十年交差点 の商品レビュー
【収録作品】「地球に磔にされた男」中田永一/「白紙」白河三兎/「ひとつ、ふたつ」岡崎琢磨/「君が忘れたとしても」原田ひ香/「一つ足りない」畠中恵 SF、ミステリ、恋愛、家族、ファンタジー、と読み心地の違うさまざまな短篇が並んだ。「白紙」は痛く、重い。「君が……」は若い義母につい...
【収録作品】「地球に磔にされた男」中田永一/「白紙」白河三兎/「ひとつ、ふたつ」岡崎琢磨/「君が忘れたとしても」原田ひ香/「一つ足りない」畠中恵 SF、ミステリ、恋愛、家族、ファンタジー、と読み心地の違うさまざまな短篇が並んだ。「白紙」は痛く、重い。「君が……」は若い義母につい敵意を感じる。「一つ……」は河童の禰々子が一暴れ。
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+++ その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむいだら、泣けて、震えて、心が躍る、こんなに贅沢な短編集ができました! 時間を跳び超える機械を手に入れた男の、数奇な運命を描く物語。戦慄の結末に背筋が凍るミステリー。そ...
+++ その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむいだら、泣けて、震えて、心が躍る、こんなに贅沢な短編集ができました! 時間を跳び超える機械を手に入れた男の、数奇な運命を描く物語。戦慄の結末に背筋が凍るミステリー。そして、河童と猿の大合戦に超興奮の時代ファンタジー、などなど全五作。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。 +++ 「地球に磔にされた男」中田永一 「白紙」白河三兎 「ひとつ、ふたつ」岡崎琢磨 「君が忘れたとしても」原田ひ香 「一つ足りない」畠中恵 +++ 「十年」というたったひとつのキーワードで、こんなにヴァラエティに富んだ物語が生まれるのかと、著者の方々の着眼点と想像力に感心させられる。タイムトリップという要素が盛り込まれるだろうことは想像に難くないが、それも複雑に入り組んでいて、一筋縄ではいかないのである。心臓をぎゅっと掴まれるようなもの、じんわり熱くなるもの、目を瞠るようなもの。長いようで短く、でもやはり長い十年という時間の流れに、さまざまな感情を呼び起こされて、どれも味わい深い。愉しめる一冊だった。
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十年をテーマとした気になる作家さん達がそろったアンソロジー。どの作品もよかったし、他の作品も読んでみたくなる。 中田永一『地球に磔にされた男』十年前を起点にずれる無数の並行世界を旅する男。現在にしか行けないタイムマシンの理屈づけが面白いです。ちょっと変わった自分探しの旅でしたね。...
十年をテーマとした気になる作家さん達がそろったアンソロジー。どの作品もよかったし、他の作品も読んでみたくなる。 中田永一『地球に磔にされた男』十年前を起点にずれる無数の並行世界を旅する男。現在にしか行けないタイムマシンの理屈づけが面白いです。ちょっと変わった自分探しの旅でしたね。 白河三兎『白紙』生徒のために行動した先生。先生のおかげで勇気を出せた生徒。なのにどうして。ショックが大きい。先生は少し独善的にも感じたけど、普通はこんなものかもしれない。 岡崎琢磨『ひとつ、ふたつ』病気で子供を授かれない女性が恋人に突然プロポーズされ戸惑う。「ちょうどいい」という何気ない一言の重みが刺さる。主人公の微妙な心の揺れの描写がすごくよかった。 原田ひ香『君が忘れたとしても』姉が亡くなり義兄と小さな甥のために尽くしてきた結実子だが、義兄が再婚することになり甥に会えなくなることに。再婚相手の主張もわかり難しい。十年越しの感動もあるけれど、人生について考えさせられてしまうもやもやとした辛さがある。 畠中恵『一つ足りない』河童の時代ファンタジー。このアンソロジーの中では雰囲気が最も異なる作品。単純に楽しい読書ができた。
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10年をテーマにした5人の作家による短編集。正直、畠中恵のしゃばけシリーズの番外編があるので、手に取ったのだけど、印象に残ったのは「白紙」と「君が忘れたとしても」だった。10年が上手く噛み合って使われていた。 「白紙」はものすごくリアルで、この先生はともかく、現況の日本では起こり...
10年をテーマにした5人の作家による短編集。正直、畠中恵のしゃばけシリーズの番外編があるので、手に取ったのだけど、印象に残ったのは「白紙」と「君が忘れたとしても」だった。10年が上手く噛み合って使われていた。 「白紙」はものすごくリアルで、この先生はともかく、現況の日本では起こり得る出来事。親のエゴでもあるけど、生きてナンボだけど子供を残しても地獄…うーん。彼女の行動はちょっと?先生や彼氏にここまで伝えるかとか。先生の思考はちょっとうるさいけど、こんなものなのかな〜。 「君が…」は出だしがいい、はい?何ですか?コレ?みたいなところから始まるところが。これは幸せだな。
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“十年”をテーマにしたアンソロジー。新潮社yomyomに入った短編を5つ集めている。 アンソロジーの魅力といえるか、キーワードは統一されていてもテイストがバラエティに富んでいてよい。特に、読後感というか後味がそれぞれで全く違ったのがよかった。作家もよいが、編者がよいと思う。 また...
“十年”をテーマにしたアンソロジー。新潮社yomyomに入った短編を5つ集めている。 アンソロジーの魅力といえるか、キーワードは統一されていてもテイストがバラエティに富んでいてよい。特に、読後感というか後味がそれぞれで全く違ったのがよかった。作家もよいが、編者がよいと思う。 また、無難でいい話を集めがちなアンソロジーにしてはエッジの効いた結末もあり、当初の期待をいい方に裏切ってくれた。 気に入ったのは原田ひ香。多少インパクトに欠けるものの、上手くまとまっている。はじめて読んだが、他の作品にも手を出そうと思う。 4-
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「10年」がテーマの豪華なアンソロジー♪ ・中田永一「地球に磔にされた男」★★★★ 時間を跳び超え、あらゆるパラレルワールドを行き来する・・・ラストは中田永一っぽいかもw ・白河三兎「白紙」★★★★ 生徒のために、よかれと思って、背中を押した・・・言葉は、彼女に、勇気を与え・...
「10年」がテーマの豪華なアンソロジー♪ ・中田永一「地球に磔にされた男」★★★★ 時間を跳び超え、あらゆるパラレルワールドを行き来する・・・ラストは中田永一っぽいかもw ・白河三兎「白紙」★★★★ 生徒のために、よかれと思って、背中を押した・・・言葉は、彼女に、勇気を与え・・・ またもや奈落の底に真っ逆さまに突き落とされたし。 ・岡崎琢磨「ひとつ、ふたつ」★★★★ ターナー症候群の女性の、心の奥底の孤独と希望への一歩。 ・原田ひ香「君が忘れたとしても」★★★★ 姉が亡くなっても、その子供を義兄を助けながら、すっと面倒みたりはしないよなぁ・・・と思いつつ読む。 20歳になった甥っ子との再会のシーンはよかったけどw ・畠中恵「一つ足りない」★★★ 中国の河童たちが海を渡って九州、そして関東へw
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子どもの頃、十年後の世界というのは 輝かしい未来で、想像すらできないくらい遠い遠い世界だった。 それが今では、ついこの間・・・と思っていたことが 十年近く前のことだったりして呆然とすることもしばしば。 同じ十年でも、永遠だったり一瞬だったりするのが時の流れなのだろう。 この短編集...
子どもの頃、十年後の世界というのは 輝かしい未来で、想像すらできないくらい遠い遠い世界だった。 それが今では、ついこの間・・・と思っていたことが 十年近く前のことだったりして呆然とすることもしばしば。 同じ十年でも、永遠だったり一瞬だったりするのが時の流れなのだろう。 この短編集に出て来る十年も、辛かったり切なかったり 一瞬だったり、やっと過ぎて行った十年だったり。。。 それぞれ骨太で愛おしい時間の流れがそこにあります。 主人公たちと過ごす色々な十年を是非経験してみて下さい。
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十というキーワードだけで 作家たちがそれぞれに紡ぎ出す物語。 珠玉揃いのオムニバス。 主人公に同期してしまい 本気で胸を締め付けられるものも 歯がゆさと悔しさで 身悶えしてしまうものも 心にほんのりと灯りがともるものも。 このキーワードから こんなにも たくさんの物語が生...
十というキーワードだけで 作家たちがそれぞれに紡ぎ出す物語。 珠玉揃いのオムニバス。 主人公に同期してしまい 本気で胸を締め付けられるものも 歯がゆさと悔しさで 身悶えしてしまうものも 心にほんのりと灯りがともるものも。 このキーワードから こんなにも たくさんの物語が生まれるのか。 作家ってやっぱりすごい。
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○パッと見パッとしないかもしれないが、中身の濃い一読の価値ある短編集 「10年」がテーマの5つのアンソロジー。 10年は、長いのだけど、その期間には多くの物語が作られるのだ。 一部のみ紹介。 ・白河三兎「白紙」 教師・大塚のクラスの小登乃は、「十年後の自分」という作文を全く書...
○パッと見パッとしないかもしれないが、中身の濃い一読の価値ある短編集 「10年」がテーマの5つのアンソロジー。 10年は、長いのだけど、その期間には多くの物語が作られるのだ。 一部のみ紹介。 ・白河三兎「白紙」 教師・大塚のクラスの小登乃は、「十年後の自分」という作文を全く書いてこなかった。何か理由があるのではと気づいた大塚は、最近分かれた彼氏と話したり家庭訪問で弟と会うなどして、引越し(夜逃げ)することを知る。 弟の晋次郎の担任・小柳とも話し、勇気づけることに決めたのだったが・・・ 衝撃のラスト。 ・原田ひ香「君が忘れたとしても」 整骨院で働く結実子は、ある日残業せず帰社することに。 10年前に頻繁に世話していた、義兄・壮亮の息子壮真に会うためだった。 新しい彼女ができたときに離れざるを得なかったのだが、その後会うことができず音沙汰もなく、空虚になっていた結実子。ある日一通の手紙が来て・・・ 展開は読めるものの盛り上げ方がうまくて、感動。 他に、中田永一「地球に磔にされた男」、岡崎琢磨「ひとつ、ふたつ」、畠中恵「一つ足りない」など、豪華執筆陣。 著者陣も表紙も、パッと見パッとしない(失礼)のだけど、話のクオリティは高い。 一読の価値あり!
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『地球に~』の主人公がろくでなしなので、乙一寄りかな?と恐々読んでいたら、やはり中田永一テイストのラストで安心。世の中こういう事件はあるとはいえ『白紙』のオチは好きじゃない。担任の単純な想像力にもイライラ。『ひとつ、ふたつ』『君が忘れたとしても』は心に沁みてきた。
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