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戦争まで の商品レビュー

4.5

43件のお客様レビュー

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2017/03/26

<目次> 第1章  国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき 第2章  「選択」するとき、そこでなにが起きているのか 第3章  軍事同盟とはなにか 第4章  日本人が戦争に賭けたのはなぜか 終章   講義の終わりに <内容> 東大加藤陽子先生の「アジア・太平洋戦争」に入るまでの...

<目次> 第1章  国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき 第2章  「選択」するとき、そこでなにが起きているのか 第3章  軍事同盟とはなにか 第4章  日本人が戦争に賭けたのはなぜか 終章   講義の終わりに <内容> 東大加藤陽子先生の「アジア・太平洋戦争」に入るまでの過程を、中高生に講義したもの(学校でではなく、書店の主催の講義(講演ではない))。とても刺激的だが、同じ教える立場で言うと、この講義のために先生がどれだけ史料を吟味し、どのような授業を組み立てようとしたかの苦労が感が見える(「おわりに」を読むと特に…)。 さて、内容は戦後70年での天皇の「お言葉」(沖縄と「戦没者記念式典」のとき)、安倍首相の談話の分析から始まり、満州事変の「リットン報告書」、三国軍事同盟、太平洋戦争直前の日米交渉、この3つの分析、解釈、可能性が語られます。受講者の中高生もかなりレベルが高く、いい質問をして、講義は展開していきます。こういうある意味、微に入り細にいる話はとても大事なのだと感じました。高校の授業ではなかなかできないけど…。様々な立場や歴史的な背景を見据えて、歴史を分析していくことが、今後の歴史を過ちへと進めない、大事な行程であり,歴史学の使命でしょう。ことにきな臭い昨今の日本において、「いつか来た道」を求める輩が闊歩している状況では…。

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2017/03/21

日本人は…よりこっちの方が数段面白かった。多数の当事者それぞれの利害と得ている情報の差とタイミングとを丁寧に解説されておる。要因はいくつかにまとめられるが、世で言われていることとは結構違っている。しかし、調べて来いと言われてネットで真実ブログと赤旗ぶつける高校生、好き。

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2017/02/19

ゆっくりと時間をかけて読んだ。学校では戦争の悲惨さばかり学んだ気がするけど本当に大切なのは戦争に至る経緯。それを丁寧に解説してくれている一冊。

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2017/02/01

非常に良かった。本当に良書であると思いました。 東大文学部の教授が中高生向けに行った講義。 ジュンク堂での作家書店の企画で行った講演・講義の 内容が本になったものです。 歴史のみならず。学ぶとはどういうものなのか 学ぶときの面白さ、スリリングな感じ、学問の楽しさの 本質がにじみ出...

非常に良かった。本当に良書であると思いました。 東大文学部の教授が中高生向けに行った講義。 ジュンク堂での作家書店の企画で行った講演・講義の 内容が本になったものです。 歴史のみならず。学ぶとはどういうものなのか 学ぶときの面白さ、スリリングな感じ、学問の楽しさの 本質がにじみ出てくるような内容です。 また、社会人としてのリテラシーにとっての歴史認識が どれだけ重要であるかがわかる内容だと思いました。 大げさかもしれませんが、本当に絶賛です。

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2017/01/18

すごいです。面白いです。中身が濃いです。 前作「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」が面白かったので、本書を手に取りました。本書は、戦前日本の3つの重要な選択に題材を絞ってはいますが、実に深く広く分かりやすく、解説いただいています。国内の賛成反対意見だけでなく、交渉相手の思惑まで...

すごいです。面白いです。中身が濃いです。 前作「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」が面白かったので、本書を手に取りました。本書は、戦前日本の3つの重要な選択に題材を絞ってはいますが、実に深く広く分かりやすく、解説いただいています。国内の賛成反対意見だけでなく、交渉相手の思惑まで理解できます。全体の歴史の流れが把握でき、歴史から現在を考えるうえでの参考になります。

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2016/12/26

・本書についているイラストなどは,別の著作物とみなして読んだ方がいいのだろうか? 072頁イラスト:トーキュディデース ・本文:トゥーキュディデース 092頁:団琢磨暗殺(3.5)が2.29リットン調査団来日と3.1満州国建国のあいだに挟まれている謎は,本文を読んでいけば,おそら...

・本書についているイラストなどは,別の著作物とみなして読んだ方がいいのだろうか? 072頁イラスト:トーキュディデース ・本文:トゥーキュディデース 092頁:団琢磨暗殺(3.5)が2.29リットン調査団来日と3.1満州国建国のあいだに挟まれている謎は,本文を読んでいけば,おそらく解けるのであろう。 099頁:遼寧(りょうねい)省……奉天(ほうてん)(現在の瀋陽(シェンヤン)) ・現在の地名には,カタカナの振り仮名をみな振る方針なのだろうか? 101頁イラスト:満洲,関東洲(はじめて見る表記) ・本文:満州・関東州 101頁イラスト:ハルピンは黒龍江省の章域内とされている ・「章域」ねえ。なお著者も,「黒竜江」とは表記せず,「龍」字を使う。「満洲」は使わない。外務省とおなじ。

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2017/01/31

以下の点が興味深い。 ・中国は、リットン報告書を日本寄りだと評価し、日本は、中国寄りだと判断した。 ・三国同盟は、植民地宗主国を抑えたドイツによる東南アジア植民地再編の可能性を、参戦していない日本が封じるための掛け声 ・1940年8月4日の『蒋介石日記』には、「敵(日本)が南下の...

以下の点が興味深い。 ・中国は、リットン報告書を日本寄りだと評価し、日本は、中国寄りだと判断した。 ・三国同盟は、植民地宗主国を抑えたドイツによる東南アジア植民地再編の可能性を、参戦していない日本が封じるための掛け声 ・1940年8月4日の『蒋介石日記』には、「敵(日本)が南下の野心に狂っているときに乗じて、我が国に有利な条件で講和を図ることは悪くない」と書かれている。 ・ドイツ外相リッペントロップは、駐独中国大使陳介を呼んで、三国同盟に加わったらどうですか、日本との講和に応 じなさいと説得していた。 ・「絶望から開戦する国はないという、あの日本に対する判断の間違いです。そもそも日本は、絶望したから開戦したのではありません。あと二年間、石油という資源を確保できている時期に開戦しようという発想は、ありえなくはない。」 ・「アメリカは日本に第一撃を打たせた。真珠湾攻撃のことを、ローズヴェルト大統領やハル国務長官とか、何人かは知っていた。けれども現地の人には言わず、日本に騙し討ちさせるようにした、という見方があります。でも、これが全く嘘であることは、アメリカの国防総省が研究し続けていることからわかる。」 ・憲法制定史に詳しい古関彰一先生が明らかにしたところでは、戦争放棄という主旨は、確かにGHQ草案に起源を持っていたけれども、平和主義の発想は、日本側の発案によって憲法の条項に入れられた、というのです。

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2016/12/01

太平洋戦争に至るまでに日本が迫られた決断のとき3つ、リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。背景に何があったのかって知らないことばっかりで本当に勉強になった。リットンの思慮とか、三国同盟を結んだ日本側の思惑とか、日米交渉の裏で米国が何を考えてたかとか。日本人の必読書。

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2016/12/01

物語の形式として、結末が悲劇になることをあらかじめ読者に知らせてそこに至るまでを描くものがあるが、15戦争について歴史を語る場合、同じ構図になる。ただ、そこに至るまでは選択の連続だったわけで、その大きな3つの選択の場面をメインにピックアップして解説している。リットン調査団の報告に...

物語の形式として、結末が悲劇になることをあらかじめ読者に知らせてそこに至るまでを描くものがあるが、15戦争について歴史を語る場合、同じ構図になる。ただ、そこに至るまでは選択の連続だったわけで、その大きな3つの選択の場面をメインにピックアップして解説している。リットン調査団の報告に対する選択、三国同盟に対する選択、日米交渉に関する選択だ。 これらに関して、なぜそうなったのかという問いを次々に立て、資料を用いて解きほぐしていく。ただの物語ではない学問としての歴史の方法論がよくわかって面白い。 それでも日本人は〜よりもひとつひとつの事象にこだわって描かれている気がするのもあって、こっちのが面白かった。

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2016/11/28

満州事変から、日本は世界から3回今後の行方の選択を迫られた そのとき日本はなぜその選択肢を選んだのかを細かく分析して、紹介してくれる本 とにかく情報が細かい!笑でもだからこそ説得力があって読み応えがある ただ一回読んだだけじゃ頭に入らないから、今後何回か繰り返して読みたい

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