親に暴力を振るわれている小学三年生の男の子「ユウ」。そして、それぞれ「ユウ」という名の小三の男の子を持つ三人の母親たち。この中に「ユウ」の母親がいるのか、いるとしたら誰なのか?それぞれの母親たちの日常が描かれていくうちに、その苦しさも露わになっていく。専業主婦、貧困家庭のシングルマザー、フリーライターと三様の母親たちだが、共通しているのは子育てに悩み苦しんでいること。読んでいるこちらも息ぐるしくなる。いっき読みしちゃったくらい面白かった。
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最初のページで鼓動が速くなる…9歳の息子に苛立ち手をあげ、さらに反抗してくるので思わず蹴り上げる… 先が気になって2日で読んでしまったけど、寝ながら読んでもちっとも眠くならない本だった(汗) 子育てをする母の目線で描かれている。夫への不満や同級生の親への苛立ちなど、どこの家庭...
最初のページで鼓動が速くなる…9歳の息子に苛立ち手をあげ、さらに反抗してくるので思わず蹴り上げる… 先が気になって2日で読んでしまったけど、寝ながら読んでもちっとも眠くならない本だった(汗) 子育てをする母の目線で描かれている。夫への不満や同級生の親への苛立ちなど、どこの家庭にもあるであろうことだけど読んでいてとても嫌な気分になった。ぐらい主人公に肩入れをしてしまった。
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2016/11/7 同姓同名住む場所は違う3人のイシバシユウと、その母親たち。 息子を殺してしまったのはどの母親? こわい。リアルすぎてこわい。 スーパーで見る怒っているお母さんも、公園でニコニコしているお母さんも誰だって何があるかわからない。
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読んでいて苦しくなる描写ばかりでした。夫に弟に出てくる男の人が皆ダメ男。まともなのは、9歳の勇ぐらいじゃ。 加奈が一番いいお母さんだと思ってしまったけれど、3人のユウ君の中でも勇が一番聞き分けの良い子な気がするし、子供の性格もそれぞれで、毎日兄弟喧嘩されたら怒りたくもなるだろうから簡単に良いとか悪いとか言っちゃいけないなって。悠宇と巧巳は寂しいかもしれないけど、この決断がいい方向に向かうといいな。家族であんな喧嘩するのはキツイ。優は将来どんな子になるのか怖い。お母さんも大丈夫かな?3家族の中で一番先が見えない。
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