十年交差点 の商品レビュー
「十年」をテーマにした5人の作家による短編集。 SF、ミステリー、恋愛、人の繋がり、ファンタジーと多彩な内容。 ほっとしたり、ゾクっとしたり、涙ぐんだり。 贅沢な時間を過ごせます
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中田永一「地球に磔にされた男」☆☆☆☆ 中田さんらしい。 パラレルワールドに移動する手段を得た男の話。 自分の悲惨な状況を覆そうと、幸せに暮らしている自分を探して、その人生を乗っ取ろうとする。 しかし、様々な可能性の自分に触れていくことで考え方が変化していき……。 この間読んだ...
中田永一「地球に磔にされた男」☆☆☆☆ 中田さんらしい。 パラレルワールドに移動する手段を得た男の話。 自分の悲惨な状況を覆そうと、幸せに暮らしている自分を探して、その人生を乗っ取ろうとする。 しかし、様々な可能性の自分に触れていくことで考え方が変化していき……。 この間読んだ入間人間の『時間のおとしもの』にも同じ題材の短編があって、おもいっきり自分を殺していた。 それと比べると、優劣とかではなくて、作者の違いを感じておもしろい。 白河三兎「白紙」☆☆☆ 中学の作文の課題「十年後の自分」を白紙で提出してきた生徒。 まじめな生徒だったはずなのにどうして? 先生は理由を探ろうと話を聞くが、どうやら秘密があるらしい。 白河さんの作品は、以前小説新潮に載っていたクリスマスがテーマの短編以来。 そのときの温かいイメージを想像していたのだが、予想外。 ラスト手前まではなんて良い話なんだと思っていたのに。 そのままの方向性で結末を迎えてほしかった。 岡崎琢磨「ひとつ、ふたつ」☆☆☆ 彼氏にプロポーズされた主人公。 しかし、自分が不妊症であることを伝えていない! どうしよう? 障害があるとか、なにか欠けているとか、そういう人の気持ちははっきりとは分からない。 だからなのか、主人公の女性がめんどくさいやつだなぁと思ってしまった。 彼氏の「ちょうどいい」というセリフは僕も読んでいて引っかかったけれど、もう少し彼氏の心情を酌んであげても良いと思う。 まるで自分だけが悲劇のヒロインかのよう。 ただ、以前の経験が態度を頑なにさせてしまっているのかと考えると……ううん、難しい。 原田ひ香「君が忘れたとしても」☆☆☆☆ 姉が急に亡くなって、その夫(義理の兄)と一緒に姉の子供を育ててきた主人公。 子どもが自分になついてくれることを喜びつつも、本当の母親ではないからと、いつか来る別れを漠然と意識している。 そんな折、義理の兄が再婚することとなり、子どもと会えないこととなってしまう。 いやあもう母親だね完全に。 子どものことだけでこれだけ心が振り回されるんだなあ。 本当の母親の心の内はわからないが、きっとリアルに表現されていると思う。 畠中恵「一つ足りない」☆☆ 「しゃばけ」のスピンオフだそうだが、そちらを読んだことがないせいか、あまり楽しめなかった。 このアンソロジーの「十年」というテーマもまったく関係なし。
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図書館で借りたもの。 その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語を紡ぐ。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。 地球に磔にされた男/中田永一 白紙/白河三兎 ひとつ、ふたつ/岡崎琢磨 君が忘れた...
図書館で借りたもの。 その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語を紡ぐ。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。 地球に磔にされた男/中田永一 白紙/白河三兎 ひとつ、ふたつ/岡崎琢磨 君が忘れたとしても/原田ひ香 一つ足りない/畠中恵 ジャンルばらばらで読み応えあり! 「君が忘れたとしても」は泣けたな~ 「白紙」はぞわっと! SFな「地球に磔にされた男」も良かった。
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「地球に磔にされた男」 様々な自分の10年間。 今と同じ未来がある事は、ほぼ100パーセント有り得ないことなのだろうな。 人生のどこかにある分岐点で各々が選んだ道を行く限り、一人の人生だとしても無限の可能性があるのだろうな。 「白紙」 縦読みで伝えた未来。 あんな事を知った状態...
「地球に磔にされた男」 様々な自分の10年間。 今と同じ未来がある事は、ほぼ100パーセント有り得ないことなのだろうな。 人生のどこかにある分岐点で各々が選んだ道を行く限り、一人の人生だとしても無限の可能性があるのだろうな。 「白紙」 縦読みで伝えた未来。 あんな事を知った状態で、10年後の未来の自分からの手紙を書けと言われても白紙しかないだろうな。 彼女は生きたかったが、先生からの言葉で間違えた方に決心したが怖くなり最後に頼りにした人にも断られた為この世を後にすることを選んだのかもしれないな。 「ひとつ、ふたつ」 欠点を隠し付き合い続け。 彼女が打ち明けてくれるまで話さないつもりだったのかもしれないが、突然元々知っていた等と言われたら混乱するだろうな。 彼はなんの気に無しに発した言葉でも、彼女がとても傷付く可能性が十分にある事に気付かなかったのだろうか。 「君が忘れたとしても」 突然訪れた今生の別れ。 確かに新しく母親になる人物からしたら、過去の母親代わりの人間は邪魔に感じ離れたくなる気持ちは分からなくもないが流石に限度というものがあるのではないだろうか。 偶然ふらっと通りかかっただけでストーカー呼ばわりし、逃げる様に引越していくのを旦那はどう思ったのだろうか。 「一つ足りない」 千年足りない名の理由。 大切な秘薬が襲われて奪われたといえど、その存在を知られたうえでの行動だとしたら何処から情報が漏れたのだろうか。 寝起きの悪さから繋がる強さもあるが、懐の深さにも彼女が周りの者をまとめる力がある事が分かるな。
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時間を跳び超える機械を手に入れた男の数奇な運命、戦慄の結末に背筋が凍るミステリー…。「10年」をテーマに5人の人気作家が自由に物語をつむいだ、読みごたえ満点のアンソロジー。 冒頭の中田永一(乙一)の短編はまずまずだったけれど、この種の設定は他の作家も描いている。他の3人もそこそ...
時間を跳び超える機械を手に入れた男の数奇な運命、戦慄の結末に背筋が凍るミステリー…。「10年」をテーマに5人の人気作家が自由に物語をつむいだ、読みごたえ満点のアンソロジー。 冒頭の中田永一(乙一)の短編はまずまずだったけれど、この種の設定は他の作家も描いている。他の3人もそこそこ面白かったものの、最後の畠中恵の短編の魅力はピンと来なかった。人気作家なのにどうも相性が良くないらしい。 (Ⅽ)
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白河三兎さんの白紙は予想は出来たけど少しぞくっとした。原田ひ香さんの君が忘れたとしてもはうるっとした。クリストファーロビンの名言がいいなあと思った。どの話も面白くて良かった。元々十年を題材にして作られたのかは知らないけど、同じ十年というのがキーになっていても色んな物語があって面白...
白河三兎さんの白紙は予想は出来たけど少しぞくっとした。原田ひ香さんの君が忘れたとしてもはうるっとした。クリストファーロビンの名言がいいなあと思った。どの話も面白くて良かった。元々十年を題材にして作られたのかは知らないけど、同じ十年というのがキーになっていても色んな物語があって面白いなあと思った。
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「十年」をテーマにしたアンソロジーです。 一番のお気に入りは、最初の掲載作品である、中田永一さんの「地球に磔にされた男」ですね。タイムトラベル系SFです。十年前にタイムワープし即座に十年後、すなわち今に戻ってくるというタイムトラベルの話です。 十年前に飛ぶと宇宙空間に放り出さ...
「十年」をテーマにしたアンソロジーです。 一番のお気に入りは、最初の掲載作品である、中田永一さんの「地球に磔にされた男」ですね。タイムトラベル系SFです。十年前にタイムワープし即座に十年後、すなわち今に戻ってくるというタイムトラベルの話です。 十年前に飛ぶと宇宙空間に放り出されてしまう、過去に飛んだ時点で現代の歴史は変化してしまう、という設定がかなり良いです。この設定により新しい世界に飛びまくって人生を見つめ直していくという短編になります。 二編目は十年後の夢について葛藤する中学生とそれをなんとかしようと奮闘する担任の話、白河三兎さん「白紙」。担任の先生たちは奮闘しますがちょっとズレがでて結局は…という感じで、なんとも救われない最後です。 三編目はターナー症候群の女性とその恋人の話、岡崎琢磨さん「ひとつ、ふたつ」。主人公の女性はハンドメイドアクセサリのお店をやっていて、プロポーズしてくれた彼氏ががいるが、とりあえず保留し、ずっと悩み続けていきます。そのときに来たお客さんがきっかけで思考の方向性が変わっていきます。こちらはハッピーエンドという感じでしょうか。 四編目は亡くなった姉の子供に執着を持ってしまった女性の話、原田ひ香さん「君が忘れたとしても」。姉の子供は主人公にべったりだったのを、義兄が再婚したことにより離れ離れになり、連絡もなくなり忘れてしまったのだろうと思ったら…。いいお話でした。 最後の五編目は河童の話、畠中恵さん「一つ足りない」。これだけ時間としての十年が関わって来なかった気がします。ですので、なんか違うなぁという感じでした。時間経過そのものは「白紙」の方でも無かったわけですが、ヤクザ物的な感じで、河童&川vs人間&猿の話でした。 全体的には面白かったです。「一つ足りない」だけ残念かなという感じですね。「地球に磔にされた男」が非常に面白かったので、このままのノリで行くのかなと思ったら、ほんとに「十年」というくくりだけで、カテゴリもごった煮というのもある意味面白かったです。
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その一瞬の選択があなたの10年後を変える。 「10年」それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむぐ。
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中田さんの話が一番おもしろかった!時間のからくりがあるお話がすきなので楽しかったー!畠中さんの話に他のアンソロジーでも登場した河童たちが出てきて嬉しかったです。
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短編集。 一家心中する女子高生とその教師。 河童の話。 亡くなった姉の息子を義兄と助け合って育てたが、義兄が再婚し継母にもう二度と会うなと言われる話。 ターナー症候群の女性と無精子症の彼の話。 10年タイムスリップできる機械を手にして、いろんなパターンの10年後を見る話。 中でも...
短編集。 一家心中する女子高生とその教師。 河童の話。 亡くなった姉の息子を義兄と助け合って育てたが、義兄が再婚し継母にもう二度と会うなと言われる話。 ターナー症候群の女性と無精子症の彼の話。 10年タイムスリップできる機械を手にして、いろんなパターンの10年後を見る話。 中でも岡崎琢磨のターナー症候群の話「ひとつ、ふたつ」は印象的だった。 サイドストーリーがあるようなので、読んでみたい。
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