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はなとゆめ の商品レビュー

3.6

66件のお客様レビュー

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2016/10/09

授業で出てきても何となくイメージできなかった当時の様子が少しわかった気がする。 いつの時代も、機転が利きセンスある言葉を紡ぎ出せる人は素晴らしい。

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2016/09/30

清少納言が中宮定子に仕えていた時代。絢爛の華の世界に酔いしれながら、一時の華に触れた喜びと定子への絶対的な愛を持って人生を生きる女性として描かれています。 今まで、紫式部日記の清少納言のイメージが大変強かったのですが、全く異なる清少納言像がとても新鮮で、彼女の印象が大きく変わりま...

清少納言が中宮定子に仕えていた時代。絢爛の華の世界に酔いしれながら、一時の華に触れた喜びと定子への絶対的な愛を持って人生を生きる女性として描かれています。 今まで、紫式部日記の清少納言のイメージが大変強かったのですが、全く異なる清少納言像がとても新鮮で、彼女の印象が大きく変わりました。

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2019/05/31

昔に読んだ、田辺聖子さんの「むかし・あけぼの」の清少納言像が好きだったけど、この作品の清少納言像もいい。 選り抜きの女性が集う場所への出仕、主である最上級の貴婦人「定子様」との深いつながりや、彼女に導かれ、思いっきり翼を広げていくよろこびなど、生き生きと語られます。 だけど、...

昔に読んだ、田辺聖子さんの「むかし・あけぼの」の清少納言像が好きだったけど、この作品の清少納言像もいい。 選り抜きの女性が集う場所への出仕、主である最上級の貴婦人「定子様」との深いつながりや、彼女に導かれ、思いっきり翼を広げていくよろこびなど、生き生きと語られます。 だけど、この物語を貫くのは、目の前から消えてしまっても心深く刻まれた素敵なものごとはなくなるものではないという清少納言の思いのように感じます。 そして、そもそも枕草子自体がそういう作品で、さらには、最愛の人を政争の挙句奪われた故の権力者・道長へのレジスタンスの側面があったのかもと思い至ります。 涙と無縁で、ただただ、美しいもの、素敵なものを語り、明るく華やかで機智に富んだエッセイを、最愛の人と死別し、零落した中でしたためたとしたら、清少納言は、なんてかっこいい女性なのかと。 あとがきでは、枕草子が朝日がさす直前のまだ暗い「あけぼの」から始まることに触れ、どんな夜の底にも光が訪れると書かれています。 だけど、春はあけぼの、夏は夜・・・と、どんな零落した境遇にあろうとも、豊かな心さえあれば、美しい物を感じ取れるという宣言から枕草子は始まっていると言う方が、私にはぴったりきました。

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2016/09/25

1000年の時を経ても日本の古典文学で名高い「枕草子」その作者の清少納言と彼女が使えた、時の天皇、一条帝の妃となった藤原定子との主従愛(?)を描いたお話です。 古典の授業で習った「香炉峰の雪は御簾をかかげてみる」…の場面が出てきたりするのでそれもまたおかし、と言ったところです。清...

1000年の時を経ても日本の古典文学で名高い「枕草子」その作者の清少納言と彼女が使えた、時の天皇、一条帝の妃となった藤原定子との主従愛(?)を描いたお話です。 古典の授業で習った「香炉峰の雪は御簾をかかげてみる」…の場面が出てきたりするのでそれもまたおかし、と言ったところです。清少納言の人と成りや枕草子を書くに至った経緯がわかります。帝の位を廻る藤原道長の陰謀に巻き込まれ、窮地に立つ中宮(定子妃)。その渦中にあっても一途な帝への思いや優雅さを失わない彼女を崇拝して止まない清少納言。この時代は物の怪が跋扈し、陰陽師が活躍する時代背景ではありますが、和歌や漢詩に関する素養抜きには成り立たない貴族社会の様子がよくわかります。現代でいえば電子メールに匹敵する(難易度で言えば違いはありますが)和歌のやり取りは、男女の心の機微を表していて面白いものです。

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2016/09/17

徹頭徹尾清少納言の清廉なる独白の形式で,千年前の美しき平安文化の花開き,咲き誇り,そして儚く散っていく様を見事に描き切る.後年紫式部が酷く毛嫌いした,清少納言の世を性善説の立場から見守る純粋さが,嫌みではなく研ぎ澄まされた感性と中宮定子への愛に起因するという立場で描かれる.一服の...

徹頭徹尾清少納言の清廉なる独白の形式で,千年前の美しき平安文化の花開き,咲き誇り,そして儚く散っていく様を見事に描き切る.後年紫式部が酷く毛嫌いした,清少納言の世を性善説の立場から見守る純粋さが,嫌みではなく研ぎ澄まされた感性と中宮定子への愛に起因するという立場で描かれる.一服の絵巻物に感じる.

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2016/09/16

清少納言が中宮定子に仕えていた頃の話を描いています。 感情移入が出来ないという評価がありましたが、それでも 清少納言の生涯を描いた小説ということに対して評価は 出来るかと思いました。華あれば、闇があり、といったところでしょうか。「うた恋い。」の清少納言とはちょっと違った雰囲気でし...

清少納言が中宮定子に仕えていた頃の話を描いています。 感情移入が出来ないという評価がありましたが、それでも 清少納言の生涯を描いた小説ということに対して評価は 出来るかと思いました。華あれば、闇があり、といったところでしょうか。「うた恋い。」の清少納言とはちょっと違った雰囲気でしたね。実方が「あの方」だったし。

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2016/09/11

 清少納言がいかにも枕草子から感じられる清少納言そのもので、沖方さんの再現率凄いなぁと感心する半面、度々イラッとさせられてしまいました。枕草子を読んだ時と同じ感覚……(苦笑) 歴史的背景をきちんと絡ませながら、あたかも清少納言が書き記した自伝小説であるかのように思わせるあたり見事...

 清少納言がいかにも枕草子から感じられる清少納言そのもので、沖方さんの再現率凄いなぁと感心する半面、度々イラッとさせられてしまいました。枕草子を読んだ時と同じ感覚……(苦笑) 歴史的背景をきちんと絡ませながら、あたかも清少納言が書き記した自伝小説であるかのように思わせるあたり見事ですが、感情移入しにくいためか、話に没入出来なかったのが残念です;

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2016/09/03

本作もまた“時代モノ”な小説なのだろうが、「存在自体」が「個性的な位置」を占めるような存在に思える。或いは本作は「教科書の『枕草子』や摂関政治の時代」というようなものに出くわし、「何やら面倒な…」と思っている若い読者に薦められる一冊かもしれない…「教科書の『枕草子』や摂関政治の時...

本作もまた“時代モノ”な小説なのだろうが、「存在自体」が「個性的な位置」を占めるような存在に思える。或いは本作は「教科書の『枕草子』や摂関政治の時代」というようなものに出くわし、「何やら面倒な…」と思っている若い読者に薦められる一冊かもしれない…「教科書の『枕草子』や摂関政治の時代」が「遠い過去」になった、私自身を含むような世代にとっても、「遥かな昔にも在った、オフィスで奮戦する人達や、上層部のゴタゴタ」という普遍的な物語として面白いものである。 非常に独特な存在感を放つ一冊で、広くお薦めしたい!!

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2016/08/24

2016.8.23 枕の名の所以がわかった。 ひとえに中宮定子を尊敬し、喜ばせる華。 顔を見せない慎ましさ。 史記や古今集からひいた気のきいたやりとりは非常にめんどうくさい。今の時代には通用しない笑い。理解できないおもしろさに興醒め、ついていけない。 でも、これが教養というもの...

2016.8.23 枕の名の所以がわかった。 ひとえに中宮定子を尊敬し、喜ばせる華。 顔を見せない慎ましさ。 史記や古今集からひいた気のきいたやりとりは非常にめんどうくさい。今の時代には通用しない笑い。理解できないおもしろさに興醒め、ついていけない。 でも、これが教養というものだろう。 途中から俄然興味深くなってどんどん増え読みたくなってきた。 雅な世界が広がっている。

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2016/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

内容はあの枕草子を書くに至った 宮中の権力闘争の中での、 人との出会い。 とりわけ主となり、「清少納言」の名付け親ともなる 一条天皇の妃『定子』中宮。 美しさ、たおやかさ、聡明さと どれをとっても素晴らしい女性。 初めて出会ったのが定子18歳。 清少納言は、子を産んで離婚後。 清少納言が枕草子を書くまでの 立派な歌人の子として生まれながら、 歌を詠む事へのコンプレックス。 反面、多くの知識を持ちながら 知識と美意識を楽しむ事ができなかった結婚生活。 自分の容貌へのコンプレックス。 清少納言はみたものを克明に覚える特技があったようで、 殿上人の服装の色合いから、縫い目まで 克明な描写は、周りの人も驚かせ 見たものと、自然、名歌とのコラボなど 聡明な中宮からも、愛されたようだ。 枕と称した今でいうエッセイ。 この形式を自分のものにした時の 清少納言の喜び。 人名や、役職名など、固有名詞がいささか読みにくさを 残すが、全体には当時の男女の関係や、遊び、考え方 いろいろわかる面白い一冊になっています。

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