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戦争まで の商品レビュー

4.5

43件のお客様レビュー

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2023/08/16

教科書には載ってないことが掘り下げて書かれている。 戦争を阻止する選択肢がいくつもあったこと、知りました。

Posted byブクログ

2022/01/13

日本が戦争へと向かっていくまでの歩みを史料から読み解いている。6回に渡る講演を書籍としたものなので、会話をするかのごとく進行する。 世界が日本にどうすのか問いかけられた3つの交渉を史料から読み解き、当時の状況を適切に理解することを目指している。 一つ目の交渉は、1931年9月に関...

日本が戦争へと向かっていくまでの歩みを史料から読み解いている。6回に渡る講演を書籍としたものなので、会話をするかのごとく進行する。 世界が日本にどうすのか問いかけられた3つの交渉を史料から読み解き、当時の状況を適切に理解することを目指している。 一つ目の交渉は、1931年9月に関東軍が主導した満州事変に対して、国際連盟から派遣された調査団が作成したリットン報告書をめぐる交渉。 二つ目の交渉は、1940年9月の日独伊三国軍事同盟条約締結について。 三つ目の交渉は、1941年4月から11月までに行われた日米交渉。 最後の注釈に、本書の参考図書もあり、講義を再演しようと思えばできるかもしれない。歴史を学ぶ楽しさを体験出来るお薦めの一冊。

Posted byブクログ

2021/12/19

「こうなる運命だった」というような言葉は真実のときもあるだろうけど、ほとんどの歴史においては間違いなんだとわかる。運命ではなく、選択の結果。 一般国民の当時の考え方を、国民と対極な場にある人間の視点から知るという歴史学独特の見方を教えてくれたり、軍部の話が熱を持ってきたらすぐさま...

「こうなる運命だった」というような言葉は真実のときもあるだろうけど、ほとんどの歴史においては間違いなんだとわかる。運命ではなく、選択の結果。 一般国民の当時の考え方を、国民と対極な場にある人間の視点から知るという歴史学独特の見方を教えてくれたり、軍部の話が熱を持ってきたらすぐさま全く別の、例えば天皇の意向について触れたり…ついつい入れ込みすぎてしまう聞き手の感情を冷静に引き戻してくれるような揺さぶり方が好き。2冊しか知らないけど、この先生はW.A.ワードのいう偉大な教師にはいるんじゃないかな。

Posted byブクログ

2021/06/04

中高生と学んだ前著が良かったため、本書を紐解いた。ジュンク堂の呼びかけで同じく中高生と学ぶという状況は同じだが、彼ら彼女らの発言が少ない印象を受けた。 内容は、リットン報告書、三国同盟、日米交渉。どれも初めて知る事実ばかりで歴史の厚み、多面性が感じられた。 与党批判がところど...

中高生と学んだ前著が良かったため、本書を紐解いた。ジュンク堂の呼びかけで同じく中高生と学ぶという状況は同じだが、彼ら彼女らの発言が少ない印象を受けた。 内容は、リットン報告書、三国同盟、日米交渉。どれも初めて知る事実ばかりで歴史の厚み、多面性が感じられた。 与党批判がところどころ発せられ、そこだけ浅薄が際立ってしまったように感じる。

Posted byブクログ

2021/06/02

史料を踏まえた、日本と世界各国の思惑、言ってるだけのことと本心とが入り乱れた、非常にエキサイティングな本でした。 図書館で借りて読みましたが、コレは買いだ。

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2021/05/09

前著「それでも日本人は戦争を選んだ」を読んで、感銘を受け、こちらも拝読しました。 前著に負けず劣らず、こちらも素晴らしい著書でした。 史料に基づくこと、その史料についても一面的な見方をしないこと、歴史を考える上で重要なことは何かを教えてくれます。 内容的には高度なことも含まれ...

前著「それでも日本人は戦争を選んだ」を読んで、感銘を受け、こちらも拝読しました。 前著に負けず劣らず、こちらも素晴らしい著書でした。 史料に基づくこと、その史料についても一面的な見方をしないこと、歴史を考える上で重要なことは何かを教えてくれます。 内容的には高度なことも含まれるのでしょうが、分かりやすく噛み砕いてお話ししてくださるのでとても読みやすいです。 歴史を学ぶことの意義と楽しさを教えてくれます。 同じような形式での次回作を期待します。

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2021/01/30

リットン報告書、三国同盟、日米交渉の3点に絞って、戦前の日本の歩みを解き明かす授業を本にしたもので、非常に楽しめた.学校の授業では近代の部分は学期末になることから、あまり詳しく教えられていないが、このような形の授業が今後も継続されることが必要だと感じた.特に三国同盟については知ら...

リットン報告書、三国同盟、日米交渉の3点に絞って、戦前の日本の歩みを解き明かす授業を本にしたもので、非常に楽しめた.学校の授業では近代の部分は学期末になることから、あまり詳しく教えられていないが、このような形の授業が今後も継続されることが必要だと感じた.特に三国同盟については知らない部分が多く、松岡洋右が国際連盟の席を立っていく写真(1933.2)を覚えているくらいだったので、参考になった.日米交渉については、陸軍、海軍及び政府間での情報の共有が十分でなかったことが、国としての行き方を間違った方向に進めたのだと感じた.著者の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は我が本棚の中央に鎮座している.

Posted byブクログ

2020/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国際連盟脱退、三国同盟及び対米開戦という3つの意思決定の背景や経過についての講演と問答。史料の精査を通じ、義務教育で習った歴史とは異なる姿の歴史が現れる(リットン報告書の宥和的側面、大戦後のドイツ牽制という三国同盟の真意、為政者の判断を制約する運動等)。

Posted byブクログ

2019/12/05

 一級資料に当たるという事はとても大切なことだと思うのだが、それでも真実への道はまだまだほど遠い気がする。  大学教授だから話の内容が正確だというわけではない。あくまでもその文献等に長く身を置いているという事だけが判断する一つの有効な事柄だという事も認識しておかなければならない...

 一級資料に当たるという事はとても大切なことだと思うのだが、それでも真実への道はまだまだほど遠い気がする。  大学教授だから話の内容が正確だというわけではない。あくまでもその文献等に長く身を置いているという事だけが判断する一つの有効な事柄だという事も認識しておかなければならない。  だからこそ、読み手が一人一人考えることが大切であり、たとえ、考えた道筋が間違えていたとしても、それが一つの経験になり、次への糧とつながれば良い。  

Posted byブクログ

2019/04/21

タイトルにあるように、太平洋戦争に突入するまでの重要な交渉事にスポットを当てて、歴史を紐解いています。①リットン調査団の報告から始まる国際連盟脱退について②日独伊三国同盟について③ハル・野村交渉に始まる日米交渉と、三つの交渉を挙げています。「~これら三つに共通しているのは、これら...

タイトルにあるように、太平洋戦争に突入するまでの重要な交渉事にスポットを当てて、歴史を紐解いています。①リットン調査団の報告から始まる国際連盟脱退について②日独伊三国同盟について③ハル・野村交渉に始まる日米交渉と、三つの交渉を挙げています。「~これら三つに共通しているのは、これらの案件が日本の近代史上において歴史の転換点だっただけでなく、日本と世界が火花を散らすように議論を戦わせ、日本が世界と対峙した問題だった~」(94頁) 東大教授である著者が、高校生相手に(一部中学生もいますが)6回連続の特別講義をしたものをベースに本書は書かれています。その為わかりやすく書かれてはいますが、中身は非常に濃いものになっています。 ● リットン調査団の章-「満州事変は日本が100%悪くて、弁解の余地はない」という内容の報告書にはなっていないことに驚きました。寧ろ日本が報告書の内容を受け入れやすいよう配慮されている部分が多くみられました。 ●日独伊三国同盟の章―軍事同盟なのでもっと協力的なものをイメージしていましたが、ヨーロッパで第二次世界大戦が始まり、ドイツが破竹の勢いで戦果を挙げている中、日本はドイツがそのまま勝利を収めると想定していました。日本が軍事同盟を結んだ一番の目的は、旧ドイツ領委任統治領の諸島を手に入れたかった点です。 ● 日米交渉の章―日米が水面下で最後の最後まで戦争回避に向けた交渉をしていたことに驚きました。しかし、両国内での政治事情も絡まり最終的には真珠湾攻撃となりました。「『駐米日本大使館員の勤務怠慢による対米通告の遅れ』という神話」(410頁)は新鮮でした。また、付随して述べられている陸軍の横暴の一例には驚きです。また、真珠湾攻撃も事前に暗号解読が行われ、わざと攻撃させて開戦のきっかけを与えたという説も根強いですが、実際は嘘です。アメリカ国防総省が、何故真珠湾攻撃を防げなかったのか戦後も研究を続けています。 膨大な歴史資料を丹念に調べられて、そこから浮かび上がってきた史実を提示してくれています。歴史の専門家の仕事とはこういうものだと教えられました。その史実は他の史実とも連携して、点が線になり、線が面となって、最後には立体的な物語となっているようです。しかもそれは史実をベースにした物語ですがノンフィクションです。小説を読んだときに味わう感動に近いものがありました。「事実は小説よりも奇なり」です。 前作の「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子著/朝日新聞社)も併せて読んでください。

Posted byブクログ